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IT業界におけるベンダーとは?他業界での使われ方も詳しく紹介

  • 公開日:2021-10-30 22:11:14
  • 最終更新日:2022-09-12 17:10:44
IT業界におけるベンダーとは?他業界での使われ方も詳しく紹介

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IT業界におけるベンダーとは

パソコンを使う男性

「ベンダー」とは、さまざまな業界における商品の供給先や仕入れ先を指しますが、IT業界におけるベンダーとは、主に販売元を意味します。


IT業界の理解を深めるために、よく使われる用語の一つであるベンダーについて説明していきます。また、他業界におけるベンダーの用法についても解説していきます。

言葉の由来とは

修行

「ベンダー」は、今日ではさまざま業種業界で使用される言葉ですが、英語の「vendor」がその由来です。


英語の原義は「売り歩く人、行商人、売り主」ですが、IT業界で使われるベンダーは、一般的に主に販売元を意味します。

ベンダーと似ている言葉

パソコンを使う人

ベンダーに似ている言葉に「メーカー」と「サプライヤー」があります。サプライヤーはベンダーと同義語として使われる業界もありますが、IT業界では分けて使われる場合があります。以下にそれぞれの言葉の解説をしていきます。

メーカー

メーカーは英語の「maker」です。原義は「作る人、製作者、製造元、メーカー、造物主」となります。そのまま製造元を意味します。一方でベンダーは主に販売元を指します。


自転車を例えで使うと、製造元の自転車制作会社がメーカー、町の自転車屋さんがベンダーということになります。


ただし、IT業界ではメーカーとベンダーを混同して使用している場合があります。日本の大手IT企業数社は、製造と販売を同時に行っています。その場合、メーカーでもありベンダーでもあると言えるでしょう。

サプライヤー

サプライヤーは英語で「supplier」です。原義通り供給者を指す言葉として使用されます。主にメーカーにその製品を作るための、原材料や部品を供給する企業を指します。


IT業界においては製品の販売元をベンダーと呼び、メーカーに原材料や部品を供給する企業をサプライヤーと呼びます。

IT業界で使われるベンダーに関する用語12選

ビル

IT業界において、ベンダーそのものも良く使われる言葉ですが、ベンダーの派生語も多く存在し、一般的に使用されています。ベンダーの販売形態により呼称が変わる場合や、販売する製品により、別の呼び方になる場合もあります。


また、ベンダーロックインやベンダーコントロール等、聞いただけでは何を意味するのか、良く分からない用語も多く存在しています。


専門的な内容も含みますが、以下IT業界で多用されるベンダーの派生用語類を12個、順を追って説明していきます。

1:開発ベンダー

主にシステムやソフトウェア等を自社で開発して販売する企業や、ハードウェア等を自社で開発して販売する企業はどちらとも開発ベンダーと呼ばれます。


以上のように自社で開発と販売を同時に行う企業は、一般的に開発ベンダーと呼ばれます。

2:ITベンダー

今日において、IT関連の製品は多種多様です。ソフトウェアを始め、マウス、キーボード、液晶モニター等のハードウェアやコンピュータシステム、またそのサポート等多岐にわたります。


そのような、IT関連製品をユーザーや企業に販売供給している企業を一般的にITベンダーと呼びます。

3:ベンダーコード

パソコンやルーター、スマートフォン等のネットワーク機器にはMACアドレスという個識別のための番号がついています。このMACアドレスの上の番号がベンダーコードです。


このベンダーコードを見れば、どのメーカーが作った製品か分かるようになっています。

4:シングルベンダー

IT関連メーカーは多数あり、関連製品もそれに応じて多種多様です。各ベンダーが扱う製品もさまざまなメーカー、企業の製品となります。その中でも単一のメーカー、あるいは企業の製品のみを扱うベンダーを一般的に「シングルベンダー」と呼びます。


シングルベンダーの場合は、扱っているメーカーがバージョンアップをした場合でも、製品同士の互換性が失われることは殆どありません。


その代わり、コスト面で割高になったり、扱っているメーカーの製品にミスや欠陥があった場合、すぐに替えが効かないというデメリットがあります。

5:マルチベンダー

シングルベンダーに対して、複数のメーカーの製品を扱うベンダーは「マルチベンダー」と呼ばれます。シングルベンダー、マルチベンダーはそれぞれに長所短所があります。


マルチベンダーの場合、扱いのメーカーの製品に欠陥やバグが発生しても、他メーカーの同じような製品で直ぐに交換が可能です。また、各メーカーの強みや割安の製品を使用することでコスト面でも有利になり得ます。ただし、製品同士の互換性を常に考慮する必要があります。


