データサイエンスとは?注目される理由やプラットフォーム導入例もあわせて紹介
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そもそもデータサイエンスとは?
データサイエンスとは、様々な手法を用いてデータから価値を引き出すことを言います。
統計や人工知能などを用いてデータの相関や分布を分析することで、ビジネスなどの課題を解決することを目的としており、データサイエンスに取り組む人をデータサイエンティストと言います。
機械学習や人工知能との違い
データサイエンスとは人工知能や機械学習を用いたデータ分析そのもののことをいい、機械学習やディープラーニングは人工知能分野の中の言葉です。
前述のとおりデータサイエンスは人工知能だけでなく、統計学など様々な科学的手法を用いてデータを分析することであるため、混同しないようにしましょう。
データサイエンスが注目される理由3つ
最近では、データサイエンスという言葉をテレビやインターネットで耳にすることも多いのではないでしょうか。なぜこんなにもデータサイエンスが近年注目されているのか、その理由3つについて解説していきます。
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1:データ収集が容易になった
インターネットやデバイスの発展により、デジタルデータが大量に蓄積されたビッグデータが集まりやすくなりました。その結果、必要なデータをコストをかけずに手に入れられるようになりました。
機械学習やディープラーニングなどの手法は、一般的に大量のデータを用いた方が精度の良い予測をすることができます。このように、ビッグデータが手に入りやすくなったことで、データサイエンスが発展していく要因となりました。
2:ネットワークの進展による課題解決のビジネスが盛んになった
ネットワークが進展することで、世界中の情報を簡単に手に入れることができるようになりました。それは逆に、情報ひとつが与える影響の範囲が広くなるということでもあります。
また、課題を解決した後の影響の規模が大きくなるということは、その課題に対する投資が促進されるということでもあります。
それによって、データサイエンスを用いたコンサルティングを行い、課題を解決するビジネスが近年盛んになっているということです。
3:企業収益に直結する
データサイエンスが解決する課題には、顧客情報を分析し商品配置をプランニングしたり、新商品を開発するなどといった、利益を増やすための課題と業務効率の改善や、オペレーションの自動化などによるコストを削減するための課題があります。
利益を増やし、コストを削減することで企業の収支を大きく変える可能性を持っています。
データサイエンスの重要性
インターネットが発達し、Web、SNS、IoTなど世の中がデジタル化している昨今、データサイエンスが重要視されています。
ビジネスではもちろん、行政の分野でも中央官庁や自治体が行う調査などがどれほど有効に利用できるかがデータサイエンスに託されているということです。また医療の分野でも、画像解析や判定の難しい病状をビックデータで解析したりとデータサイエンスが発展しています。
データサイエンスに求められるもの
データサイエンスにはデータから価値を引き出すことが求められます。データの分析ができたとしても、その分析結果が課題や問題の解決の糸口にならないことには意味がありません。
また、課題の中には「どのような顧客層に反響があるから利益がでたのか」などのように、その分析の理由を説明できなければ価値にならない課題もあります。課題の本質を見抜き、どのような手法を使って価値を創出するかが問われます。
データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは、文字通りデータサイエンスを行う人全般を指します。しかし、データサイエンティスト自体の定義は曖昧です。
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データサイエンティストとしての主な仕事内容は「データの収集と分析を行い、ビジネスの課題の解決を行うこと」であるため、今では「機械学習エンジニア」や「データエンジニア」などのデータサイエンティストの中でも細分化された役割を示す言葉もあります。
データサイエンスプロジェクトのマネージャーの種類3つ
ここからはデータサイエンスのプロジェクトの中にある、3つの種類のマネージャーについて解説していきます。データサイエンスを行っていく中でも様々な役割があるため、しっかりと確認していきましょう。
1:ビジネスマネージャー
ビジネスマネージャーは主に、経営層・マネジメント層との連携を行います。ビジネスの課題をどのようにデータを用いて解決するかを決定する戦略立案のプロセスであるため、ビジネスにおいての知見を求められます。
また、データ分析で得られた結果をマネジメント層へ報告するレポートの作成などを行うため、データ分析に詳しくない人に、なぜその結果が得られたのかをわかりやすく説明するスキルも必要です。
2:ITマネージャー
ITマネージャーは主にIT部門との連携を行います。その企業でどのようなデータを得ているのかを把握し、データ分析を行うためのマシンやアプリケーションなどの選定をIT部門と連携しながら行います。
また、データを集める業務部門とのコミュニケーションを行い、必要なデータについての依頼なども仕事の1つです。
3:データサイエンスマネージャー
