個人事業主のなり方を解説|メリットやデメリットも把握しておこう
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個人事業主とフリーランスとの相違点
フリーランスとは企業や組織などに属さずに自分で仕事を請け負う働き方のことで、単発で案件を受注し、技術やコンテンツを提供する対価として報酬を受け取ります。
一方、個人事業主とは税務署に開業届を出して個人事業を営んでいる人のことを指すため、フリーランスと個人事業主の相違点は「開業届を出しているかどうか」になります。
よって、個人事業主もフリーランスに含まれますが、フリーランスで働いている人=個人事業主というわけではありません。
エンジニアが個人事業主になるメリット5つ
個人事業主はフリーランスという言葉でひとくくりにされてしまうケースが多いですが、実際には個人事業として開業しているため、開業していないフリーランスや法人成りをしている場合とは手続きや収入面で違いがあります。
ここではエンジニアが個人事業主になるメリットを紹介していきますので、どのようなメリットがあるのか参考にしてみてください。
1:手続き処理が簡単にできる
個人事業主になるための手続きは法人を設立するよりも比較的簡単です。住んでいる場所の所轄の税務署に開業届を提出することで、すぐに開業することができます。また、手続きに費用も必要ありません。
法人の場合は開設するために煩雑な手続きが必要になりますが、個人事業主になるだけであれば簡単に手続きができる点はメリットの1つだと言えるでしょう。
2:収入が増える
会社を退職して個人事業主として仕事を行うようになれば、会社員のように給与から保険料などが天引きされることがなくなります。そのため、まったく同じ仕事を行うのであれば個人事業主の方が収入が増えるケースが多いです。
個人事業主であればクライアントからの報酬を100%の額で受け取ることができるため、そこから経費などを差し引いたとしても収入アップに繋がる可能性が高いです。
3:健康保険料の節約になる
個人事業主として加入できる国民健康保険には各自治体が運営するタイプと国民健康保険組合が運営するタイプの2種類があります。
国民健康保険組合による国民健康保険は職種や事業内容などによって加入条件がありますが、保険料が一律となっているため収入が多いほど保険料を節約できます。
4:青色申告特別控除で節税できる
個人事業主として開業する際に青色申告承認申請書を提出しておけば、確定申告の際に青色申告特別控除で節税することができます。
青色申告は複式簿記で記帳する必要があり白色申告よりも記帳が複雑にはなりますが、最高65万円まで控除できるというメリットがあります。
>> 「青色申告」とは|節税対策でのメリットや白色との違いをご紹介
出典:No.2072 青色申告特別控除 | 国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm
5:一部の家事関連費用を必要経費としても算入できる
個人事業主の場合、事業用と個人用の両方で使用されているお金を「家事関連費」として経費に計上することができます。たとえば事務所兼自宅の家賃や水道光熱費、インターネット料金などが該当します。
このような家事関連費を経費に計上する場合、実際に支払っている費用の何割を経費にするのか区別して計上することになります。個人事業主のエンジニアとして働く場合は自宅で仕事をすることになるケースが多いため、家賃や水道光熱費の一部を必要経費に計上できるでしょう。
エンジニアが個人事業主になるデメリット4つ
個人事業主になることでさまざまなメリットがあることを紹介しましたが、一方で個人事業主になることにはデメリットも存在します。
そのため、独立して個人事業主になることを検討している場合は、個人事業主のメリットだけでなくデメリットについてもよく把握した上で決めることが大切です。
ここではエンジニアが個人事業主になるデメリットを紹介します。
1:社会的信用の低下
会社員として企業に勤めている場合、給与所得があることから社会的な信用があります。また、法人であれば登記することから社会的な信用も高いです。
しかし収入が不安定で法人のように登記をしない個人事業主は、社会的信用が低下しやすい傾向にあります。例えば、クレジットカードの審査に通りにくくなったり、企業によっては取引を避けられたりすることがあるでしょう。
2:手続きの手間
個人事業主は本業だけでなくさまざまな雑務もすべて自分で行う必要があります。確定申告や社会保険料の支払いなども基本的に自分で実施するため、このような手間のかかる作業が苦手な人にはデメリットだと言えるでしょう。
3:経費承認範囲の狭さ
個人事業主も法人も事業に必要な費用は基本的に経費に計上することができます。しかし法人の場合は個人事業主が経費として計上できる項目に加えて、給与や賞与なども経費として計上することが可能です。
また、生命保険料も法人として契約していれば全額経費に計上することができますが、個人事業主の場合は経費としては認められておらず、上限も存在します。このように経費承認範囲が法人に比べて狭い点は、個人事業主のデメリットだと言えるでしょう。
4:緊急事態時に代理が立てづらい
