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基本情報技術者試験の「午前試験」と「午後試験」とは? 試験の違いから免除試験などを解説!

  • 公開日:2021-03-01 17:13:48
  • 最終更新日:2021-03-01 17:13:37
基本情報技術者試験の「午前試験」と「午後試験」とは? 試験の違いから免除試験などを解説!

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基本情報技術者試験には、「午前試験」と「午後試験」の2つの試験があります。

この記事では、

・「午前試験」と「午後試験」の違い

・免除試験


について解説していきます。

基本情報技術者試験に興味がある方は、ぜひ参考にしてください!


また、この記事は、

(2021年度)基本情報技術者試験とは? 日程や内容を詳しく解説!

をすでに読んでおいた方が、分かりやすいです。

まだの方は、一度読んでみてください。




1. 午前試験・午後試験とは?

勉強の写真

基本情報技術者試験では、「午前試験」と「午後試験」の2つに試験の内容が分かれています。

上記2つの試験、両方を受験し、合格する必要があります。


                                         <<基本情報技術者試験 試験名>>

基本情報技術者試験 試験名


「午前試験」と「午後試験」の大きな違いは、出題形式です。

また、午後試験は午前試験の応用を問われる問題が出題されます。

問われる分野の範囲は同じですが、出題形式の違いによって、それぞれ勉強方法や時間配分など工夫が必要です。


参考サイト:基本情報技術者試験について




1.1 名称による分類


試験名「午前試験」「午後試験」とは試験名称です。

午前試験とは、「午前に受ける試験」、と言うことではありません。

あくまで、試験の内容を分類するために設けられている名称ですので、

午前試験を午後の時間帯、または午後試験を午前の時間帯に受験することが可能です。




1.2 2019年、2020年試験以降の変更点


IPAより、基本情報技術者試験の試験内容の変更がありました。


1.午前試験:2019年度秋期試験から数学に関する出題比率向上。

2.午後試験:2020年度春期試験から Python を追加( COBOL を廃止)

3.午後試験:2020年度春期試験から11 問出題 5 問解答に変更(2019年度までは 13 問出題 7問解答)


また2020年度試験より、「上期・下期」と試験名称が変更されました。(2019年度までは、「春期・秋期」名称)

試験名称の変更に伴い、試験方法、試験期間にも変更がありました。


    <基本情報技術者試験 試験名称変更表>

基本情報技術者試験 試験名称変更表

※2020年度春期試験は、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。

 そのため上記の表では、試験が開催された2019年度までとしています。


参考資料:基本情報技術者試験の変更に伴う情報処理技術者能力認定試験の変更




2. 試験対策(実際に出題される問題例)


         <基本情報技術者試験 出題範囲図>

基本情報技術者試験 出題範囲図


基本情報技術者試験は、上記図のような範囲で出題がされます。

分野としては、「テクノロジ系(IT技術)」「マネジメント系(IT管理)」「ストラテジ系(経営全般)」の3つに分かれます。


各分野の傾向や勉強方法については、


基本情報技術者試験の難易度・勉強時間は? 勉強方法や必要な知識なども解説!

基本情報技術者試験に必要な知識


をご覧ください。




2.1 午前試験の問題例


午前試験は、過去問題からの流用が全体の60~70%ほどになっています。

(2019年秋期試験では、過去問題と新規の問題の割合は「62.5% : 37.5%」でした)


また、過去1~5年間に出題された問題が流用されることが多いようです。

下記の問題は、令和元年に出題されたものです。

その前は、平成26年になり、ちょうど5年前ということになります。

しかし、割合が多いだけで絶対にということはないので、時間があるのであればそれ以前の問題も解いておくと良いでしょう。


基本情報技術者平成26年秋期 午前問9


1GHzのクロックで動作するCPUがある。
このCPUは,機械語の1命令を平均0.8クロックで実行できることが分かっている。
このCPUは1秒間に平均何万命令を実行できるか。


ア.125

イ.250

ウ.80,000

エ.125,000
[この問題の出題歴]

基本情報技術者 R1秋期 問12

基本情報技術者 H16秋期 問19

基本情報技術者 H19秋期 問19


上記の問題は、まったく同じ数値と解答で出題されています。

また、問題によっては桁を少し変え出題されることもありますが、考え方は一緒です。

そのため、午前問題については過去問題を繰り返すことが合格への近道となります。


また、使用しているテキストや過去問集の解答で理解できない場合は、インターネットを使うことがお勧めです。


インターネットには、基本情報技術者試験の過去問の解答例が数多くあります。

上記過去問ですと、検索バー(Google)に

「1GHz」と入れると予測変換に「1GHzのクロックで動作するCPUがある。このCPUは,機械語の1命令を平均0.8クロックで実行…」


という予測変換が出てきます。

検索をすると、数多くの解答例サイトが出ます。

その中で、ご自身が分かりやすい解答を載せてくれているサイトがきっとあるはずなので、

テキストや過去問集で分からなかった場合も、すぐに解決できるはずです。

あなたが迷っているところは、他の方も迷っているのです。

分からないままではなく、他の知識者に助けを求めましょう!



