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フリーランスが支払う税金の計算方法とは?経費計上など節税する方法も解説

  • 公開日:2022-06-01 10:42:23
  • 最終更新日:2022-11-21 10:51:06
フリーランスが支払う税金の計算方法とは?経費計上など節税する方法も解説

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フリーランスが支払う税金の種類とは?

イメージ図

フリーランスが支払う税金には、会社員と同じ所得税や住民税のほかに、個人事業税や消費税、固定資産を持っている人が支払う固定資産税などがあります。


給与から税金が天引きされる会社員とは違い、フリーランスになると自分で税金の支払いを行わなくてはいけません。支払い期限が迫って困ることがないように、税金に関する知識を身につけておきましょう。

フリーランスが支払う税金の種類と計算方法

事務

それぞれの税金は、何に対してかかるものなのでしょうか。ここからは、フリーランスが支払う主な税金の種類と計算方法について紹介していきます。


支払う税金の種類や計算方法、納付方法、納期までしっかり理解しておきましょう。

所得に対して支払う「所得税」

所得税は、個人の所得(利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得)に対してかかる税金です。毎年、1月1日から12月31日までに生じた所得に対して課されます。


平成25年から令和19年までの各年分の所得に関しては、復興特別所得税(東日本大震災の復興にかかる財源を確保するために課される税金)を所得税と併せて申告・納付しなくてはいけません。


出典:所得税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm


出典:個人の方に係る復興特別所得税のあらまし|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/fukko_tokubetsu/index.htm

納付方法や納期

フリーランスの場合は翌年の2月16日から3月15日の間に確定申告し、3月15日までに納付しなくてはいけません。


納付方法は、指定の金融機関の預金口座から振替する方法とインターネットバンキングなどを利用して電子納税する方法、クレジットカード・コンビニで納付する方法、現金で納付する方法があります。


定められた期限までに納税が間に合わないと、延滞税が課されてしまうことになるため、納期は必ず守り、もし納付が間に合わない場合には、延納制度を利用しましょう。


出典:【税金の納付】|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/qa/10.htm


出典:所得税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm

計算方法

所得税を計算するためには、まず所得を求めなくてはいけません。所得とは、収入から経費を差し引いたもので、フリーランスの場合は事業を営むためにかかった家賃や電気代などが経費に当てはまります。


所得が分かったら、控除を差し引いて課税所得を求めましょう。控除には、誰でも利用できる基礎控除など15種類があり、控除を利用することで課税所得が抑えられます。


課税所得が分かったら、「課税所得×税率(5%から45%)-控除額」で支払う所得税額を計算します。


出典:No.2260 所得税の税率|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm


出典:No.1100 所得控除のあらまし|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1100.htm

個人事業主に課せられる「個人事業税」

個人事業税は、法律で定められた業種(法定業種)に従事しているフリーランスが都道府県に対して支払う税金です。


個人事業税には事業主控除というものが設けられており、年間所得が290万円以下の場合には納税の必要はありません。


個人事業税の対象となる業種には、第1種事業(物品販売業・保険業・印刷業・製造業など37種類)、第2種事業(畜産業・水産業・薪炭製造業の3種類)、第3種事業(医業・歯科医業・弁理士業など30種類)があります。


出典:個人事業税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html

納付方法や納期

個人事業税は、原則8月と11月の年2回に分けて納付します。個人事業税は口座振替、クレジットカード・コンビニで納付する方法、スマートフォン決済アプリ、ペイジー対応のATM、自治体の税事務所などで納付可能です。


出典:個人事業税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html

計算方法

個人事業税は「(所得金額-損失の繰越し控除額-事業主控除額(年290万円、営業期間が1年未満の場合は月割額))×税率」で計算できます。


所得は、1月1日から12月31日までの収入から必要経費や青色申告特別控除額などを控除した金額です。


税率は第1種業種が5%、第2種業種が4%、第3種業種はあん摩・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復その他の医業に類する事業、装蹄師業が3%、それ以外は5%となっています。


出典:個人事業税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html

都道府県に支払う「住民税」

住民税とは、ごみ処理や上下水道など身近な行政サービスの運営に必要な経費を、住民に公平に負担してもらうために徴収されている税金です。


所得に応じて分担する所得割、所得に関係なく住んでいる方に定額の負担を求める均等割の2種類があります。


出典:個人住民税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html

納付方法や納期

個人住民税の納付方法は、普通徴収と特別徴収の2つがあります。給与所得者は6月から翌年5月までの毎月の給料から特別徴収されることになっていますが、フリーランスは普通徴収により納付しなくてはいけません。


