SE業界がブラックと言われる10の理由|入社しないための見極め方と対処法
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SE業界のブラックイメージについて
SEは将来性や市場の成長を見込まれ、人気の高い職業と言われてます。
しかし、「休みが取れない」「稼働時間が長く残業が多い」「労働に見合った給料が得られない」「常に納期に追われ心が休まらない」といったブラックなイメージを持つ人も少なくありません。
全てのIT系企業がこれに該当するわけではありませんが、入社前に見極めておけば心身への負担を軽減することができるでしょう。一体なぜSE業界はブラック化してしまうのでしょうか。見分け方や解決策はあるのでしょうか。
SE業界の業務構造
システム開発を担う企業の数々は、決して全ての工程を一社で完結させているわけではありません。開発の工程ごとに担当する会社が分かれ、一種のピラミッド構造になっています。こういったピラミッド構造は「ITゼネコン構造」と呼ばれています。
まず、クライアントからシステム開発の依頼を受けた企業が、顧客の要望とのすり合わせを行い、設計をします。次に、その企業が開発を委託した子会社が詳細な設計を行います。
そして、実際のプログラミングやテストなどの構築作業を更に孫会社へ委託するといったように、作業の分配や再委託が行われることで開発に携わる企業の裾野がどんどん広がっていきます。
中間に挟まれる企業によって全体の予算削られ、作業が各所に分配されることで、ピラミッド下層の企業ほど一件ごとの単価が低くなる傾向にあります。
また、常に親会社から業務の委託を受けている場合、親会社とのつながりが深いほど案件を断りにくいこともあるでしょう。
SE業界がブラックと言われる10の理由
先ほど説明した「ITゼネコン構造」の性質上、予算規模や仕事内容によってピラミッドの下層にあたる企業ほどSEの待遇が悪化してしまう場合もあるでしょう。その影響は、休暇や給与、拘束時間など様々な箇所に現れてきます。
ここでは、SE業界がブラックと言われる10の理由について詳しくみていきます。
1:休みが取れない
SEは、一人一人が個別の作業を受け持つケースが多く、それぞれに専門のタスクが割り振られています。そのため、自分以外の誰かに仕事を任せて休めない場合が多くあります。
プロジェクトの進行途中は特にその傾向が顕著になりやすく、十分な休みが取りにくくなる場合があります。
2:人手不足
SE業界がブラック化しやすい理由として、業界内の人手不足が挙げられます。ここ数年でITを取り扱う企業が一気に増えたことが原因の一つと考えられます。
ITを取り扱う企業が増え、いつでも求人が出ているため、「給料が安い上にこき使われる」といったネガティブなイメージが先行しやすく、人材が集まらないことも原因として考えられるでしょう。
また、技術の変化や進化が激しい業界でもあるため、それについていけない人が振り落とされるという構造も人材不足に拍車をかけていると言われています。
3:納期厳守のため残業が多い
システム開発の現場は基本的に納期を重視していますが、SE業界は特に納期厳守です。
例え開発中にトラブルが起きても納期の変更ができないため、どうにかして期間中に解決しなければならず、残業になるケースが多いと考えられます。
特にプロジェクトの進行中は残業が増える傾向にあります。
4:仕様変更依頼が多い
システムを利用する側であるクライアントは、その開発については詳しくない場合があります。したがって、開発が始まってから機能の追加や仕様の変更を言い渡されることも少なくありません。
5:情報の共有や意思疎通が不十分
SEには個別に割り振られたタスクや案件が存在します。その「持ち場」に専念するあまり、「自分の仕事ではない(誰にも割り振られていない)」タスクが放置されるなど、プロジェクトチーム内でのコミュニケーション不足に起因するトラブルに見舞われることがあります。
放置されたタスクを「誰かがやるだろうから」とそのままにしてしまうほか、自分のタスクについて進行や問題などを共有しないことで、何かあっても担当範囲外のヘルプを受けられない状態に陥る可能性があります。
6:スケジュール管理が大雑把
