フリーランスが失敗する主な原因｜対処法や再就職についても解説

フリーランスのエンジニアは失敗する傾向がある？

フリーランスのエンジニアとして独立することを視野に入れている人の中には、フリーランスとして独立した場合、成功できるかどうか不安に感じている人もいるでしょう。

実際、フリーランスエンジニアとして独立した人の中には、特に最初の頃は失敗が続いてしまうという人も少なくありません。独立したばかりの頃はまだ仕事のペースもうまく掴めないため、モチベーションを保つことも難しいでしょう。

フリーランスが失敗する主な原因

フリーランスになって失敗する原因は人によって様々ですが、原因はある程度決まっています。どのような原因でフリーランスが失敗しやすいのか把握しておくことで、事前に防げるでしょう。

ここでは、フリーランスが失敗する主な原因を紹介していきます。

自己管理が難しい

フリーランスは会社員と違い、就業規則などがありません。自分で仕事を始める時間や仕事をする日数などを好きに決められるため、会社員と比較して自由な働き方がしやすい点は大きな魅力です。

しかし仕事の自由度が高いということは、自己管理が難しいという意味でもあります。つい怠けてしまったり、逆に自分のキャパシティを考慮せずに仕事を引き受けすぎてしまったりする場合もあるでしょう。

このようにうまく自己管理ができなければ、クライアントにも迷惑をかけてしまう可能性があります。

納期や連絡が遅れてしまう

前述のように自己管理がうまくできなければ、仕事の納期が遅れたり、クライアントへの連絡が遅れてしまったりすることがあります。このようなミスは信頼問題にも関わり、最悪の場合はクライアントから仕事を切られてしまう原因にもなります。

フリーランスの場合は自分の信用を売っているため、クライアントからの信頼を失うということは、そのまま仕事を失うことにもつながるでしょう。

仕事の受注が難しい

IT業界の技術が日々進化しているため、エンジニアに必要とされる知識や技術の変化のスピードも速いです。特に自分の技術が売りのフリーランスエンジニアの場合、常にスキルアップしなければ仕事を獲得できなくなっていくでしょう。

これまでの実績やスキルなどが足りない場合、なかなか仕事が獲得できないという事態に陥ってしまいます。また、フリーランスは自分自身で営業をする必要があるため、営業スキル不足によって仕事が取れないケースもあるでしょう。

苦手な仕事を断れずに続ける

個人で仕事をしているフリーランスは、どうしてもクライアントよりも立場が弱くなるケースが多いです。クライアントから苦手な仕事を断りきれずに引き受け続けていると、だんだんと精神的に参ってしまうこともあります。

そのため、自分が対応したくないような仕事の場合はきちんと断ることも重要です。無理に苦手な仕事を続けて精神がすり減り、仕事ができなくなってしまっては本末転倒です。

仕事の生産性が上がらない

契約内容にもよりますが、フリーランスの場合は時給計算ではなく成果物を納品することで報酬を得ている人も多いです。このような場合、時間管理が疎かになっていると生産性が上がらず、稼働時間に見合った収入を得られなくなります。

成果物を納品することで収入を得るのであれば、できるだけ効率的に仕事をすることが重要でしょう。

金銭トラブルに巻き込まれる

フリーランスエンジニアの中には、エージェントやクラウドソーシングサイトなどを利用して案件を獲得する人も多いでしょう。

このようなサービス経由であれば報酬が保証されているためあまり心配はありませんが、クライアントと直接契約で仕事を請け負う場合、きちんと約束されている報酬が振り込まれているか確認する必要があります。

金銭管理が疎かになっていると、報酬の未払いや契約よりも少ない金額が振り込まれているといったトラブルもあるため、自分自身で手数料や報酬など細部まで把握しておくことが大切です。

生活が不規則になり体調を崩しやすい

フリーランスは会社員のように毎日決まった時間に起床して出社する必要がないため、どうしても生活が不規則になりがちです。フリーランスの中には夜型の人も多く、仕事の後れを取り戻そうと徹夜で作業を行ってしまう人も多いです。

しかし不規則な生活によって体調を崩せば、仕事ができなくなってしまいます。フリーランスは代役を立てることもできないため、自分が働けなくなれば収入もゼロになり、クライアントにも迷惑をかけてしまうでしょう。

コミュニケーションを疎かにする

フリーランスの中には、コミュニケーションを疎かにしたことで失敗するという人も多いです。クライアントからしてみれば、できるだけスムーズなコミュニケーションが取れる人に仕事を依頼したいと考えます。

また、チームで開発を行うような案件であれば、他のエンジニアと協調して仕事をしてくれる人を求めているケースも多いでしょう。そのため、意思疎通が難しい人だと判断されてしまえば、すぐに仕事も切られてしまいます。

クラウドソーシングを活用していない

フリーランスエンジニアは、何らかの形で営業活動を行わなければ仕事を得られません。自分で営業ができない人やクラウドソーシングサイトを活用していない人は、案件が獲得できずに失敗してしまうでしょう。