自治体から送付される納付通知書で、年4回(6月、8月、10月、翌年1月)に分けて納付します。


出典:特別徴収・普通徴収とは何ですか。|港区ホームページ
参照:https://www.city.minato.tokyo.jp/kazei/kuse/kocho/faq/zekin/141.html

計算方法

個人住民税は「所得割金額+均等割金額」で計算できます。それぞれの計算方法は以下の通りです。


所得割は「課税所得(所得-所得控除)×税率(一律10%)-税額控除」の計算式で求められ、均等割は市町村民税3,500円と道府県民税1,500円です。


出典:個人住民税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ju.html

課税売上によって納付義務が生じる「消費税」

消費税は、商品やサービスを提供する際に公平に課税されている税金です。フリーランスになると商品やサービスを提供し、顧客から消費税を受け取り納税しなくてはいけない場合もあります。


基準期間(前々年)の課税売上高が1,000万円を超える場合に、消費税を納税しなくてはいけません。開業して2年間は基準期間がないため、原則納税が免除されます。


ただし、特定期間(前年の1月1日から6月30日まで)の課税売上高が1,000万円を超える場合には、課税事業者となるため注意しましょう。


出典:消費税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm


出典:No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6531.htm

納付方法や納期

消費税の納税義務者になった場合、3月末日までに申告し納付を行います。ただし、直前の課税期間の消費税額が48万円を超える場合は、中間申告と納付が必要になります。


消費税額が48万円超400万円以下の場合は年1回(直前の地価税機関の消費税額の2分の1)、400万円超4,800万円以下の場合は年3回(4分の1ずつ)、4,800万円超の場合は年11回(12分の1ずつ)中間申告と納付します。


消費税は、口座振替、窓口納付、ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付、コンビニ納付で納付可能です。


出典:消費税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm


出典:[手続名]国税の納付手続(納期限・振替日・納付方法)|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/01.htm

計算方法

消費税の計算方法は、原則(一般課税)と簡易な計算方法(簡易課税制度)の2種類があります。


原則の納税額の計算方法は、「課税期間中の課税売上げにかかる消費税額-課税期間中の課税仕入れ等にかかる消費税額」です。


簡易な計算方法(簡易課税制度)は、事業区分に応じた「みなし仕入率」を使った計算方法で、基準期間の課税売上高が5,000万円以下の方が事前に届出することで選択できます。


計算式は「課税期間中の課税売上げにかかる消費税額-(課税期間中の課税売上げにかかる消費税額×みなし仕入率)」です。


出典:消費税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_3.htm

不動産を所有している場合に課せられる「固定資産税」

固定資産税は、固定資産を所有している場合にかかる市町村税です。固定資産には、宅地・田・畑・山林などの土地、住家・店舗・工場・倉庫などの家屋、機械・装置・工具・器具及び備品などの償却資産があります。


フリーランスで自己所有物件を事務所にしている場合などは、固定資産税を支払わなくてはいけません。


出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/kotei_tosi.html

納付方法や納期

固定資産税は、年4回に分けて金融機関窓口や口座振替、クレジットカード、スマートフォン決済アプリなどの方法で納付します。納付時期や納付方法は、自治体により異なるためホームページなどで確認しましょう。


出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/kotei_tosi.html

計算方法

固定資産税は、基本的に課税標準額×税率(原則1.4%ですが、自治体により異なります)で算出できます。課税標準額は、土地や家屋などの評価額を基に決定され、固定資産課税台帳に登録されているものです。


ただし、家屋で課税標準の特例が適用される場合は特例適用後の額が、土地で住宅用地に対する特例措置や負担調整措置などが適用される場合も措置を講じた後の価格が課税標準額となります。


なお、土地や家屋の評価額は3年に一度評価替えが行われているため、3年間は据え置きです。新築や増築があった場合は家屋調査が行われ、価格を決定することとなっています。


出典:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shisan/kotei_tosi.html#ko_02_07

フリーランスが経費として計上できる税金

書類

事業税、固定資産税、自動車税、不動産取得税、登録免許税、印紙税などが経費として計上できる税金です。所得税、住民税、延滞税、延滞金、過料などは経費にできません。


なお、固定資産税や自動車税などは、事業に使っている場合に事業に使っている部分だけを経費に計上できます。


出典:No.2210 やさしい必要経費の知識|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm


出典:【確定申告書等作成コーナー】-租税公課|国税庁
参照:https://www.keisan.nta.go.jp/r3yokuaru/aoiroshinkoku/hitsuyokeihi/sozeikoka/sozeikoka.html

