Objective-Cのフリーランスエンジニアとは？｜単価や求人動向も解説

Objective-Cに関する動向

Objective-Cとは、C言語を元に開発されたmac OSやiOSアプリ専用のプログラミング言語です。フリーランス向けの案件の中にはiOSアプリ開発などのObjective-C案件もあるため、Objective-Cに興味を持っている人もいるでしょう。

ここでは、Objective-Cに関する動向について解説していきます。

Swiftの登場による求人への影響

iOSアプリの開発案件では、Objective-Cの後継言語であるSwiftを利用するケースがほとんどです。現在、新規の開発案件はSwiftが採用されているため、Objective-Cの案件の多くは既存アプリの改修案件となっています。

Swiftの登場によってObjective-Cで開発された既存アプリのSwiftへの置き換えなども進んでいるため、Objective-Cの求人トレンドは下降気味であると言えるでしょう。

新規の学習者が少ない傾向にある

前述のとおり、iOSアプリの開発案件もほとんどがSwiftに移行しています。新しくObjective-Cを習得することのメリットも少ないことから、新しくObjective-Cを学習する人も少ない状態です。

現在ではiOSアプリ開発を目指すエンジニアが習得する言語はSwiftが主流となっているため、今後も新規のObjective-C学習者は減少していく可能性が高いでしょう。

Objective-Cが持つ特徴

プログラミング言語にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴も異なっています。それでは、Objective-Cにはどのような特徴があるのでしょうか。

ここでは、Objective-Cが持つ特徴について解説していきます。

• ノウハウが多数存在する
• メンテナンスが容易である
• C言語の仕様をベースに作られている

ノウハウが多数存在する

Objective-Cは、これまでiOSアプリ開発の専用言語として多くの開発に採用されてきた実績があるため、iOSアプリ開発における多数のノウハウが存在しています。

Swiftが登場するまではiOSアプリ開発でのシェアはObjective-Cが圧倒的であったことから、これまでの開発事例で培われたノウハウを活用することで、効率的なiOSアプリ開発が実現できるでしょう。

メンテナンスが容易である

Objective-CはC言語やJavaなどと同じくオブジェクト指向の言語となっています。オブジェクト指向言語ではプログラムの一つ一つをまとまりとして考えることになるため、規模の大きなシステムであっても構造が複雑になりにくくなります。

システムの改修を行う場合にも影響度が少なくなるため、メンテナンスが容易になる点が特徴です。

C言語の仕様をベースに作られている

Objective-CはC言語をベースに開発された言語です。ソースコード自体はC言語とあまり似ていませんが、基本構文はC言語が元になっていることから、C言語やC++を習得している人であればObjective-Cを学ぶことも比較的容易だと言えるでしょう。

Objective-CとSwiftの相違点

Objective-CとSwiftの違いを簡単に解説すると、「SwiftはObjective-Cの上位互換である」と言えます。Objective-Cの後継として生まれたSwiftは、Objective-Cよりも素早く、安全かつシンプルという観点でApple社に開発された言語です。

また、シンプルであることからObjective-Cよりも学習コストも少ないなど、さまざまなメリットがある言語だと言えるでしょう。

Objective-C案件の特徴

Objective-Cの案件はiOSアプリの開発案件が多いです。Objective-CはもともとApple製品用のソフトウェア開発のために開発された言語ですが、macOSよりもiOSアプリに関する案件がほとんどとなっています。

ただし、前述のとおり新規開発の案件ではSwiftを採用することが主流となっているため、Objective-Cの案件は既存のiOSアプリの改修案件がメインです。また、Objective-Cで書かれたiOSアプリをSwiftに改修するような案件も存在しています。

Objective-Cの単価相場

Objective-C案件の単価相場は、月額単価70万～80万円ほどが相場だと言えます。なお、単価が低いもので35万円ほど、高いもので110万円ほどとなります。

ほとんどのObjective-C案件は月額単価が70万円台、80万円台となっているため、十分なスキルや実績があれば年収800万円以上は稼げると言えるでしょう。

Objective-Cを扱うフリーランスエンジニアの年収

Objective-Cを扱うフリーランスエンジニアの年収は900万円ほどだと言えるでしょう。なお、最低年収は540万円ほど、最高年収は1,320万円ほどです。

なお、Swiftエンジニアの平均年収は920万円ほどとなっています。現在のiOSアプリ開発で需要が高いのはSwiftであるため、Swiftエンジニアよりは若干低めであると言えるでしょう。

