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【2023年8月】ジェネレーティブAI(生成AI)入門: これだけは知っておきたい基本概念

  • 公開日:2023-07-29 21:02:07
  • 最終更新日:2023-08-03 08:38:16
【2023年8月】ジェネレーティブAI(生成AI)入門: これだけは知っておきたい基本概念

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ジェネレーティブAIとは?

最近、あなたの周りでも「ジェネレーティブAI」「生成」AIといったワードや「ChatGPT」「Stable Diffusion」などのサービス名をよく聞くようになりませんでしたか? 実は、これらは新しいタイプのAIのことを指しています。これらはいわば「創造的なAI」で、文章を書いたり、イラストを描いたりすることができます。

でも、具体的に何がどう変わるのか、普段の生活にどう影響するのか、まだちょっとピンとこない人も多いと思います。そこで今回は、そんな方向けにこの新しいタイプのAIについてわかりやすく解説していきます。


従来のAIとの違い

従来のAIはもうすでに私たちの生活の至るところで使われています。Amazonで買い物をしていると、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」というおすすめ商品が出てくることがありますよね? これもAIの一種です。また、スマホのカメラで写真を撮るとき、手が少し震えてもしっかりとした写真が撮れるのもAIのおかげです。

しかし、これらのAIは基本的に「与えられたデータに基づいて最善の選択をする」ことしかできません。たとえば、Amazonのおすすめ商品は、あなたがこれまでに買った商品や見てきた商品に基づいて選ばれます。

ところが、ジェネレーティブAIはそれ以上のことができます。自分自身で新しい文章を書いたり、イラストを描いたりする能力を持っているのです。そしてそれが可能なのは、大量のデータを元に学習することなく、あるいはごくわずかなデータで学習することができるからです。


なぜ今ジェネレーティブAIが注目されているのか?

ジェネレーティブAIは、私たちの仕事を助けるだけでなく、新たな創造活動を可能にします。例えば、メールの作成やプログラムのコード作成、イラストの作成など、これまで人間が行っていた作業をAIが高速に行うことができます。

さらに、この記事のアイキャッチ画像を見てみてください。この画像、実はジェネレーティブAIの一種であるStable Diffusionを使って作られたものです。もちろん、プロのデザイナーにはまだ及びませんが、そこそこの質のイラストをあっという間に作り出すことができます。これからは、どんなサービスもジェネレーティブAIを利用して、より便利に、よりクリエイティブになることでしょう。


ジェネレーティブAIの種類

ジェネレーティブAIが注目を集めたのは昨年のことですが、様々な企業がすでにこれを活用したサービスを作成しています。


対話型AI

対話型AIは、チャットを通じてAIとやり取りを行うAIです。代表的なサービスとしては、OpenAIの「ChatGPT」、マイクロソフトの「bingAI」、グーグルの「Bard」、Metaの「LLaMA」などが挙げられます。

活用例として、今晩の献立をChatGPT'(GPT-4)に考えさせてみます。家に米、鶏肉、豆腐、キャベツ、にんじんといった食材があったとします。AIの返答は以下のようになります。

ChatGPTに献立を考えさせた例
このように、一行の文を与えるだけで、AIが具体的に献立を提案します。

対話型AIを用いた核種サービスについては、以下の記事で詳しく紹介しています。

【2023年8月】対話型AIとは?おすすめの対話型AI利用サービス5選!


画像生成AI

画像生成AIには、Stability AIの「Stable Diffusion」、Midjourneyの「Midjourney」、マイクロソフトの「Dall-E」、アドビの「Adobe FireFry」などが挙げられます。下のイラストは、Stable Diffusionを用いたイラストの例です。

画像生成AIを用いて作成したイラスト

画像生成AIは一般ユーザーにとっても、挿絵や広報のイラストに使ったり、あるいは独自のアート作品を作るのにも役立てることができます


コード生成AI

プログラマは生成型AIを最も効率的に利用することができる職種の一つでしょう。ChatGPTなどの対話型AIでもコードを生成することも可能ですが、コードエディタでも使用可能な、コード生成に特化したAIも存在します。GitHubの「GitHub Copilot」、ASRealの「AI Programmer」、Hugging Faceの「StarCoder」などが挙げられます。

以下にGitHub Copilotの使用例を示します。適切なコメントや関数名を入力することで、目的のプログラムをすぐに生成することが出来ます。

コード生成AIの使用例


その他のAI

他にも、動画作成に用いられるMetaの「Make-A-Video」、音声生成に用いられるマイクロソフトの「VALL-E」など、さまざまなジャンルのAIが活躍しています。そして、これからもそのようなジェネレーティブAIを活用したサービスは増えていくことが予想されます。


ジェネレーティブAIを利用する際の注意点

ジェネレーティブAIは驚くほど便利ですが、その一方で、その使用時には慎重さも必要です。ジェネレーティブAIの活用におけるいくつかの落とし穴について説明します。


AIが虚偽の情報を出力することがある

ChatGPTなどの対話型AIは、時に不正確な情報を出力することがあります。例えば、ChatGPT(GPT-3.5)に「羅生門のあらすじ」について聞いてみます。

対話型AIが不正確な情報を出力する例

なんだかミステリー小説のような内容になっていますね。実際の「羅生門」は、下人と老婆という2人の人物の対話を通して、人間のエゴを描いた文学作品です。

海外では、弁護士がChatGPTが示した存在しない判例を引用して、問題に発展した例があります。

裁判で「ChatGPT」使った弁護士の恥ずかしい結末―東洋経済ONLINE

他にも、学生がレポートでChatGPTの出力を丸写しして単位を落とすなど、こういった事例は枚挙にいとまがありません。

このような現象は「ハルシネーション(幻視)」と呼ばれます。これを防ぐには、AIの出してきた出力結果を鵜呑みにせずに検証することが大事になります。対話型AIの効率的な活用を行うには、対話型AIに聞きたい分野に関する知識も必要になることがあります。