特にフリーランスとして独立したばかりの場合、生活も不安定になりがちなため、クラウドソーシングサイトを利用して案件を獲得できるようにしておくとよいでしょう。

フリーランスに対する認識が甘い

フリーランスという働き方に対する認識の甘さから失敗する人も多いです。フリーランスは自由に働ける、会社員よりも稼げるといったメリットばかりを鵜呑みにして独立してしまう人も存在します。

しかしフリーランスになれば、本業以外の雑務も自分で行わなければいけません。また、貯蓄が十分でないと、仕事が軌道に乗る前に生活資金が尽きてしまう可能性もあります。

このように、フリーランスへの認識にギャップがあると苦労することになるでしょう。

フリーランスとして働く人の失敗例

フリーランスとして働いている人の中には、ほんの些細な理由から失敗してしまい、フリーランスを辞めざるを得なくなった人もいます。独立を成功させるのであれば、フリーランスのメリットだけでなくデメリットにも目を向けるようにしましょう。

ここでは、フリーランスとして働く人の失敗例について紹介していきます。

スキルアップが難しい

フリーランスの場合は会社と違い、研修や勉強会などに参加する機会がありません。また、仕事が軌道に乗ると日々案件に対応するだけで精一杯になり、スキルアップに割く時間が取れなくなることも多いです。

実際に独立するまでは気づきにくいですが、会社員として働いている方がスキルアップする機会には恵まれていると言えるでしょう。自分が対応できる案件だけこなしていても、エンジニアとしての成長は期待できません。

仕事とプライベートの切り替えができない

フリーランスは自分の裁量で仕事ができる点がメリットですが、仕事とプライベートの区別がつきにくくなるというデメリットもあります。

特に自宅で仕事をしているフリーランスエンジニアの場合、常に仕事のことを考えているような状態になってしまい、心身が休まらないというケースも多いです。

低収入により生活ができない

会社員として働いていれば、毎月決まった金額が給与として振り込まれます。しかしフリーランスの場合は自分が対応した仕事の分だけ収入が入るため、場合によっては会社員よりも低収入になってしまうことも少なくはありません。

会社員の場合はスキルが低くでもいきなり解雇されるようなことはありませんが、フリーランスは自身のスキルや実績が武器です。スキルが低いと、報酬が低すぎて生活ができなくなるという失敗例もあります。

フリーランスとして失敗を避けるための対処法

ここまでフリーランスが失敗する事例など紹介してきましたが、このような失敗例は事前に対策することで回避できます。ここでは、フリーランスとして失敗を避けるための対処法について解説します。

仕事の環境を変える

在宅で仕事をしていると周りの目がないためつい仕事を怠けてしまうという人もいるでしょう。このような場合は、カフェやコワーキングスペースで仕事をするように仕事の環境を変えるのがおすすめです。

在宅ではなかなか仕事モードに切り替えられないという人でも、周りに人目がある環境に身を置くことで仕事モードに切り替えやすくなるでしょう。特に仕事や勉強などに集中している人が多い場所ほど、自然と仕事に集中しやすくなります。

納期が遅れる場合は事前に連絡する

クライアントにとって、連絡なしの納期遅れが最も悪いパターンです。連絡なしで納期を破ってしまった場合、それだけでクライアントからの信用を失ってしまいます。

そのため、納期が遅れそうな場合は先にクライアントに連絡を入れておきましょう。自分からこのような連絡をするのは心苦しいかもしれませんが、社会人として連絡を行えるだけでもクライアントからの信用に繋がります。

また、事前に連絡していれば納期を再調整してもらえるケースもあるでしょう。

仕事のしやすいクライアントを見極める

フリーランスは様々なクライアントと仕事ができるため、複数のクライアントを比較し、できるだけ相性の良いクライアントを見極めて仕事をするのがおすすめです。

クライアントの中にはフリーランスに対して高圧的な人もいます。精神的に辛いと感じるようなクライアントであれば、無理につきあう必要はありません。

自分が精神的に参ってしまう前に、契約を終了することも考えた方が良いでしょう。

目標金額を設定する

案件の単価が安いままだと、いくら働いても生活が楽になることはありません。自分が生活に必要な毎月の固定費を算出し、その金額を最低限稼ぐ金額として、毎月の目標金額を設定すると良いでしょう。

目標金額を設定しておけば、目標を達成するために必要な単価でクライアントと交渉することも可能になります。もちろん自分のスキルや実績も考慮する必要がありますが、フリーランスとして生活するためにも自分に見合った単価の案件を受けることが重要です。

規則正しい生活をする

フリーランスは自分の好きに時間を使いやすい分、生活リズムが乱れやすいです。生活リズムが乱れれば体調も崩しやすくなるため、規則正しい生活を送ることが重要です。

たとえば毎日決まった時間に寝起きし、十分な睡眠時間を確保しましょう。フリーランスはつい無理をして夜遅くまで仕事をしてしまうこともあるため、きちんと自己管理を行うことでオーバーワークを防ぐことも大切です。

