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フリーランスエンジニアの請求書の書き方|記載すべき9つの項目と税金関係も解説

  • 公開日:2021-12-29 17:18:21
  • 最終更新日:2022-09-06 18:00:43
フリーランスエンジニアの請求書の書き方|記載すべき9つの項目と税金関係も解説

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フリーランスエンジニアの仕事と請求書について

書類

フリーランスエンジニアが、請け負った仕事に対する報酬を受け取るには、請求書を作成して仕事の発注者に請求します。


発注者は、受け取った請求書により支払いの手続きを行うとともに、源泉徴収や消費税などを含めて経費を計上し、支払いの手続きを行います。ここでは正しい請求書の書き方を説明します。

フリーランスエンジニアの請求書の書き方9項目

書類

請求書の書き方には、決まった書式というものがありません。しかし記入が望ましい事項があり、それらを記載することにより、スムーズな支払い処理が行われます。請求書を作成するときに、効率的に作業を進めるために必要とされる9つの事項を説明します。

1:請求書の宛先

請求書の宛先は、請求先となる会社名、部署名、担当者名を記入します。一般的には発注のときに打合せした担当者や、注文書に記載された担当者などがそれに当たります。発注担当者とは別に指示されることもあるため、発行する前に確認します。

2:発行者の氏名や屋号

請求書には発行した個人、会社、団体名を明記します。個人事業主で、屋号を持っていて屋号を使って仕事をしている人は屋号を記入します。屋号を持たずに個人名で仕事をしている人は、個人名を記入します。


個人の所得や、税金、経費の証明などに使われるため住所や電話番号などの連絡先も正確に記入しましょう。捺印により、請求書の原本であることが証明できます。

3:請求書の通し番号

請求書には、管理のために通し番号を割り振り、記入します。通し番号のフォーマットに決まりはありませんが、重複しないように割り振り、複数の請求書の中から請求先と照合するときの目安にしたり、自分で請求書を見直すときの目安にしたりします。

4:発行日

請求書の発行日は、本来は請求書を作成した日となりますが、請求先の「締め日」とする場合も多くあります。


作成日で良いか、納品日とするか、客先の「締め日」を発行日とするか、またそれ以外など、「発行日」は発注元の規定により変わるため、書き方は請求先に確認しておくと良いでしょう。

5:支払い期限

この日までに支払いを実行してもらう日を、支払い期限として記入します。


単発の仕事や、初めて仕事を請け負う会社の場合には、事前に締め日と支払い日の取り決めがあるため、それに基づく支払い日を支払い期限として記入します。毎月支払い日があるなど定常的に仕事を請け負っている場合でも、確認のために毎回書いておくと良いでしょう。

6:請求内容

請求内容には金額の明細を記入します。請求する金額の根拠となる、請け負った仕事の名称と、それにかかった職人の人工の合計、エンジニアの作業時間と時間単価の積などを記載します。それに伴って商品を販売した場合には商品名と数量と金額を記載します。


請求先から、書き方の指示がある場合には、それに従って記入しましょう。

7:請求する合計金額

合計金額の書き方は、請求内容に記載した明細の合計金額と、源泉徴収税額の差し引きや消費税額の加味など、請求先から自分に対して最終的に支払ってもらう金額を記載します。


源泉徴収を請求先でしてもらうか、振込手数料など諸経費をどちらで負担するかは事前に請求先と確認しておきましょう。

源泉徴収がない場合

源泉徴収は支払い金額から発生する税金を、請求先で天引きして請求先が納税する方法です。源泉徴収を請求先で行わない場合には、請求金額は商品の合計、作業の対価がそのまま請求の合計金額となります。


消費税に関して、免税業者に当たらない場合には、合わせて消費税も計上します。


出典:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm

源泉徴収がある場合

請求先が法人の場合、支払い金額に対して法人側で源泉徴収を行う場合があります。請求先で源泉徴収を行う場合、請求書に源泉徴収額を記載し、合計金額には源泉徴収額を含んだ金額を記載します。