個人事業主の場合、たとえば本人が死亡した場合は預金口座が一時的に凍結されてしまいます。このような場合、代理の人間が対応することが難しいため、支払いなどが困難になり事業がストップする可能性があります。
エンジニアの個人事業主のなり方8つ
これまで会社員エンジニアとして働いていた方が個人事業主になる場合、さまざまな準備を行う必要があります。ここではエンジニアが個人事業主になるための方法を紹介していきますので、参考にしてみてください。
1:個人事業主を副業として行うときは就業規則を確認する
個人事業主になる場合、会社を辞めずに副業で個人事業主として活動するという選択肢もあります。ただし副業として個人事業主になる場合は、事前に会社の就業規則の副業規定を確認し、副業が禁止されていないかどうか確認する必要があります。
仮に就業規則で禁止されている場合、会社に黙って個人事業主として副業を行ってしまうと、発覚した際に懲戒処分を科せられる可能性があります。また、会社員のまま副業を行う場合は、副業の所得が20万円を超えると確定申告をしなければいけない点も押さえておきましょう。
出典:副収入などがある方の確定申告 | 国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/kakutei/fukugyo.htm
2:退職するときは退職願を提出し必要書類を入手する
退職すると厚生年金から国民年金への切り替えなどを行う必要があります。そのため、会社を退職して個人事業主になる場合は、手続きに必要な離職票などの退職したことを証明する書類を手に入れておきましょう。
離職票は場合によって後日郵送などで送られてくるため、すぐに手に入らないこともありますが、手続きの際に役所の窓口で伝えれば問題ありません。
3:クレジットカードや住宅ローンの手続きを済ませる
前述のとおり個人事業主は社会的信用が低い傾向にあるため、個人事業主になってからではクレジットカードや住宅ローンの審査に通りにくくなります。よって、退職する前にクレジットカードや住宅ローンの手続きを済ませておきましょう。
会社員であれば審査にも通りやすいため、あらかじめ契約を済ませておけば個人事業主になってからも安心です。
4:青色申告承認申請書を提出する
確定申告の際に青色申告を行いたい場合は、税務署に青色申告承認申請書を提出しましょう。青色申告承認申請書の用紙は税務署で貰うことができます。
また、新規開業の場合は事業開始から2ヵ月以内に提出する必要があるため、開業届と一緒に出すようにしましょう。青色申告か白色申告か迷う場合は、青色申告をした場合の節税効果について事前にインターネットの税額診断などを使って調べておくと良いでしょう。
>> 「青色申告」とは|節税対策でのメリットや白色との違いをご紹介
出典:No.2070 青色申告制度 | 国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2070.htm
5:開業届を提出する
個人事業主になるには税務署に開業届を提出する必要があります。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類で、開業、廃業する際に提出するものです。
開業届の用紙は税務署で受け取るか、国税庁のホームページからダウンロードしましょう。
6:自分のスキル・実績・経歴をサイトにまとめる
個人事業主としてこれから仕事をするのであれば、ホームページを用意して自分のスキルや実績、経歴をまとめるようにしましょう。
最近はSNSをホームページの代わりにしている人も多いですが、これまでの実績などをまとめて閲覧できるサイトを用意しておいた方が信用度も増します。
7:ポートフォリオを作成する
個人事業主として自分で案件を取得していくためには、ポートフォリオも用意しておきましょう。ポートフォリオは自分のこれまでの成果物などを纏めた作品集のようなもので、個人事業主のエンジニアの顔となるものです。
>> エンジニアにとってのポートフォリオの役割|参考にすべき事例8選も紹介
テンプレートを使用すれば比較的簡単に作れるため、利用してみると良いでしょう。
8:その他状況に応じて必要になる書類を確認する
他にも、個人事業主として家族を雇用する場合に給与を所得から差し引くことができる「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」、雇用している従業員の給与から源泉徴収した所得税の納期を半年ごとに変更できる「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」があります。
また、給与支払い事務所を開設した場合の「給与支払事務所等の開設届出書」など、その時々に書類が必要になるケースがあります。
どのような書類の提出が必要になるのかあらかじめ確認しておきましょう。
出典:[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_14.htm
個人事業主として開業したあとに必要になること6つ
開業届を出し、個人事業主になったあともいくつかの手続きを行う必要があります。しっかりと準備を行っておけば確定申告も楽になるため、どのような手続きが必要になるのか事前にチェックしておきましょう。
ここでは個人事業主として開業したあとに必要になることを紹介していきます。