Objective-Cを扱うフリーランスエンジニアに必要なスキル

Objective-Cを扱うフリーランスエンジニアを目指す場合、クライアントに求められるスキルを身につける必要があります。

ここではObjective-Cを扱うフリーランスエンジニアに必要なスキルを上級者、中級者、初心者に分けて紹介します。

上級者に必要なスキル

Objective-Cを扱うエンジニアとしてすでに上級者であれば、新しくスキルを獲得するのではなく、自身の書いたGitHubのソースコードを公開しておくのがおすすめです。

インターネット上にソースコードを公開しておけば、ポートフォリオとしてクライアントに自身のスキルをアピールしやすくなります。GitHubではあまりObjective-Cのソースコードが公開されていないため、案件獲得につながる良いアピールになるでしょう。

中級者に必要なスキル

Objective-Cを扱うエンジニアとして中級者レベルであれば、実際にObjective-Cを使ってiOSアプリを開発することが大切です。小さなアプリケーションで問題ないため、iOSアプリを開発して実行してみましょう。

ただし、iOSアプリを公開しようと思うと、有料のApple Developer Programに加入する必要があります。

初心者に必要なスキル

これからObjective-Cを習得しておく初心者の場合、まずはオブジェクト指向について理解する必要があります。初心者にはオブジェクト指向を理解することが難しいですが、Objective-Cでの開発を行う上でオブジェクト指向への理解は必須です。

また、徐々に実際にObjective-Cでのコーディングに挑戦してみると良いでしょう。実装してみることで、Objective-Cがインタプリタ型言語のような動的な動作になることがわかるでしょう。

Objective-C案件の単価をアップさせる方法

Objective-Cを扱うフリーランスエンジニアの平均年収は900万円ほどです。しかし市場ニーズの高いスキルなどを身につける、実務経験を積み上げていくといった努力を行うことにより、年収をよりアップさせることも可能になるでしょう。

ここでは、Objective-C案件の単価をアップさせる方法を紹介します。

Objective-C以外の開発スキルを身につける

Objective-C案件の中でも高単価な案件では、Objective-CだけでなくSwiftやkotlinなど他のプログラミング言語のスキルが求められるものがあります。そのため、Objective-C以外での開発スキルや経験を積んでおくことで、高単価な案件を獲得しやすくなるでしょう。

Objective-Cを使用している大規模サービスを狙う

近年の主流はSwiftではありますが、すでにObjective-Cで高品質なアプリを稼働させている場合、Swiftへの移行を急いでいないケースもあります。特にObjective-Cで大規模なサービスを稼働させているケースでは、このパターンに当てはまりやすいでしょう。

このような案件は単価も高いため、Objective-Cで開発された大規模サービスの案件は狙い目だと言えます。

Swiftを扱うスキルを身につける

前述のとおり、近年ではiOSアプリ開発の主流はSwiftになってきており、Objective-Cで開発されたiOSアプリをSwiftに置き換えるような案件も多いです。

そのため、Objective-CとSwift両方のスキルを身につけておくことより、幅広い案件の中から高単価な案件を獲得できるようになるでしょう。また、Objective-CとSwift両方が必要な案件も存在するため、両方のスキルを持ったエンジニアは重宝されます。

上流工程やマネジメントを経験する

Objective-Cの案件の中には、場合によっては仕様策定の段階から任されるケースもあります。このような上流工程に携わる案件は高単価なものが多いため、上流工程やマネジメントの経験を積んでおくと良いでしょう。

Objective-Cを扱うフリーランスエンジニアの将来性

今後のiOSアプリ開発ではSwiftが増えていくことが予想されており、Objective-Cの案件は減少していくと言われています。

しかしObjective-Cで開発されたアプリのメンテナンスなどの案件がすぐになくなることはないため、今後も一定の需要が期待できると言えるでしょう。

Objective-Cを扱うフリーランスエンジニアを目指そう

案件は減少傾向にあるとは言え、Objective-Cのフリーランス案件が急になくなってしまうことはないでしょう。

本記事で紹介したObjective-Cの特徴やObjective-Cを扱うフリーランスエンジニアに必要なスキルなどを参考に、Objective-Cのスキルを身につけてフリーランスエンジニアとして活躍しましょう。