参考サイト:基本情報技術者試験ドットコム 過去問道場(午前)




2.2 午後試験の問題例

午後試験は、過去問題からの流用はほとんどありません。

問題形式も、午前問題とは全く違う文章問題となっています。


問題数が11問あり、その中から選択で5問を選びます。


               <午後試験の出題形式図>

午後試験の出題形式図


問題1つひとつが、設問が3~5問ほどに分かれています。

ここでは実際の問題の文章が長いため、掲載は省略し、問題の形式のみ掲載しています。


問題形式例

令和元年秋期問1

テレワークの導入に関する次の記述を読んで,設問1~3に答えよ。

(記述は、省略)
設問1
本文中の□に入れる適切な答えを,解答群の中から選べ。

a に関する解答群
 ア.開発PCから開発サーバにアクセスできない
 イ.開発VMから開発サーバにアクセスできない
 ウ.事務PCから開発サーバにアクセスできる
 エ.事務VMから開発サーバにアクセスできる

b に関する解答群
 ア.192.168.0.0/24
 イ.192.168.1.0/24
 ウ.192.168.16.0/24
 エ.192.168.64.0/24
 オ.192.168.65.0/24
 カ.192.168.128.0/20
 キ.192.168.128.0/24
 ク.203.0.113.0/24
 ケ.インターネット
設問2
シンクライアント端末から開発サーバにアクセスするときの接続経路として適切な答えを,解答群の中から選べ。

 解答群
 ア.シンクライアント端末→VDIサーバ→VPNサーバ→開発PC→開発サーバ
 イ.シンクライアント端末→VDIサーバ→VPNサーバ→開発VM→開発サーバ
 ウ.シンクライアント端末→VDIサーバ→開発VM→開発PC→開発サーバ
 エ.シンクライアント端末→VPNサーバ→VDIサーバ→開発PC→開発サーバ
 オ.シンクライアント端末→VPNサーバ→VDIサーバ→開発VM→開発サーバ
 カ.シンクライアント端末→VPNサーバ→開発PC→開発VM→開発サーバ
設問3
A社がテレワークの検討を進める過程で,"常に同一の業務環境を使用できるように,テレワークで働くときだけでなく,
事務PC及び開発PCからも仮想マシンを使用したい"との要望が挙がった。
検討した結果,この要望に応えてもセキュリティ上のリスクは変わらないと判断した。
また,A社のネットワーク内からアクセスするのでVPNで接続する必要はなく,
利用者認証をVPNサーバではなくVDIサーバで行えばよいことを確認した。
 この要望に応えるとき,表1のルール案に必要な変更として適切な答えを,解答群の中から選べ。
ここで,表1のルール番号7の送信元には,設問1で選択した適切な答えが設定されているものとする。

解答群
 ア.変更する必要はない。
 イ.ルール番号3と4の間に,送信元を 192.168.0.0/23,宛先を 192.168.64.0/20,
   サービスをVDI,及び動作を許可とするルールを新たに挿入する必要がある。
 ウ.ルール番号3と4の間に,送信元を 192.168.64.0/23,宛先を 192.168.0.0/23,
   サービスをVDI,及び動作を許可とするルールを新たに挿入する必要がある。
 エ.ルール番号3と4の間に,送信元をインターネット,宛先を 192.168.64.0/20,
   サービスをVDI,及び動作を許可とするルールを新たに挿入する必要がある。


問題の文章を理解するのにも時間がかかりますが、設問の問題数も多くなっています。

そのため、午後試験は時間が足りなくなる方が多く、勉強の段階から時間を意識して行っていくことが大切です。


しかし、午後試験の内容は、午前試験の知識を応用したものが出題されます。

基本的な用語や概念を、具体的な事例としてどのように活用されているかを問われることが多いです。

そのため、まずは午前試験での理解度を上げることが午後試験の合格への近道となるでしょう。


IPA 基本情報技術者試験 過去問題

基本情報技術者試験ドットコム 過去問道場(午後)




3. 基準点以上でも不合格!?