システム開発のプロジェクトにおける進行は、納期以外不透明である場合があります。仕様変更やトラブルで工程がずれ込むことがあるため、初期段階で詳細なスケジュールが組みにくいからです。
特に、ピラミッドの上層部にあたる大手企業や親会社側で予定が立て込んでいると、下請けの子会社が案件を受けてからクライアントに渡るまでの納期が短くなってしまい、結果的に残業が増えてしまう可能性があります。
7:24時間体制の対応が多い
システムをリリースしてプロジェクトが一段落しても、油断はできません。納品したシステムやサーバーが24時間稼動するようなものであった場合、SEはいつでもトラブルに対応できる態勢である必要があります。
別途オペレーターやほかのエンジニアが案内することもありますが、そのシステムに関わったSEが一次対応をする必要がある場合、そのSEが呼び出されることになります。
8:稼働時間に比べ給料が低い
納期の厳守やトラブル対応などにより、SEの残業はほかの業種と比べても多い傾向にあります。その残業を時間に換算すると労働基準法に引っかかってしまう場合があります。
法律で定められた残業時間を超過した分が加算しにくい職場環境の場合、稼働時間に対する報酬が極端に低い状態になってしまうでしょう。
9:上司の統率力が低い
プロジェクトの進行を管理する上司にあたる人物が、SEや開発の現場についてよく知っているとは限りません。もしも作業内容や部下の力量に対する上司の理解が不足している場合、妥当でないスケジュールを組まれてしまうこともあるでしょう。
そのような上司のプロジェクトチームに対するマネジメント力不足により、納期までに全てのテストやチェックが間に合わず、バグまみれのシステムをリリースして後からデバッグなどの対応に追われる状況になってしまうことも少なくありません。
10:労働組合が存在しない
IT系企業にはベンチャー企業や中小企業が多く、労働組合が存在しないことが多々あります。そのような場合、残業時間や賃金の未払いに対する監視やチェックの機能がなく、社員を守る仕組みが存在しないことになります。
監督する機関がなければ是正される可能性も低いため、ブラック企業が野放しになってしまい、劣悪な労働環境から抜け出せなくなってしまうのです。
SEがブラック企業に入社しないための見極め方7選
様々な要因で生まれるブラック企業ですが、できれば入社する前に気付いて避けたいものです。そのためには、応募要項の確認や口コミの調査などで情報収集を行うといいでしょう。
ここでは、SEがブラック企業に入社しないための見極め方を紹介します。
1:中堅層社員の人数を確認する
設立年が古い割に、中堅層の社員が少なく若手ばかりの企業は注意が必要です。入社したは良いものの、待遇に不満があって離職する人が多い可能性があります。
所属している先輩社員も若くて経験が浅く、仕事面での教育やサポートを十分に受けられない場合もあります。
2:採用求人数が極度に多いケースに注意する
入社後の離職者が大量に出るような企業は、あらかじめ多い人数を採用することがあります。募集の段階で求人数が極度に多く採用条件が緩い企業には注意したほうが良いでしょう。
待遇に不満があって自発的に離職する場合もありますが、より悪いケースでは入社後に様々な面でふるいにかけて多くの脱落者を出すタイプの企業も存在する場合があります。
3:業務構造上どの位置にいる企業かを把握する
ITゼネコン構造と呼ばれるピラミッドの下層を構成する企業ほどSEの待遇が悪い傾向にあります。そこで、受けようとしている企業がその構造上どの位置にある企業なのかを確認しておくのもいいでしょう。
取引先の属性によって、ある程度対象のピラミッドにおける位置が絞れます。取引先がシステムを「利用する側」のメーカーや商社といった企業であれば、クライアントから直接発注を受ける「元請け」である可能性が高いでしょう。
一方、取引先がシステムを「作る側」である大手のシステム開発会社などである場合、「下請け」である可能性が高いと言えるでしょう。
4:客先常駐を実施しているかを確認する
企業によっては、取引先の企業に自社のSEを出向させて開発をさせる「客先常駐」のサービスを行っている場合があります。
