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「青色申告」とは|節税対策でのメリットや白色との違いをご紹介

  • 公開日:2022-01-31 23:08:49
  • 最終更新日:2022-09-06 16:57:33
「青色申告」とは|節税対策でのメリットや白色との違いをご紹介

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青色申告とは?3つの要項

パソコンを使う人

青色申告とは、所得税を正しく納税するために行う確定申告の種類の一つで、申告納税の制度の一つです。1年間、1月1日から12月31日までの期間の所得金額を計算するのに帳簿が必要です。どのようなメリットがあるか、これから見ていきましょう。

1:青色申告の対象

青色申告ができるのは、個人事業主の所得です。その中で「事業所得」「不動産所得」「山林所得」の3つが対象です。


「事業所得」とは、サービス業、小売業、農業、漁業、さらに自由業といった自営業による所得を表します。「不動産所得」とはアパートや駐車場の賃貸によるもの、「山林所得」とは山林の伐採によるものや立ち木を譲渡したことによる所得です。


給与所得者の会社員が、これらの所得を副業として得ている場合も、青色申告の対象となりますので、注意が必要です。

2:提出の期限日

青色申告の提出期限は、原則その年の3月15日で、納税する住所の所轄税務署長宛に提出します。しかしながら、原則以外の期限もそれぞれ設定されていて、1月16日以降に開業した場合は、業務を開始した日から2カ月以内が期限です。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

3:必要書類

青色申告に必要な書類とは、確定申告書と青色申告決算書です。確定申告書は個人の事業所得に使用するものとして確定申告書Bを使用します。青色申告決算書は、損益計算書と損益計算書の内訳、貸借対照表で構成されています。

青色申告の4つのメリット

女性

確定申告には、青色申告以外に白色申告という方法もあります。青色申告には、帳簿作成を複式簿記で行う必要があり、簡易的な帳簿で申告できる白色申告よりもハードルが高いとされています。それでは、どのようなメリットがあるのか確認していきましょう。

1:事業の専従者への給与を必要経費に計上できる

青色申告で確定申告を行っている事業の専従者への給与は、必要経費として計上できます。その場合の要件には下記のものがあります。


青色申告者と生計を一緒にしている配偶者または親族で、青色申告をする年の12月31日現在に15歳以上であること、その年を通じて6カ月以上を青色申告者の事業に専従していること、といった条件です。


なお、青色申告するときの専従者の給与は、労務の対価として相当として認められる金額であり、過大な部分は必要経費として認められないので注意が必要です。


出典:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm

2:貸倒引当金を含められる

貸倒引当金とは、売掛金や貸付金などが回収できなくなる貸倒金への対策として、あらかじめその備えとして引当金として用意するものです。


青色申告者は、決算の際に売掛金や貸付金などの金銭の債権に関して、5.5%以下の額を一括評価による貸倒引当金として、必要経費として計上できます。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

3:最高65万円の特別控除

個人の所得税に関して、青色申告を行うことで、最高65万円の特別控除を受けることができます。ところが、平成30年の税制改正により、令和2年分から、65万円の特別控除の適用条件が変わりました。


改正前は複式簿記という、正規の簿記の原則で記帳していること、貸借対照表と損益計算書を添付すること、期限内に申告することという3つの条件をクリアすれば、青色申告で65万円の特別控除が受けられました。


ところが、令和2年分から従来の条件では55万円の特別控除に減額され、さらにe-Taxによる電子申告または電子帳簿保存を行うことで、65万円の特別控除を受けられるように変更されました。


出典:令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変わります|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/publication/pamph/shotoku/0019009-126.pdf

4:純損失の繰越しと繰戻しができる

青色申告をしている所得、事業所得や不動産所得、山林所得に損失が発生していて、他の所得と損益を通算してもなお、損失が残る場合には翌年以降、3年間損失を繰り越すことができます。


また、純損失を前年の所得から控除して、納付を終えている所得税の還付を受けるということもできます。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