勉強の写真


基本情報技術者試験では、自己採点で基準点以上を取っても不合格になる場合があります。


3.1 合格基準60点


基本情報技術者試験の合格基準点は午前試験・午後試験の両試験共に各60点になっています。


<基本情報技術者試験 配点及び基準点図>

基本情報技術者試験 配点及び基準点図


参考サイト:基本情報技術者試験 試験要項 4. 採点方式・配点・合格基準 19ページ




3.2 午前試験配点

 午前試験は過去問題からの流用問題が試験全体の60~70%と高くなっているため、過去問題を繰り返し勉強すると合格できる、とまで言われています。

 その時に受ける試験によって過去問題からの流用率は変わりますが、過去問題のみで午前試験を合格することもできることがあるでしょう。

 しかし、全ての過去問題を把握しておくことは難しいため、過去に出題されていない、新規の問題に関する知識を得るためにも、最新の情報関連知識を常に身に付けることも大切です。

 特に、セキュリティ分野に関しては、新規の問題が出題されることが多くなっています。

 セキュリティの問題は、午後試験でも必須問題なので、ここで押さえておくことはとても重要です。



3.2.1 1問1.25点

午前試験では、1問を1.25点で採点をします。


                          <問題別配点割合表>

基本情報技術者試験 問題別配点割合表


自己採点で採点ミスがない限りは、60点以上とれていれば、ほとんど合格と言えるでしょう。

しかし、もしものこともあるので、自己採点では70点以上を採っていると安心できると思います。




3.3 午後試験配点

午後試験は午前試験よりも難易度が上がります。

その理由としては、以下の点が挙げられます。

 ・過去問題からの流用がない。

 ・文章問題のため、問題理解に時間がかかる。

 ・問題の難易度自体が高めなことが多い。

 ・必ず解答しなければいけない分野が決まっているため、苦手な人にとっては大変。

 ・配点は問題ごとに決められているが、設問ごとの配点は分からない。




3.3.1 配点は問題の難易度ごとに変更

午後試験では、各問題に配点基準が事前に分かっています。


          <基本情報技術者試験 問題別配点割合表>

基本情報技術者試験 問題別配点割合表

 

しかし、設問に関しては得点がわかりません。


午後試験 問1は必須問題になっており、情報セキュリティに関する問題が出題されます。

この問題は、いくつかの設問に分かれており、それぞれが何点かまではわかりません。


例えば、設問が3つあった場合は、問1の配点は20点のため、設問1つが5点。という計算にはならないのです。

なぜならば、配点は各設問の難易度ごとに変更されるからです。


設問1と設問2を比べ、難しい方が得点が高くなります。

そのため、設問の3つのうち2つが正解していたとしても、10点を採れる!というわけではないのです。

もしも、正解した設問が易しければ、その分得点は難しい問題へと割り振られるため、自己採点で60点が取れていたとしても、実際の採点では、もっと低くなる場合も多くあります。


なので、午後試験ではより高得点を取っておかなければ、合格は難しくなってくるということなのです。


参考サイト:基本情報技術者試験 試験要項 4. 採点方式・配点・合格基準 20ページ

  



4. 免除試験とは?

免除写真


「免除試験」とは、基本情報技術者試験の午前試験を免除し、午後試験のみ受験する試験です。


IPA 基本情報技術者試験(FE)の午前試験が免除される制度について




4.1 午前試験が免除される

IPAに認定された講座を受講し、修了試験(基本情報技術者試験の午前試験に相当)に合格するなど(修了認定の基準を満たす)ことによって、基本情報技術者試験の午前試験が1年間免除される制度です。


免除試験のポイントとしては、

・修了試験は2回まで受験ができ、1回目の修了試験で不合格になっても再受験ができる。

・修了試験の合格者は、午後試験の対策や勉強に集中することができる。


ことが大きいでしょう。




4.1.1 制度の概要

基本情報技術者試験の免除試験を受けたい場合は、直接講座開設者に問い合わせる必要があります。

また、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象となっている講座もありますので、受講したい方はよくご覧ください。

どちらも認定された講座を受講し、修了試験に合格するなどの修了認定の基準を満たすことが必須です。


基本情報技術者試験(FE)の午前試験が免除される制度について 講座を受講したい方(個人)




4.2 免除試験には修了試験がある

修了試験は2回まで受験ができます。

修了試験は毎年6,7,12,1月の年4回実施されています。

修了試験の問題は全体の95%以上が基本情報技術者試験の過去問題から流用されています。

本試験よりも流用率は高くなっているため、過去問題を繰り返すことで、合格に近づくでしょう。


基本情報技術者試験(FE)の午前試験が免除される制度について

(IPAの提供する修了試験の過去問題・解答)


 



4.3 免除試験での受験方法

修了試験を合格した場合、基本情報技術者試験の午前試験を受けず、午後試験のみの受験ができます。

その場合は、申し込みの段階で、免除試験の申請をする必要があります。


ただし、修了認定を受けた日から1年間の上期・下期試験、午前試験が免除となります。

翌年の試験では無効になってしまうため、試験は必ず受けられるように準備しておきましょう。


詳しい申請方法などは、

IPA 基本情報技術者試験について

をご覧ください。




5. まとめ

基本情報技術者試験の午前試験と午後試験の違いが、分かったでしょうか?


基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門と言われる試験です。

毎回多くの受験者がいます。


合格を目指す方は、過去問題を繰り返すことを中心に勉強を進めていくと良いでしょう。


【著者】

伊藤

Javaを研修で3か月学んだ、駆け出しのエンジニアです。
現在は、ベンダー資格を取得するため、勉強を日課にできるよう努力中です。

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