常駐先の企業では内部の人間でないため、システム開発の重要な工程に関われず、下流工程ばかり任されるといったケースもあるでしょう。その場合、待遇面でも自分の技術面でも将来的な成長が見込めない可能性があります。
5:みなし残業・年俸制の詳細に注意する
先述のとおり、SEの残業代を稼動に沿ってつけると労働基準法に抵触する可能性がある企業が多いです。そのため、年俸制や固定給といったように前もって残業代を決めている企業もあります。
しかし、その固定された額以上はどれだけ稼働しても支払われない上、そもそも残業を一定時間以上しなければ固定残業代すら支払われないという場合もあります。
6:企業の離職率を確認する
表面上どれだけ取り繕っても、待遇の悪い企業からは人がどんどん離れていく傾向にあります。そういった企業を始めから避けるためにも、離職率は参考となるでしょう。
求人情報にあらかじめ記載されている場合のほか、「就職四季報」といった関連書誌に載せられたおおよそ入社後3年以内の離職率を調べると良いでしょう。
7:会社のWebサイト・従業員の口コミ情報を調べる
会社のWebサイトなどに載っている社内の情報や求人情報は、入社前に得られる情報の中でも大きなものです。会社自体による自社PRや、実際に働いている社員の声を収集するのは有効な作業です。
採用条件が緩く募集人数が多いなど募集要項に怪しい記載がないか、社風・社訓の紹介で精神論を掲げていないかなど、細かいところまでチェックしておきましょう。社長や経営者がどのような人物であるかも併せて調べておくと良いでしょう。
また、ネット上にある企業の従業員や退職者が口コミを投稿するサイトを確認することも、より実態に近い情報を得られるでしょう。業務内容や職場の雰囲気、待遇、福利厚生など様々な観点から評価が書き込まれているため、できるだけ読んでおくと良いでしょう。
SEがブラック企業に入社してしまった場合の対処法3選
就職活動や転職活動でどれほど気を付けていても、ブラック企業に入社してしまう可能性もあります。
もし入社してからブラック企業であると気付いたとしても決して遅くはありません。状況に応じて冷静に対処しましょう。
1:できるだけ早く辞める
ブラック企業に対して取れる一番の対処法は、できる限り迅速にその企業を辞めてしまうことです。
新しい求人をチェックする、転職あるいは独立してフリーランスになるなど、ブラック企業で心身を壊してしまう前に抜け出すことも対処法の一つです。
「このくらいなら」と我慢しているうちに抜け出せなくなったり、体を壊してしまっては元も子もありません。検討は早めに行いましょう。
2:労働基準監督署に相談する
労働基準監督署とは「労基」の略称でも知られる、企業が労働基準法を守って運用されているかを監督する行政機関です。各企業が労働基準法に違反している場合、通報を受けて立ち入り調査や改善命令を出すことがあります。
その企業に所属したままでも労働環境を改善できる場合もあるため、違和感を感じたら最寄りの労働基準監督署へ相談に行くのも一つの手です。
ただし、労働基準監督署の監査を受けても改善がみられない企業であれば、今後も変わらない可能性が高いため、やはり早めに辞めたほうが良いでしょう。
出典:2 労働法の役割とは|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000044295.pdf
3:弁護士に相談する
自分だけではどうしたら良いか分からなかったり、どうしようもない場合は法律の専門家の手を借りるのも手段の一つです。
労働環境の改善のほか、未払いになっている賃金・残業代の請求などが見込める場合があります。完全成功報酬制で費用を後払いできる弁護士もいるため、資金が心許ない場合はそういった方に依頼するのが良いでしょう。
ブラック企業を見極めてSEで働こう
これまで説明したとおり、ブラック企業にはいくつかの特徴があり、それを元にある程度事前に避けることが可能です。もし入ってしまったとしても、転職や独立など抜け出す方法は存在しています。
ブラック企業に対する警戒は重要ですが、過度に恐れることなくSEの仕事に挑戦してください。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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