青色申告のデメリット

パソコン

青色申告には、税務署にあらかじめ申請書を提出しなければならないというデメリットがあります。申請書の提出期限は、青色申告をする年の確定申告の期限日と同じで、新規開業の場合は開業後2カ月以内です。


決算書に関しては、白色申告よりも詳細な記載が必要ですし、帳簿も複式簿記での記載が必要と、難易度が高いものとなります。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

フリーランスやSEの青色申告と白色申告の利点3つ

ミーティング

会社勤務でないSEや、フリーランスで働く場合、会社員だと行われる源泉徴収が行われないため、確定申告をする必要があります。


その申告方法には、青色申告と白色申告があります。それぞれどのような利点があるのでしょうか。詳細を見ていきましょう。

1:備品購入が30万円未満だと全額経費にできる

事業で使用するパソコンなどの備品は固定資産として、耐用年数に合わせて毎年、分割して経費を計上する減価償却を行います。


ところが、青色申告での減価償却の特例では、令和4年3月31日までに取得、使用している備品購入が10万円以上、30万円未満の場合経費として計上できます。経費を増やすことで所得が減りますので、節税につながります。


出典:No.2100 減価償却のあらまし|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm

2:「青色申告」は経費が多くなる

青色申告の場合、白色申告と比較すると、業務を行うために必要な経費が認められやすくなります。


業務を行うのに必要な経費であれば、自宅の家賃を事務所経費とできるほか、光熱費や通信費も事務所使用分を経費として計上できます。

3:特別控除と前年の赤字で所得税が0円になる場合がある

青色申告特別控除とは、65万円を所得から控除できるというものです。さらに青色申告では、事業に赤字が出た場合に3年間繰り越せる制度があります。


これらを組み合わせ前年の赤字と特別控除により、黒字額が0となるときは、所得税が0円になる場合があります。


出典:No.2072 青色申告特別控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm

青色申告の控除対象となる3つの条件

1万円札

青色申告では、条件を満たすと控除を受けられますが、条件を満たしていないと控除額が下がる場合があります。


フリーのエンジニアの事業所得の場合は、どのような条件を満たせばいいのか確認していきましょう。

1:10万円控除

青色申告を行うことで、10万円の控除を受けることができます。65万円までの控除を受けるには、複式簿記での帳簿記載や現金主義でないこと、確定申告の期限を守ることなどが必要ですが、これらを満たさなくても受けられる控除です。


出典:No.2072 青色申告特別控除
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm

2:55万円控除

55万円控除を受けるには、複式簿記での帳簿記載が必要です。単に収入と支出といった記載ではなく、貸方と借方によってお金と商品の流れが記録されているといったものです。


また、帳簿記載は現金主義でないこととされています。現金主義は、お金の支払いを行ったときに帳簿記載を行う方式です。


一方、55万円控除を受けるには、取引が発生した時点での、発生主義で帳簿記載を行う必要があります。


出典:No.2072 青色申告特別控除
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm

3:65万円控除

青色申告で65万円の控除を受けるには、55万円の控除を受ける方法に加えてe-Taxでの確定申告を行うか、電子帳簿保存のいずれかを行う必要があります。


e-Taxは、国税庁が行っている国税電子申告・納税システムで、インターネットを使ったオンラインサービスのことです。


電子帳簿保存は、ペーパーレス化に対応するために考えられた電子帳簿保存法で定められた方法で、個人事業主の場合は、仕訳帳と総勘定元帳が電子帳簿保存の対象となります。


出典:No.2072 青色申告特別控除
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm

青色申告と白色申告の異なる8つの点

ミーティング

会社勤務でないSEや、フリーランスで働く場合は、会社員で行われる源泉徴収が行われず、個人事業主として確定申告を行う必要があります。


その際の確定申告では、青色申告と白色申告の2つの方法があります。提出する書類が異なるわけですが、どのような点が違うのでしょうか。8つの点についてみていきましょう。

1:対象となる人

青色申告、白色申告とも個人事業主が対象となる確定申告の方法です。


青色申告は、納税先の税務署に青色申告承認申請書を提出している個人事業主が対象となります。一方、白色申告は、青色申告を行うときに必要となるため、青色申告をしていない人が対象になります。