所得税からみるフリーランスと会社員の違い

書類

フリーランスも会社員も所得に対して所得税を課されることには変わりがありませんが、利用できる控除に違いがあります。


青色申告をしているフリーランスが利用できる控除が「青色申告特別控除」で、給与所得を得ている会社員が利用できる控除が「給与所得控除」です。


青色申告特別控除は複式簿記により帳簿付け、電子帳簿保存(仕訳帳および総勘定元帳)、e-Taxを使用して確定申告することで、最大65万円の控除を受けられます。


給与所得控除は、収入から必要経費を差し引くことができない会社員のために設けられているものです。給与等の収入金額に応じて、55万円から195万円までの控除を受けられます。


出典:No.1410 給与所得控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1410.htm


出典:No.2072 青色申告特別控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm

フリーランスが節税する方法

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フリーランスが支払う税金について理解できたら、節税方法について紹介していきます。


支払う税金が少なくなれば、手元に残る資金が増え資金不足に悩むこともなくなるでしょう。フリーランス1年目の方でも、できることから節税対策していくと良いでしょう。

経費計上を忘れないようにする

所得税は、所得が高くなるほど税率が高くなるという仕組みが取られています。税率を抑えることが節税につながるため、必要経費の計上を忘れないようにすることが大切です。


経費として計上できるものには交際費、接待費、地代、家賃、水道光熱費、消耗品費、広告宣伝費、租税公課などがあります。事業と家庭の両方にかかわりのあるものについては、事業で使った部分だけが経費計上できます。


出典:No.2210 やさしい必要経費の知識|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2210.htm

白色申告ではなく青色申告を選択する

白色申告ではなく、節税効果の高い青色申告を選択することも節税につながります。前述したように青色申告には、最大65万円の青色申告特別控除がありますが、白色申告には特別控除がありません。


さらに青色申告には、生計を一にしている配偶者やその他の親族に支払う給与を経費にできる青色事業専従者給与や純損失の繰越し・繰戻しなどのメリットがあります。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

所得税の控除を活用する

所得控除と税額控除を利用することも、節税につながるでしょう。


所得控除は所得から一定金額を控除するもので、個人の事情を加味して税負担を調整するために行われているもので、医療費控除・社会保険料控除・生命保険料控除・配偶者控除・扶養控除など様々な種類があります。


税額控除は、所得税額から一定金額を控除できるもので、配当控除・外国税額控除・寄附金特別控除・住宅借入金等特別控除などがあります。税額から直接、控除できるため、高い節税効果を期待できるでしょう。


出典:所得税のしくみ|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/koho/kurashi/html/01_1.htm


出典:No.1200 税額控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1200.htm

iDeCo(個人型確定拠出年金)への加入を検討する

iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、掛金を自分で拠出し運用しながら資産形成していく、私的年金制度です。掛金の全額が所得控除の対象で、運用益は非課税で再投資されるというメリットがあります。


月々5,000円から始められ、フリーランスは最高6万8,000円(国民年金基金や付加年金と合算した金額)まで掛金の拠出が可能です。


給付金の受け取りは年金か一時金を選択可能で、公的年金等控除もしくは退職所得控除の対象となります。将来の備えと節税を期待できる制度と言えるでしょう。


出典:iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)【公式】|iDeCo公式サイト
参照:https://www.ideco-koushiki.jp/

小規模企業共済への加入を検討する

小規模企業共済とは、掛金を積み立てていくことで退職時や廃業時に共済金を受け取れる、個人事業主や小規模企業の経営者・役員のための退職金制度です。


毎月の掛金は、月々1,000円から7万円まで500円単位で設定でき、加入後に自由に増減できます。掛金は全額が所得控除の対象で、共済金を受け取るときは退職所得控除や公的年金等控除の対象となり、高い節税効果を期待できる制度でしょう。


出典:小規模企業共済|小規模企業共済(中小機構)
参照:https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/

フリーランスも視野に入れるなら税金の計算方法をしっかり確認しておこう

書類

フリーランスになると自分で税金を支払うだけでなく、節税の知識も必要です。


この記事で紹介した支払う税金の種類や計算方法、フリーランスが節税する方法などをしっかり確認しておくようにしましょう。


【著者】

【記事監修】山崎 裕(東京ITカレッジ講師)

東京ITカレッジで講師をしています。

Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。

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