フリーランスのコミュニティに参加する

フリーランスは業界の最新情報に敏感であることも大切です。業界のトレンドや最新情報を仕入れるには、フリーランスのコミュニティを活用するのがおすすめです。

フリーランスが集まるコミュニティを活用すれば、フリーランスとして働く人のリアルな声を聞けます。また、自分と同じような悩みを抱えている仲間ともコミュニケーションを取れるため、人脈も広がるでしょう。

事前に準備をしてから独立する

フリーランスとして成功するには、独立する前の準備が重要です。フリーランスとして独立したばかりの頃は案件の獲得が難しいため、事前に取引先との人脈を形成しておき、独立後も仕事を貰えるようにしておくとよいでしょう。

また、フリーランスは社会的な信用度が下がってしまうため、会社員のうちにクレジットカードの準備なども行っておくとよいでしょう。

将来の展望を持つ

フリーランスは自由な働き方がしやすいため、目標がなければ怠けてしまいがちなため、今後どうしたいのか具体的な将来の展望を持つと良いでしょう。

3年後、5年後、10年後などの数年先の目標を決めておくことで、毎日モチベーションを維持しながら仕事に取り組めるようになります。

フリーランスで失敗する人の特徴

フリーランスという働き方は会社員とは全く異なるため、人によって成功する人もいれば失敗する人もいます。自分がフリーランスになっても失敗しやすいタイプだということが事前に分かっていれば、無理に独立して失敗することもないでしょう。

ここでは、フリーランスで失敗する人の特徴について解説していきます。

行動力がない人

フリーランスとしてしっかりと収入を得るためには、自分で案件を獲得する必要があるため、行動力がない人は失敗しやすいでしょう。

フリーランスは受け身でいても仕事が貰えるわけではありません。積極的に人と交流して人脈を広げていけるような人でなければ、フリーランスとして成功することは難しいでしょう。

上昇志向がない人

上昇志向がない人はフリーランスとして成功しにくいと言えます。フリーランスは自分で仕事を選べるため、向上心を持っていなければ今の自分のスキルで無難にこなせる案件ばかりを引き受けてしまいがちです。

しかし、IT業界のトレンドは目まぐるしく変化しているため、スキルアップしなければいつの間にか時代に取り残され、仕事も少なくなっていってしまうでしょう。

仕事の効率が悪い人

フリーランスは基本的に1人で仕事をすることになるため、仕事の効率が悪いと収入にも直接的な影響が出ます。効率が悪いといくら働いても思うように収入が上がらず、フリーランスとして生活できなくなってしまうでしょう。

また、効率の悪さが影響して納期に間に合わなくなった場合、クライアントからも仕事を切られてしまうリスクがあります。

コミュニケーション能力が低い人

フリーランスとしてクライアントに自分のスキルや実績をアピールしたり、報酬の交渉を行ったりするためには、コミュニケーション能力が必要です。

クライアントと信頼関係を築いていくためにも、基本的なコミュニケーション能力を身につけましょう。

はっきり意見が言えない人

フリーランスはクライアントよりも立場が弱くなるケースが多いため、なかなか自分の意見をクライアントに伝えられない人もいます。しかし自分にとってデメリットが大きい案件を押しつけられそうになった場合など、しっかりと断らなければいけないケースもあります。

自分の意見をはっきり言えない人は結果的に貧乏くじを引かされることになるため、フリーランスとしても失敗しやすいと言えるでしょう。

フリーランスで成功する人の特徴

ここまでフリーランスで失敗する人の特徴について解説してきましたが、逆に成功しやすい人の特徴もあります。ここでは、フリーランスで成功する人の特徴について解説します。

スキルアップするための努力をしている人

フリーランスとして長く働くためには、積極的に新しいスキルを身につけていく必要があるため、自分でスキルアップのための努力ができる人は成功しやすいでしょう。

フリーランスとして成功するには、セミナーに参加したり書籍を購入したりして自己研鑽を怠らないことが重要です。

営業や人脈作りを大切にしている人

フリーランスとして成功している人は、しっかりと人脈作りをしています。人脈を大切にしておけば、人づてに営業して案件を獲得したり、最新の情報をキャッチアップしたりすることもできるでしょう。

フリーランス仲間と交流している人

基本的に1人で仕事をするフリーランスは孤独を感じることも多いため、人との交流も大切です。フリーランスの仲間を作って交流している人は、フリーランスとしても成功しやすいでしょう。

キャリアが長い分野で独立している人

クライアントは即戦力として仕事をしてくれる人材を求めているため、キャリアが長い分野で独立している人は最初からアドバンテージがあるため成功しやすいでしょう。

特にマネジメント経験や新規事業の立ち上げ経験などがあると、市場価値の高い人材として成功しやすいです。

フリーランスになってから再就職はできる？

再就職先は絞られる可能性がありますが、取引先や同じ職種であれば再就職することも可能でしょう。フリーランスとして失敗したときのために、再就職も視野に入れておくのがおすすめです。

フリーランスで失敗する原因や対処法を知っておこう

フリーランスで失敗してしまう人もいますが、十分な対策を取っておけばフリーランスとして生活することは難しくはないでしょう。

本記事で紹介したフリーランスが失敗する主な原因や失敗を避けるための対処法などを参考に、フリーランスとして成功できるように準備をしておきましょう。