2:税務署の手続き有無

白色申告では、特に税務署への手続きは不要ですが、青色申告を行いたい場合は、納税先の税務署長宛に青色申告承認申請書を提出する必要があります。青色申告承認申請書の提出期限は、その年の3月15日までが原則です。


しかしながら、その年の1月16日以降が新規の業務開始日の場合は、業務を開始してから2カ月以内に青色申告承認申請書を提出する必要があります。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

3:記帳方式

青色申告を行う場合、複式簿記で記載した仕訳帳と総勘定元帳が必要です。仕訳帳とは、事業における毎日の取引を発生した順序に複式簿記で記録した帳簿です。取引ごとに借方と貸方に仕訳を行って記帳します。取引の年月日、勘定科目、金額を記帳します。


総勘定元帳とは、仕訳帳から勘定科目である借方と貸方の種類ごとに転記して作成する帳簿で、それぞれの勘定科目ごとに計算し、記帳します。


これらは、青色申告で55万円あるいは65万円の特別控除を受ける場合に必要です。これ以外にも現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳があり、これらは青色申告の10万円の特別控除を受ける場合や、白色申告でも必要な帳簿です。


出典:(1) 青色申告特別控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

4:期限日

青色申告の期限日は、毎年3月15日です。前年1月1日から12月31日までの課税金額を、翌年2月16日から3月15日の期限内に申告することが必要です。


青色申告の場合、期限日を超えた場合は65万円の控除を受けられなくなり、10万円の控除となります。白色申告でも期限日は同じで、期限後申告となると、無申告加算税がかかりますので、注意が必要です。


また、青色申告で2年連続期限後での申告となると、青色申告を取り消される場合がありますので、期限内に申告するようにしましょう。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

5:必要書類の内容

青色申告では、確定申告書Bと青色申告決算書を提出します。青色申告決算書は、損益計算書と損益計算書、さらに貸借対照表があります。


白色申告では、確定申告書Bと収支計算書を提出します。収支計算書には収入金額、売上原価、経費、専従者控除を記入します。また売上金額の明細、仕入金額の明細、減価償却費の内訳、地代家賃の内訳といった詳細を記載します。

6:専従者への給与の経費化

白色申告でも、事業に専従する家族への給与の控除が認められていますが、配偶者が86万円、その他の親族が50万円と決められています。


一方、青色申告では、適正な給与の金額であれば生計を一にする配偶者、その他の親族を青色申告専従者給与として経費に計上できます。


出典:No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm

7:損失繰越

青色申告では事業所得から生じた損失を、赤字が発生した年から3年に渡って繰越できます。翌年以降に黒字が出た場合でも、所得金額から前年の損失を差し引き、課税対象額が決まります。


一方、白色申告では災害などの例を除き、青色申告で認められている損失繰越が認められておらず、赤字を翌年に繰り越すことができません。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

8:貸倒引当金の扱い

青色申告をしている事業者は、年末の時点の貸付金や売掛金などの金銭債権に対して、5.5%の額を、一括評価による貸倒引当金として経費計上することができます。白色申告では、この一括評価による貸倒引当金の経費計上ができません。


決算時に事業による金銭債権のうち、一定の事由により損失が見込まれるものは個別事由による貸倒引当金とできますが、これに関しては、青色申告、白色申告とも繰入ができます。


出典:No.2070 青色申告制度|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm

青色申告のポイントを押さえて上手に確定申告をしよう

メモを取る人

青色申告は、納税する税務署に申告書を提出して承認を受けて、複式簿記の帳簿の記録を行い、それによって確定申告を行うという制度です。


白色申告と比べて、帳簿を正確に記載する必要がありますが、特別控除や赤字の繰越などのメリットが多くあります。青色申告のポイントを押さえて、青色申告による確定申告を行いましょう。


【著者】

【記事監修】山崎 裕(東京ITカレッジ講師)

東京ITカレッジで講師をしています。

Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。

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