業務委託で働くメリット5つと契約書とは?働き方や確定申告についても紹介
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業務委託のエンジニアの需要が高まっている?
IT業界ではSIer(エスアイアー)やSES(システムエンジニアリングサービス)などを活用した業務委託の需要が高まっています。これはIT業界が抱える慢性的な人材不足や個人事業主(フリーランス)のエンジニアが増加したことが背景にあるとされています。
業務委託によって案件を受注するエンジニアは、自分の得意分野の案件を受注することができ、案件を成功させることで報酬を得ることができれば、収入をアップできる可能性があります。
ここでは、「業務委託とはどのような働き方なのか」や「業務委託の注意点」について紹介していきます。
業務委託契約は総称?
企業の業務そのものを外注する方法が業務委託の定義です。業務委託とは法律行為に基づくものではなく、社外へ業務を外注する「請負(民法第632条)」や「委任(民法第第643条)」、「準委任(民法第656条)」などの総称として用いられています。
外注の契約を締結する場合は委託する会社の指揮命令に属することはなく、成果物の完成に関する責任については、契約の態様によって異なります。ここからは業務委託の内容を理解するために「請負契約」、「委任契約」、「準委任契約」についてそれぞれ確認していきましょう。
出典:民法(債権関係)の改正に関する検討事項(12) 詳細版 |法務省
参考:https://www.moj.go.jp/content/000056016.pdf
1:請負契約とは
「請負契約」とは、業務によって得ることができる成果物に対して報酬が支払われる契約を言います。したがって、受任者は成果物の引渡しと同時に報酬を請求する権利が発生します。
しかし、成果物に欠陥や問題が生じた場合は、補修や損害賠償義務が発生するケースも想定されるため、注意が必要です。
職種例
「請負契約」は、情報通信業(Webデザイナー、プログラマーなど)や生活関連サービス業(美容師、ネイリスト、配送ドライバーなど)・娯楽業(アニメーション作成など)などが該当します。
2:委任契約とは
「委任契約」とは、法律行為としての業務を委任する契約を言います。受任者は自分の持つ知識や経験などを生かして業務を自主的に遂行し、業務を遂行する際には善良な管理者としての注意を払う「善管注意義務(民法第644条)」を負うことになります。
「善管注意義務」とは、受任した人の職業や社会的地位などの観点から、客観的に要求される程度の注意を払わなければならないという意味です。
委任契約の特徴は、善良な管理者として自主的に業務を遂行する義務を負うものの、成果物の欠陥や問題に対しては責任を負わないといったことにあります。
また、委任契約は、原則無償であるため受任者が報酬を請求するためには、委任契約書において報酬についての特約を設けておく必要があります。
出典:民法(債権関係)の改正に関する検討事項(12) 詳細版 |法務省
参考:https://www.moj.go.jp/content/000056016.pdf
職種例
「委任契約」では弁護士など、法律行為を扱う業務に対する依頼などが該当します。
「委任契約」は行う業務自体に報酬が支払われるため、万が一、依頼通りの成果物ではなくても、適切に業務が行われていれば報酬を請求することも可能です。
3:準委任契約とは
法律的行為を委託する「委任契約」と違いは、法律的行為ではない業務を委託する契約を「準委任契約」と言います。成果物の欠陥や問題に対しては責任を負わない点では、「委任契約」と同じです。
職種例
「準委任契約」は「委任契約」と違い、法律にかかわらない業務である、受付事務やコンサルタントが該当します。
「委任契約」と同じく、行う業務自体に報酬が支払われるため、適切に業務が行われていれば報酬を請求することも可能です。
業務委託とは?
