エンジニアがフリーランスになると国民年金になるの?併せて加入したい制度も紹介
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エンジニアがフリーランスになると国民年金になる
公的年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の全ての人が被保険者となる「国民年金(基礎年金)」と会社員や公務員が被保険者となる「厚生年金」の2階建て構造になっています。
会社員からフリーランスになった場合、厚生年金の被保険者でなくなるため、国民年金(第1号被保険者)に切り替えるための手続きが必要です。
出典:国民年金・厚生年金保険 被保険者のしおり|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/seido-shikumi.files/LN13.pdf
厚生年金と国民年金は何が違う?
公的年金には、厚生年金と国民年金があるということは知っているものの、その違いについて理解していないという人もいるでしょう。ここからは、厚生年金と国民年金の違いについて紹介します。
厚生年金から国民年金へ切り替える前に、2つの違いについて理解しておくようにしましょう。
もらえる年金の額
厚生年金と国民年金では、将来もらえる年金の額が違います。
厚生年金は給料と加入期間によってもらえる年金額が決まり、令和2年度の受給者平均年金月額は146,145円でした。これに国民年金分がプラスされるため、もらえる金額はもっと多くなります。
一方、国民年金は、加入期間でもらえる年金額が決まり、令和2年度の受給者平均年金月額は56,358円でした。このように、将来もらえる年金額には大きな違いがあります。
出典:令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況|厚生労働省年金局
参照:https://www.mhlw.go.jp/content/000925808.pdf
納付する保険料の負担額
厚生年金と国民年金では、納付する保険料の負担額にも違いがあります。
厚生年金は、保険料を事業主と被保険者が折半して支払うことになっていますが、国民年金は全額、被保険者が負担しなくてはいけません。
出典:厚生年金保険の保険料|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-01.html
保険料を納付する額
厚生年金と国民年金では、納付する保険料も違います。
国民年金の保険料は一律で、令和4年度は一カ月当たり16,590円です。一方、厚生年金は、給与(標準報酬月額)と賞与(標準賞与額)に保険料率(18.3%)を乗じて計算された額を、事業主と被保険者で折半します。
出典:国民年金保険料|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html
出典:厚生年金保険の保険料|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo/hoshu/20150515-01.html
厚生年金から国民年金へはどうやって切り替える?
会社を退職しフリーランスになった場合、厚生年金の加入資格を喪失するため、速やかに国民年金へと切り替えを行う必要があります。厚生年金の脱退手続きは退職した会社が行いますが、国民年金への加入手続きは自分で行わなければなりません。
ここでは、厚生年金から国民年金へ切り替える手続きについて紹介します。
手続きをする場所
厚生年金から国民年金に切り替える場合、住所地の市区町村庁舎で手続きを行います。
厚生年金の被保険者に第3号被保険者であった配偶者がいた場合、退職とともに資格を喪失することになるため、一緒に国民年金に切り替える手続きをしましょう。
出典:国民年金に加入するための手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-04.html
出典:会社を退職した時の国民年金の手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-03.html
切り替えの期限
厚生年金から国民年金への切り替えは、退職日の翌日から14日以内に行わなければなりません。市役所や役場は、土日祝日は窓口業務がお休みになるため、平日に手続きに行くようにしましょう。
もし、この期間に手続きが間に合わなかったり、手続きを忘れていたりした場合には、納付期限から2年以内であれば未納分の保険料を納付できます。納付期限から2年を過ぎてしまうと、時効になり保険料の納付ができなくなるため注意しましょう。
出典:国民年金に加入するための手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-04.html
出典:保険料を納めなかった期間がありますが、今から納めることができますか。|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/faq/kokunen/seido/hokenryo/20120828.html#
切り替えに必要な書類
厚生年金から国民年金への切り替えには、以下の書類が必要です。
・雇用保険被保険者離職票、雇用保険受給資格者証などの退職日が分かる証明書
・年金手帳、基礎年金番号通知書などの基礎年金番号が分かるもの
・マイナンバーカード・免許証などの本人確認書類
別世帯の人が代理で国民年金への切り替え手続きをする場合には、上記の書類に加え、委任状や手続きする人の本人確認書類が必要になるため注意しましょう。
出典:会社を辞めましたが、国民年金の加入手続きは必要ですか。|江戸川区ホームページ
参照:https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e030/qa/kurashi/nenkin/nenkin01.html
フリーランスエンジニアになって年金の支払いが難しくなった場合
フリーランスになったばかりの頃は、収入が安定せず年金保険料の支払いが難しいというケースもあるでしょう。年金保険料の支払いが難しい場合、手続きをしないと未納状態になってしまい、将来もらえる年金額が少なくなってしまう可能性があります。
未納状態にならないように、免除制度や猶予制度を利用しましょう。以下では、免除制度と猶予制度の概要について紹介していきます。
国民年金の免除制度を利用しよう
国民年金の免除制度は、本人、世帯主、配偶者の前年の所得(1月から6月に申請する場合は前々年)が一定以下の場合に利用できる制度です。
免除制度利用すると、未納と違い受給資格期間へ算入や年金額への反映が行われ、全額免除の場合でも2分の1は受け取ることが可能です。また、免除から10年以内であれば保険料を追納し、受給額を満額に近づけることもできます。
出典:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
国民年金の支払いを猶予してもらう制度も利用できる