特にソフトウェアやドライバー等は、メーカーが違うと互換性が失われる場合があり、注意が必要です。

6:ハードウェア・ベンダー

ベンダーが扱う製品による呼び方の違いの一つに、ハードウェア・ベンダーがあります。パソコン本体や液晶テレビ、キーボード、マウス等のハードウェア類を扱うベンダーをハードウェア・ベンダーと呼びます。

7:ソフトウェア・ベンダー

パソコン本体やキーボード、マウス等のハードウェアに対し、システムやゲーム、アプリ、OS等をソフトウェアと呼びます。このシステムやソフトウェアを扱うベンダーをソフトウェア・ベンダーと呼びます。

8:ベンダーロックイン

メーカーが自社製品で顧客や供給先を囲い込むことを「ベンダーロックイン」と言います。顧客はシステムや製品選択の余地が低下したり、価格交渉で不利益を被りやすくなる等のデメリットがあると言われています。


ちなみに、自社独自の技術や製品で他社への乗り換えを困難にすることを「テクノロジーロックイン」、企業同士の結びつきを強化して自社製品を供給することを「コーポレートロックイン」と言います。

9:ベンダー資格

IT関連国家資格に対して、ベンダーである各メーカーが、自社製品・ソフトウェア等に対して独自に行っている資格試験をベンダー資格と呼びます。たとえば、シスコ技術者認定やマイクロソフトオフィススペシャリストなどが挙げられます。


ベンダー資格はそれぞれランク分けされている場合があります。高ランクのベンダー資格を持つことで、その製品に対しての深い知識や技術を持つことを客観的に証明できるでしょう。

10:ベンダーコントロール

各ベンダーに対し、製品やソフトウェア、システムを発注する側の企業にとって、どのくらい人的リソースが必要か、時間的金銭的コストはどのくらいかかるか等のベンダーとの交渉が一つの業務となります。その業務全般をベンダーコントロールと呼びます。

11:ベンダー登録

中小企業が、IT技術・ソフトウェア等を導入する際、補助金が出る制度が存在します。ただし、補助金対象ベンダーとなるには、事前にIT導入補助金事務局に登録しておく必要があり、これをベンダー登録と言います。

12:べンダープレフィックス

プログラミング言語であるCSSのプロパティの拡張機能を各ブラウザ上で実行するためにつけられる接頭辞をベンダープレフィックスと呼びます。また、各ブラウザに対応するベンダープレフィックスがあります。

他の分野でのベンダーの意味

タブレット

これまでは、IT業界におけるベンダーを解説してきましたが、IT業界以外でもベンダーという言葉は使用されています。ここでは、IT業界以外の代表的な業界におけるベンダーの意味を解説していきます。

1:流通業界における意味

町のスーパーや雑貨店において、卸売業者がベンダーに当たります。また卸売業者にとって元売メーカーはベンダーになります。このように流通業界においては、一般的に供給元はベンダーとなります。

2:食品製造業界における意味

町のパン屋さんにとって、小麦を仕入れる業者はベンダーとなります。また、弁当屋さんにとって、野菜卸業者や食肉卸業者もベンダーとなります。このように食品製造業界においても、広く一般的に供給元をベンダーと呼びます。

3:建築業界における意味

建築業界でもベンダーは使われています。しかし、他業界のように企業を指す言葉としてはあまり使われていません。建築業界においてのベンダーは、鉄製のパイプや鉄骨等鉄素材を曲げるために使用する工具を指し、油圧式やレバー式等があります。

ベンダーの意味を正しく理解してIT業界の理解を深めよう

アイディア

ここまでIT業界におけるベンダーについて記述してきました。分からない専門用語が多いとその業界を理解する妨げになりがちですが、専門用語を理解できればIT業界を正しく理解することに繋がります。


一つ一つの言葉の意味をしっかり把握し、IT業界の理解を深めていきましょう。


【著者】

【記事監修】山崎 裕(東京ITカレッジ講師)

東京ITカレッジで講師をしています。

Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。

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