「業務委託」とはクライアントと雇用契約を締結することなく、双方が対等な立場で業務の依頼を受けることを意味します。
個人事業主として働いている場合は仕事を業務委託によって受注することが多く、仕事に対する報酬や仕事内容などはお互いの合意によって、自由に定めることが可能です。
業務委託契約上では雇用主と労働者という雇用関係は生じないため、労働法が適用されることはありません。主従関係のない委託側と受託側という関係になるため依頼主から直接指揮命令を受けることはなく、個人の裁量で仕事を進めることができます。
また、残業や休日といった捉え方も存在しないため、納期までに求められている業務を遂行すれば、労働の対価として報酬を受け取ることが可能です。
出典:業務委託(請負)契約を結んで働く人|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudouseisaku/chushoukigyou/koyoukeitai.html
業務委託と他の契約形態の違い3つ
ここからは、業務委託契約とその他の契約形態との比較をしていきます。比較する契約形態としては「雇用契約」、「労働者派遣契約」、「出向」の3つです。
これらを適切に理解しておくことで、業務委託契約の特徴を押さえることができます。
1:雇用契約
主に正社員やアルバイトの働き方を「雇用契約」と言います。労働者が労働力を提供することによって、雇用者から労働の対価として「給与」を受け取ることができます。
また、雇用契約では使用者と労働者という従属関係が成立するため、業務を進めるうえで使用者は労務内容について指揮命令権を行使することができます。
2:労働者派遣契約
労働者派遣契約は、契約を締結した派遣会社から必要な人材を派遣してもらうことで、不足している人材の穴埋めをすることを主な目的としています。
労働者派遣契約において、仕事に関する責任は派遣先の企業に帰属します。したがってその派遣先の企業が派遣社員を管理することとなるため、派遣社員に指揮命令をするのは派遣先の企業です。
また、派遣社員に対して支払われる労働の対価は、派遣社員が締結している雇用主によって支払われます。
3:出向
人事異動において一般的なのは、同じ会社内で部署異動することを言いますが、勤める会社が変わるという移り方もあります。これも人事異動の1つとして捉えられていますが、従事する会社が変わるような人事を「出向」と言います。
出向の場合、労働者が従来の会社と労働契約を維持したまま出向先との新たな労働契約に基づいて、出向先の指揮命令に服することになります。
また出向した労働者に対する労働の対価の支払いについては、どちらの会社に負担義務があるかについて明確な決まりは設けられていません。在籍元または在籍先が給与を負担する場合やそれぞれで給与を負担する場合などがあります。
業務委託のメリット5つ
業務委託契約とその他の契約形態の違いを押さえたところで、具体的な業務委託契約のメリットについて解説していきます。
これらのメリットは、「業務委託契約自体の特徴」に起因しています。
1:得意な業務のみを行える
業務委託の大きなメリットの1つは、自分の得意な業務のみを行える点です。会社員の場合、労働法に基づいて経営者やその企業の管理者の指揮命令によって業務が振り分けられることになります。これによって、自分の不得意な業務や望まない業務も遂行しなければなりません。
これに対して業務委託は、自分の希望と合致した仕事を受注することが通常であり、自分の得意な業務に特化して行うことができます。
出典:知って役立つ労働法|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12600000-Seisakutoukatsukan/0000044295.pdf
2:時間や場所に縛られない働き方ができる
委託業務の場合、時間や場所に縛られずに働くことができます。特にIT業界のエンジニアには在宅型の仕事が多いため、受注した仕事内容によっては外に出る必要もなくなります。
これによって通勤ラッシュ時に通勤する必要もなくなり、また納期中に成果物を納品できるのであれば、好きな時間に休みを取ることも可能です。
3:実力によって収入を増やすことができる
業務委託契約の場合、月給や時給などの一定した報酬が定められていません。成果物や業務に対して報酬が決定するため、その人のエンジニアとしての実力次第で短時間であっても高収入を得ることが可能です。
特に委任契約を締結した場合は、豊富な知識と高度な技術が要求される専門的な業務に用いられることが多いため、高収入を期待することができます。
くわえて請負契約においても特定の技術やスキルが求められる専門職が多く、高品質の成果物を納品したり多くの仕事をこなしたりすることで高い収入を得ることが可能です。
4:望まない業務は断ることができる
委託業務の働き方は、望まない業務に関しては自分の裁量で断ることができるため、ストレスのない生活を送ることができることもメリットの1つです。自分が設ける条件と合致しない仕事や業務負担・効率などを理由に仕事を断ることもできます。
5:成果が見えやすいためモチベーションにつながる
業務委託契約の場合、定められた条件を満たすことで成果が目に見えるようになります。会社員の場合、業務やプロジェクトを成功させてもすぐに給与や昇進に反映されることなく、総合的な判断や時間の経過によってこれらが反映されます。
これに対して業務委託契約で仕事を行う場合は、完了した仕事に応じて報酬を受け取ることができるため、仕事の完了から成果の反映までにタイムラグが少ないこともメリットの1つです。
業務委託のデメリット6つ