データサイエンスマネージャーは、主に得られたデータをどのように分析するのかを決定するプロセスを担います。
分析する前のデータの整理や、分析後のデータの管理および分析するモデルやアプリケーションなどのセッティングを行い、よりよい分析を目指します。
データサイエンスのサイクルプロセス10個
ここからはデータサイエンスにおけるプロセスを10個にわたって解説していきます。データサイエンスは、この10個のプロセスをサイクルとして回していき、よりよい分析結果を導き出します。
1:データを取得する
ただ単にデータを集めるだけでなく、欲しい分析結果を得るためにどのようにしてコストをかけずにデータを取得するかを検討する必要があります。
また、ここで取得したデータをもとに今後のプロセスを踏んでいくため、データの中に分析に必要なデータが含まれていなければ、課題の解決に至ることができないという結末を迎えることにもなりかねません。
2:データを準備する
データを集めることとの違いは、集めたデータはただのデータの集まりであって、そのまま分析に用いることができることはまれです。
例えば、1ドルと1円をそのまま1という数値として扱ってしまうと、分析結果に大きなズレが生じてしまいます。集めたデータそのままよりも分析に適した状態のデータに変換し、データセットを作成します。
また、データセットの中に通常ではあり得ないような数値である異常値や、抜け落ちてしまっている欠損値などのデータのエラーをクレンジングすることもこのプロセスで行います。
3:データを探索する
2個目のプロセスで整ったデータセットを探索し、作成するモデルのヒントになるようなパターンや相関などを探索します。このプロセスで得たパターンをもとにモデルの作成を行うため、特に重要なプロセスと言えます。
よりよいモデルの作成のために、1個目のデータの取得と2個目のデータの準備に何度も立ち戻ることや、納得のいくパターンを見つけるまで探索を繰り返す可能性もあります。
4:計画する
ここでの計画は、モデルおよびアルゴリズムの構築を計画します。3個目で得たパターンをもとに、どのようなモデルを作成すればよいのかを検討します。
データサイエンスでは豊富にある機械学習の方法やアルゴリズムを用いるため、どの手法を用いるかを決定するのがこのプロセスです。
もちろんどのような結果が必要かでおおよそ使う手法は決まっていますが、その手法の中でもどの手法を使った方がより良い結果が得られるのかを検証しなければなりません。
5:モデルを作成する
4個目のプロセスで作成した計画をもとに実際にモデルを作成していきます。機械学習であれば、実際にデータセットを学習させます。
この際にも、データサイエンティストが決定しなければいけないパラメータなどの調整も欠かせません。ただ計画通りに作成するだけでなく、よりよい結果を得るために複数モデルを作成したり、その複数のモデルから平均をとるモデルを作成したりします。
6:モデルを評価する
モデルの評価はどのようなモデルを扱うかにもよります。
例をあげると、「ある画像をいくつかの種類に分類する」というような課題であれば、データセットの中から検証用のデータをあらかじめ用意しておき、訓練用のデータで学習したモデルが検証用のデータをしっかりと分類できているかなどを評価します。
この評価により、作成したモデルが今後の予測したいデータに対し適切に稼働するかを判定するということです。
7:モデルを説明する
モデルの説明はビジネスの観点からも重要な項目です。
分析結果が優秀だったとしても、課題に対してモデルの有用性を説明できなかったり、分析結果がでた理由について説明できない場合、そのモデルはビジネスの観点からすれば価値がなくなってしまう可能性があります。
近年では、AIがどのように判定したのかを説明可能にするXAIというものの開発も発展しています。
8:モデルを導入する
モデルの導入には、ビジネス上でしっかりとモデルが稼働できるかを検討する必要があります。
モデルがあり適切な分析ができたとしても、現場でモデルを利用し、実際のデータで課題を解決してもらえなければ意味がありません。現場でもしっかりと利用してもらえるように適切に導入する必要があります。
9:モデルを監視する
データサイエンスではモデルを作成し、導入するだけで終わりではありません。導入してから入手される生データを分析した結果が適切かどうかを監視する必要があります。
ここで得られるエラーをもとに、よりよい分析結果を得るためのモデルづくりが行われます。
また、分析についてだけ監視するのではなく、モデルに対してウイルス攻撃を行ってきたりすることも想定されるため、セキュリティ面での監視も必要不可欠です。
10:以降繰り返し
ここまでの1〜9個目のプロセスを繰り返すことでサイクルを回していきます。監視することで得られたデータを分析し、結果をもとにモデルを再構築したり、利用するデータセットを変更したりします。
データサイエンスの課題5つ
ここからは5つのデータサイエンスにまつわる課題について説明していきます。
データサイエンスの歴史は浅いためメリットばかりではありません。有用性があるとわかっていてもデジタルに抵抗がある人がいたり、法の整備が整っていなかったりと様々な課題があります。
>> データサイエンティストの将来性|今後の需要や必要とされるスキルを解説
1:効率的な作業が難しい
まず大きな問題は、データへのアクセス権限の問題です。
データサイエンティストはIT管理者からデータにアクセスする許可を得る必要があるため、分析後のリビルドなどの際に、データにアクセスすること自体に時間がかかってしまうことがあります。