保険料納付猶予制度とは、本人もしくは配偶者の前年の所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が一定以下の場合には、保険料の納付を猶予してもらえる制度です。
猶予制度利用中は受給資格期間への参入は行われますが、保険料の追納がないと年金額へは反映されません。猶予制度を利用する場合は、できるだけ追納して将来もらえる年金額を増やすようにしましょう。
出典:国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/menjo/20150428.html
フリーランスエンジニアが年金について知っておくべきこと
フリーランスエンジニアに転身し、厚生年金から国民年金に切り替えた場合、いくつか知っておいた方が良いことがあります。
ここからは、フリーランスエンジニアが年金について知っておくべきことを紹介します。
扶養家族の年金も支払う必要がある
フリーランスエンジニアになり国民年金の第1号被保険者になると、扶養家族の年金も支払う必要があります。
会社員時代に加入していた厚生年金では、扶養家族は第3号被保険者に該当し、年金保険料を支払う必要がありませんでした。
国民年金には扶養という仕組みがないため、扶養家族も第3号被保険者から第1号被保険者に切り替わり、保険料を支払わなくてはいけません。年金への加入義務があり扶養家族が多い場合には、負担が大きくなるでしょう。
出典:会社を退職した時の国民年金の手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-03.html
年金は所得から控除できる
納めた国民年金の保険料は全額、社会保険料控除の対象となります。
控除を受けるためには、毎年10月下旬ごろ(その年の保険料を10月以降に初めて納付する人は翌年の2月)に発送される「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」を添付して、確定申告を行いましょう。
出典:国民年金保険料|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/hokenryo/20150313-02.html
フリーランスエンジニアが年金と併せて加入したい制度
前述したように、厚生年金から国民年金に切り替えると、将来もらえる年金額が減ってしまいます。国民年金だけでは将来の備えが不十分な場合が多いため、プラスの備えを考えておかなければなりません。
ここでは、国民年金と併せて加入したい制度について紹介します。
国民年金基金
国民年金基金は、厚生年金に加入する会社員などとの年金格差を解消するために設けられている、国民年金の第1号被保険者が加入できる公的年金制度です。国民年金に国民年金基金をプラスすることで、将来もらえる年金額を増やすことができます。
少ない掛金から加入でき、加入後は自由に掛金を増やしたり減らしたりすることが可能です。掛金の全額が所得控除の対象で、節税の一環として利用できますが、一度加入すると自己都合で脱退できないため注意しましょう。
出典:国民年金基金制度とは?|国民年金基金連合会
参照:https://www.npfa.or.jp/system/about.html
出典:加入条件・資格|国民年金基金連合会
参照:https://www.npfa.or.jp/system/condition.html
付加年金
付加年金は、第1号被保険者や任意加入被保険者が毎月支払う国民年金の保険料に付加保険料(月額400円)をプラスして納付することで、将来もらえる年金額を増やせる制度です。
将来もらえる年金額は定額で、毎年「200円×付加保険料納付月数」が上乗せされます。ただし、国民年金基金と一緒に加入することはできないため注意しましょう。
出典:付加年金|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/sonota-kyufu/1go-dokuji/20140625.html
iDeCo
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは、公的年金にプラスして任意加入できる私的年金制度です。掛金を自分で運用して、原則60歳以降に掛金と運用益の合計額を給付として受け取れるようになっています。
フリーランスの人がiDeCoを利用する場合、月々5,000円からスタートでき、掛金額を1,000円単位で自由に設定可能です(国民年金基金や付加年金との合算枠が上限68,000円)。
iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象で、運用益は非課税となっています。また受け取った金額は、公的年金等控除もしくは退職所得控除の対象です。
出典:iDeCoの特徴|iDeCo公式サイト
参照:https://www.ideco-koushiki.jp/guide/
経営セーフティ共済
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは、取引企業が倒産した場合に、中小企業が連鎖倒産してしまうことを防ぐために設けられた制度です。
取引先が倒産などした場合に、掛金額の10倍(最高8,000万円)もしくは回収困難になった売掛金債権等の額の、いずれか少ないほうの金額を無担保、無利子で借り入れできます。
掛金月額は5,000円から20万円まで自由に設定でき、増額したり減額したりすることも可能です。掛金は確定申告時に損金や必要経費に算入でき、40カ月以上納めていれば掛金全額が戻るような仕組みになっています。
出典:制度の概要|経営セーフティ共済(中小機構)
参照:https://www.smrj.go.jp/kyosai/tkyosai/about/features/index.html
小規模企業共済
小規模企業共済とは、フリーランスや小規模企業の経営者、役員向けの掛金積み立てによる退職金制度です。
掛金月額は、1,000円から70,000円の間で、500円刻みで自由に設定し、加入後に増額したり、減額したりできるようになっています。掛金は全額が所得控除の対象です。
また、共済金を受け取る場合は、退職所得(一括受け取り)もしくは公的年金等の雑所得(分割受け取り)扱いになり、所得控除を受けられます。
出典:制度の概要|小規模企業共済(中小機構)
参照:https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/features/index.html
フリーランスエンジニアになるなら年金についても考えよう
フリーランスエンジニアになると、厚生年金から国民年金への切り替えが必要です。切り替えしないと、未納状態になりもらえる年金額が減ってしまいます。
フリーランスエンジニアになったらこの記事で紹介したことを参考に、速やかに国民年金への切り替えを行いましょう。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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