これまで業務委託契約のメリットについて紹介していきましたが、もちろんデメリットも潜在しています。これらのデメリットも「業務委託契約自体の特徴」によって生じるデメリットとなっているため、適切な理解が必要です。
1:安定した収入が保証されない
業務委託契約は雇用契約を締結して働く会社員とは異なり、一定の時期に決められた報酬が支払われることはないため、安定した収入が保証されていないといった側面もあります。月によっては収入の増減が大きかったり、生活が安定しなかったりすることもあります。
継続的に仕事が保証されているわけではないため、契約内容によっては突然収入がゼロになってしまう場合もあることに注意が必要です。
2:仕事を自分で確保しなければならない
業務委託契約の締結にこぎつけるまでに、その仕事を自分で獲得・確保しなければならないといったデメリットもあります。また、技術やスキルが一定のレベルに達していなければ、より仕事の獲得は難しくなります。
3:労働基準法が適用されないので体調管理には注意しなければならない
業務委託契約で仕事を行う場合、労働基準法が適用されないことから、企業の雇用保険や福利厚生などを受けることができません。くわえて健康保険や年金保険料は、全額自己負担となります。
雇用契約を締結している会社員と比較しても、病気や事故などによって働けなくなった場合のリスクが大きくなるため、体調管理には十分な注意が求められます。
出典:労働者|厚生労働省
参照:https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11909500-Koyoukankyoukintoukyoku-Soumuka/0000181992.pdf
4:結果が伴わなければ損害賠償請求に発展することがある
業務委託における請負契約を締結する場合には、成果物に対して責任を負わなければなりません。契約中に問題が発生すれば、多額の損害賠償を請求されるケースに発展する場合もあります。
例えば、納品すべき成果物の品質が著しく低かった場合や会社の機密情報を取り扱う仕事において、過失によって外部に漏らしてしまった場合などが想定されます。
5:仕事の契約や報酬などを自分で交渉しなければならない
契約者である双方が業務委託の条件に不満がある場合は、契約を締結しないというのが一般的です。しかし、契約の不成立や解除となれば、一気に収入を失うことになってしまいます。
このように仕事の契約内容や報酬などの交渉を自分で行わなければなりません。法律上において業務委託契約は対等の立場とされていても、委託側と受託側の間では上下関係が存在するため、これらに苦戦を強いられる場面も見受けられます。
6:自分で納税処理をしなければならない
業務委託を締結して働く場合、確定申告や保険料の支払いを自分で処理しなければなりません。会社員の場合は、社会保険や税金の手続きは基本的に会社が行ってくれます。
しかしながら業務委託で収入を得る場合、仕事をしながらこれら各種手続きを行わなければならないため、手続きの煩わしさにストレスを感じる場合もあります。
確定申告が必要な人とは?
前にも触れたように業務委託契約における仕事による収入は、自分で納税処理をしなければなりません。給与所得者の場合、源泉徴収によって税金分などを給料から天引きして支給され、過不足が生じた場合には年末調整によって正しい所得税が支払われています。
しかしながら業務委託契約者の場合、必ずしも源泉徴収されているわけではないため、確定申告によって所得税を確定させ納付する必要があります。
本業として業務委託契約で収入を得ている場合は、所得が48万円を超えれば確定申告が必要となります。副業として行っている場合は、所得が20万円を超えたときは確定申告が必要です。
出典 : 確定申告が必要な方|国税庁
参考:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/tebiki2017/a/01/1_06.htm
業務委託契約書とは?
業務委託契約書は、主に3つの種類に大別できます。
1つ目が、「単発業務型」です。単発の業務を委託する業務委託契約であり、「設計監理業務」や「デザイン業務」などの短期間の業務を受注する場合に多く用いられます。
2つ目が、「成果報酬型」です。業務の成果に応じて支払われる報酬の金額が変動する業務委託契約であり、「営業」などの成果が数字として見える化されている業務に用いられることが多く、自分の実力次第でより多くの報酬を受け取ることができます。
3つ目が、「毎月定額型」です。毎月決まった金額の報酬が支払われる業務委託契約であり、「システムなどの保守業務」や「コンサルティング業務」などで多く用いられる契約となっています。
これらの契約書は仕事を委託する側が作成し、受託者が契約内容について合意することで締結されます。また契約締結後にトラブルなどを回避するために、契約者双方で業務委託契約書類を保管しておくことが大切です。
メリットとデメリットを参考に業務委託も転職のひとつとして考えてみよう!
ここまで業務委託で働くことのメリットや具体的な契約の種類について解説してきました。特にIT業界などでは人材不足や仕事の性質上、業務委託によって仕事を受注し収入を得ることができます。
しかしそこには、高い知識や高度な技術が必要不可欠であることも忘れてはなりません。ただ、働き方改革が推奨される今日において、自分の好きな時間や裁量で仕事を進めることができれば、肉体的・精神的負担の軽減にもつながります。
これらメリット・デメリットを適切に理解して、転職活動における1つの選択肢として業務委託を検討してみてください。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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