2:開発者が機械学習モデルをすぐに活用できない
2つ目の課題は、開発者が機械学習モデルをすぐに活用できないことです。アプリケーションを開発しているチームに機械学習モデルを渡しても、そのモデル自体をアプリケーションに導入する準備ができていないことがあります。
また、どのようなモデルでも導入できるアプリケーションであるとは限らないため、モデルの再構築から行うことになる可能性もあります。
3:ITチームがサポートで多忙となる
現在様々なオープンソースのツールが増えており、企業内で利用するツールが増え続けてしまう可能性があります。
部門ごとに使用しているツールが異なってしまう場合、ITチームが何度も環境を再構築する必要がでてきてしまいます。
4:ビジネスマネージャーとデータサイエンティストの連携が難しい
経営層全員がデータサイエンティストの重要性を理解しており、ビジネスの意思決定の際にデータサイエンスを組み込んでいることは大変稀です。
この連携が不十分であると、ビジネスマネージャーがデータサイエンスを用いたプロジェクトへの投資をしなくなってしまう恐れがあります。
5:人によって使用するツールが異なる場合がある
5つ目は、人によって使用するツールが異なる場合があることです。データサイエンスチームのメンバーごとにツールや言語が違ってしまうと、モデルに互換性がなくなってしまい、導入するまでに数ヶ月ほどかかってしまう可能性があります。
データサイエンスにおすすめのツール
データサイエンスプロジェクトを行うにあたって、データサイエンスプラットフォームの利用がおすすめです。データサイエンスプラットフォームとは、データサイエンスプロジェクトを1つの環境で一気通貫して行うことができるプラットフォームです。
一元化されたツールを利用することで全ての作業をgithubのようなバージョン管理システムによって同期させることができます。
データサイエンスプラットフォームを導入するメリット
データサイエンスプラットフォームを導入するメリットは、データサイエンティストの生産性を向上することができることです。
データサイエンスプラットフォームを利用することでモデルの開発や提供を加速し、エラーを減少させることができるほかに、データを一元化で管理することもできるため、データを扱いやすくなります。
また、データサイエンティストへの恩恵だけでなく、ITチームとの連携もスムーズにすることで、プロジェクト自体を加速化することにもつながります。
データサイエンスプラットフォームの選び方5つ
ここからはデータサイエンスプラットフォームを選ぶ際に注目する点を5つに分けて解説していきます。
一元化できるという性質上、プラットフォームを選び間違えてしまうとプロジェクト自体に大きく影響してしまうため、しっかりと確認していきましょう。
1:リソースとの統合や柔軟性で選ぶ
近年では様々なオープンソースツールがありますが、その中でも最新のものをサポートしているプラットフォームを選ぶ必要があります。
GitHubなどのバージョン管理ツールは特に利用できるかどうかが、モデルの作成やアプリケーションの構築に大きく関わります。
2:チームで連携が取れるUlを選ぶ
選び方2つ目はチームで連携が取れるUIを選ぶことです。それぞれのチームの連携を綿密にするために、各メンバーがデータやリソースに簡単にアクセスできるUIを選ぶ必要があります。
コンセプト作成から開発、監視に至るまで様々なチーム・メンバーが利用するため、特定の人間でしか利用できないプラットフォームは避けるようにしましょう。
3:モデルの運用がしやすいサービスを選ぶ
モデルの運用や導入はデータサイエンスプロジェクトの核の部分でもありますが、あまり重要視されていないこともあります。
モデルの運用や導入のしやすさはコストを削減されがちですが、とても重要な部分であるため、しっかりと検討する必要があります。
4:チームの負担を軽くできるかで選ぶ
データサイエンスチームだけでなく、ITチームやビジネスチームなどの負担を軽減し、データサイエンスの作業を効率化できるかは大変重要なポイントです。
プロジェクトには様々なチームが関わりますので、それぞれのチームで負担が増えてしまうとプロジェクト自体の進行にも関わってしまいます。
5:拡張しやすいものを選ぶ
企業やチームの拡大に伴い、プロジェクト自体も拡大することがあります。その時にプラットフォームに拡張性がないと、1からやり直しということにもなりかねません。
可用性に富み、多数のユーザーが同時に利用しても対応ができるようなプラットフォームであることが必要となります。
データサイエンスプラットフォームの導入例
次に、データサイエンスプラットフォームの導入が必要な例についてです。
生産性やコラボレーションに限界があったり、モデルの再現ができない、モデルを本番環境に導入できないなどの場合にはデータサイエンスプラットフォームを導入しましょう。
データサイエンスについての基本的な知識を身に付けよう
この記事では、データサイエンスの様々なポイントについて解説してきました。今後、ビジネスにおいてさらに加速するであろうデータサイエンスについて基礎的な知識をしっかりと身に付け、市場価値を高めましょう。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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