1:小規模企業共済へ加入する
小規模企業共済とは個人事業主や小規模企業の経営者が廃業時や退職時の生活資金を積み立てることができる制度です。小規模企業共済への掛け金は全額所得控除することができるため、節税効果があります。
小規模企業共済に加入する場合は必要書類に記入し、中小機構が業務委託している団体か金融機関の窓口で書類を提出しましょう。
出典:制度の概要|独立行政法人 中小企業基盤整備機構
参照:https://www.smrj.go.jp/kyosai/skyosai/about/features/index.html
2:確定申告を行う
個人事業主になった場合は確定申告を行う必要があります。確定申告は1月1日から12月31日の1年間での所得と、それに対する所得税などの金額を計算して確定させるという手続きです。
基本的には毎年2月16日から3月15日までの期間で前年度の確定申告を行う必要があります。確定申告は作成した確定申告書を税務署に持参もしくは郵送するか、e-Taxを使って電子上で提出する方法があります。
出典:No.2020 確定申告 | 国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2020.htm
3:事業専用の銀行口座を用意する
事業専用の銀行口座を用意しておくと、個人名での口座よりも取引先への信用度が上がります。事業専用の銀行口座は屋号で作成するようにしましょう。
ただし、屋号のみで銀行口座を作成できる銀行は限られています。屋号と個人名での口座をつくることができる銀行もありますが、窓口で手続きをしなければいけないなどの手間がかかります。
4:事業専用の法人クレジットカードをつくって必要経費の帳簿をつける
事業専用として法人クレジットカードを作り、必要経費は法人クレジットカードで支払うようにしましょう。法人クレジットカードであれば通常の個人カードよりも限度額が大きく、従業員にも追加カードを発行できるといったメリットがあります。
また、事業に使用した費用はきちんと帳簿をつけて管理するようにしましょう。会計ソフトなどを利用する場合は、クレジットカードと連携することで簡単に利用明細を取り込むことができます。
5:国民年金や国民健康保険へ加入する
会社を退職するにあたってこれまで入っていた厚生年金や社会保険には入れなくなるため、国民年金や国民健康保険への切り替えが必要になります。本人確認書類や退職したことを証明する書類を持って住んでいる市区町村の役場に行き、切り換えの手続きを行いましょう。
出典:転職・退職したときの手続き|日本年金機構
参照:https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20121003.html
6:税務署主催の無料相談会を活用する
確定申告に必要な記帳に自信がない場合は、税務署が主催している相談会などに参加しましょう。特に個人事業主になって初めての確定申告の場合、記帳方法が合っているのかどうか不安になるという方も多いです。
また、税務相談は直接税務署に行って相談することもできますが、確定申告の時期は非常に混み合います。そのため、帳簿付けに自信がない場合は確定申告のタイミングとずらして相談に行けば、しっかりと教えてもらえるため、おすすめです。
エンジニアにおける個人事業主のなり方のポイント3つ
エンジニアの場合、個人事業主にならずにフリーランスとして働くという選択肢もあります。また、就業規則で禁止されていなければ退職せずに副業をするのも良いでしょう。
ここではエンジニアにおける個人事業主のなり方のポイントを紹介しますので、参考にしてみてください。
1:開業届を提出する際は安定的な収入があるか確認する
個人事業主の場合、副業であっても所得を事業所得として申告することができます。ただしそのためには、税務署に副業の所得を事業所得だと認めてもらう必要があります。
安定的な収入があり、事業として生計を立てられる場合は事業所得として認められる可能性が高いため、開業する前に確認しておきましょう。
2:確定申告はクラウド型経費精算サービスを活用する
青色申告であってもクラウド型経費精算サービスを活用すれば簡単に帳簿を入力することができます。自ら複式簿記で帳簿をつけなくても、収支を入力すれば自動的に確定申告に必要な書類を作成してくれるため活用しましょう。
3:会計ソフトを活用するときはビジネスカードと連携する
会計ソフトと事業で使用するクレジットカードを連携しておけば、経費としてデータを自動的に取り込んでくれるようになります。手入力しなくても自動的にインポートしてくれるため、入力の手間を削減することができます。
エンジニアとして個人事業主のなり方を確認しよう
個人事業主には節税できるといったメリットがある一方で、社会的な信用が低下するというデメリットもあります。
個人事業主になることを検討する場合は、ぜひ本記事で紹介したエンジニアが個人事業主になるメリットやデメリット、エンジニアの個人事業主のなり方などを参考にしてみてください。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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