AIに機密情報が含まれるデータを渡す際は注意が必要

あなたがAIに提供したテキストや画像は、AIが学習するためのデータとして使われることがあります。そのため、個人情報や機密情報を含むデータをAIに提供するときは特に注意が必要です

既にサムスンのような世界的大企業でも、AIへの機密情報の漏洩が問題になった事例があります。

サムスン、機密情報をChatGPTにリークして大問題にーギズモード・ジャパン

このような事態を防ぐため、入力内容をAIの学習に用いない「Azure OpenAPI」「行政GPT」などのサービスが作られています。


著作権・肖像権などの問題

ジェネレーティブAIは、学習元データや実在の人物に似た結果を出力することがあります。この結果、著作権や肖像権に関する問題が発生することがあります。

すでにこのような問題は起きており、集英社は画像生成AIを用いて作成した、AIグラビアアイドル「さつきあい」が「実在の元グラビアアイドルの女性に似ている」といった指摘を受けるなど、多くの論争を生み、写真集販売を中止する事態になりました。

実在女性に似てた? 一瞬で消えたAIグラドル「さつきあい」の法的問題ーdmenuニュース

AIの出力と著作権に関する法的な整備は現在も議論中で、具体的な法律はまだ整備されていません。そのため、ジェネレーティブAIを使用する際には、これらの問題を十分に考慮することが重要です。


ジェネレーティブAIは社会をどう変えるのか?

ジェネレーティブAIの登場は、私たちがビジネスや日常生活を行う方法に大きな変革をもたらすと予想されています。以下にどのような変化が予想されるか、いくつか例を挙げます。


ビジネスの変革

ジェネレーティブAIは、労力やコストを削減し、ビジネスを効率化するための道具としての強力なポテンシャルを秘めています。既にジェネレーティブAIを活用したビジネスの効率化を進めた結果、従業員の大規模なリストラを行った企業も存在します。

しかし、歴史を振り返ると、新しい技術の登場が必ずしも職の消滅を意味するわけではないことは明らかです。例えば、自動車の発明により、馬車の御者などの職は消滅しましたが、その一方で自動車工場の労働者や自動車の運転手といった新しい職業が誕生しました。同様に、写真の発明は絵画の伝統的な形式を脅かす一方で、印象派やキュビズムなどの新しい芸術運動を触発し、新たな芸術の領域を開拓しました。

このように新技術の導入は、一部の職業の価値を下げる可能性がありますが、新たな職業を生み出す可能性もあります。したがって、一概に失業率が上がるとは言えません。しかしながら、個々の労働者にとっては、リスキリングやキャリアパスの変更といった課題が生じるかもしれません。


フェイクニュースの作成やなりすましが容易に

ジェネレーティブAIを使うと、特定の人間そっくりの声や画像を作ることができるので、誤った情報を広めたり、他人になりすましたりする人も出てくるかもしれません。これは社会にとって大きな問題で、どのようにこれらの行為を防ぐかが大きな課題となりそうです。

すでにロシアがウクライナのゼレンスキー大統領の偽の画像や音声を作成してインターネット上で流布し、西側諸国でのウクライナ支援について世論操作を試みるなどの事例があります。

また、音声生成AIを用いて本人に近い声を生成し詐欺を働くなど、ジェネレーティブAIを悪用した新たな犯罪の手口が生じています。


一部企業によるAI開発の寡占化の懸念

ジェネレーティブAIを作成するには、莫大なデータとスーパーコンピューターなどの計算資源が必要になり、GAMAMなどの巨大テック企業以外の参入を困難にしています。一方で、Metaが作成した「LLaMA」のように、オープンソースによるジェネレーティブAIも作られ始めています。

一部企業による寡占化が進むのか、日本企業などの後発のサービスがそれらのサービスをしのぐサービスを作るのか、先行きは不透明です。


まとめ

ジェネレーティブAIとは、新しいタイプのAIの一つで、自分で新しい文章を書いたり、イラストを描いたりする力を持っています。これは、いわば「創造的なAI」で、これまで人間が行っていたような作業をAIが行うことが可能になります。

このジェネレーティブAIは、例えば対話型AIとしてあなたと会話をしたり、画像生成AIとして新しいイラストを作り出したり、またコード生成AIとしてプログラムを作成したりします。これらの能力により、私たちの生活はますます便利で楽しくなるでしょう。

ただし、この新しいAIを使う際には注意も必要です。間違った情報を出力することがあったり、個人情報が漏れるリスクがあったり、また作成した画像や文章の著作権などの問題も考えられます。

そして、ジェネレーティブAIの進歩は、仕事のやり方から新たな犯罪の手口まで、社会のいろいろな面に影響を与えると考えられます。だからこそ、この新しいAIの力を最大限に活用するためには、その使い方をきちんと理解し、適切に利用することが大切です。


【著者】

ゆうさい

フォワードソフト株式会社のエンジニア。Java、Python、JavaScript、C#などの言語の他、クラウドやネットワーク技術を勉強しています。PythonやVBAを使った自動化で楽をする方法を考えるのが好きです。 最近はジェネレーティブAIの業務利用に関する検証を行っています。 資格を通じて知識を吸収することを心がけており、セキュリティスペシャリスト、データベーススペシャリスト、応用情報技術者、Oracle Certified Java Programmer Gold SE 11、Pythin3 エンジニア認定試験、HTML5プロフェッショナル認定試験レベル2、AWSプラクティショナーなどの情報資格を保有しています。

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