8:振込先

振込先は、請求金額を銀行振り込みでもらう場合に記載します。自分の銀行名、支店営業所名、普通、当座など口座の種類、口座番号と口座の名義を記載します。


振込手数料を請求先が負担するか、請求者が負担して合計金額から差し引いてもらう場合は、その旨を記載しましょう。

9:備考欄

備考欄には、支払いに関して、特記事項がある場合にその部分を記載します。


例えば、支払い日を遅らせるなど、変更を承認する条件や、支払いを分割払いで受け取る場合にはその支払い日を明確にし、前金を既に受け取っている場合など、請求に対して明確にしておかなければならない事項を記載します。

請求書作成の際消費税を請求していい場合

イラスト

消費税は、消費にかかる税金です。フリーランスエンジニアが、請け負った仕事において、部品や必要な製品類の「商品」を販売した場合も、仕事として請け負った作業に対する報酬も、消費となりますので消費税を請求できます。


消費税を請求する際の請求書への書き方は、税抜き金額と消費税を分けて記載します。フリーランスであっても、仕入れに消費税を払っているため、売り上げ時に預かった消費税と、支払った消費税との差額を納税しなくてはなりません。


ただし、課税期間の売り上げが1000万円以下の場合は、「免税事業者」となり、消費税分の納税は免除されます。

>> フリーランスが支払う税金の計算方法とは?経費計上など節税する方法も解説


出典:No.6501 納税義務の免除|国税局
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

請求書の内容で悩みやすい源泉徴収のポイント6つ

計算

フリーランスエンジニアが受注し納品をしたときには、その対価をもらうために請求書を発行する必要があります。


源泉徴収、消費税など税金関連と振込手数料の扱いなど、請求書を作成するときに、書類に慣れていないエンジニアが悩みやすい事項がいくつかあります。この章では、それらの中から代表的な6つの項目について詳しく説明します。

1:フリーランスエンジニアは源泉徴収の対象か

フリーランスが請ける仕事には、デザイン料、講演料、弁護士報酬、プロ野球やタレントなどの専属契約など、源泉徴収してから報酬が支払われる仕事と、それ以外の仕事があります。源泉徴収されない仕事でも、発注元が法人の場合、源泉徴収を依頼することができます。


出典:No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792.htm

2:クライアントに常駐して業務を行っている場合

一般的にクライアントに常駐して業務を行うフリーランスのエンジニアは、事前の契約などで取り決めした「締め日」に、請求書を発行して支払いを受けます。月に一回出したり、週末ごとに出したりいくつかのスタイルがあります。


基本的に、フリーランスにとって請求書や支払いに関することは、その仕事を請け負う前に、取り決めて契約書などに記載される内容です。


請求書の書き方は契約による事前の取り決めに基づき請求金額を計算します。例えば作業時間を単価としている場合は、作業時間の記録と作業時間の積により請求します。源泉徴収を依頼する場合には請求書に別記します。

3:源泉徴収の対象となる場合

源泉徴収の対象となる職務への報酬に対する徴収は、報酬を支払う側に納税義務があり、請求書に源泉徴収額を記載する義務はありません。


しかし、支払いを行う側が、源泉徴収を差し引くことを忘れる場合もあります。支払いを行う側に源泉徴収をしてもらうことを明確にしておくと良いでしょう。


出典:原稿等の報酬又は料金(第204条第1号関係)|国税局
参考:https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/36/02.htm

4: 源泉徴収額と消費税について

基本的に源泉徴収は消費税を含んだ請求金額から計算しますが、請求書の書き方で請求金額と消費税が明確に分かれているときは、請求金額だけが源泉徴収の対象になります。


例えば、10万円の仕事をしたときに消費税10%を含んだ請求では11万円となります。源泉徴収額は11万円の10.21%である11,231円が源泉徴収額となりますが、請求金額10万円、消費税額1万円で請求書に計上すれば、源泉調整額は10万円の10.21%である10,210円となります。


出典:No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm

5:源泉徴収額の算出方法

源泉徴収額は、受け取る報酬が100万円以下の場合には報酬の10.21%です。報酬が100万円を超える場合には、超えた部分が20.42%になります。


100万円以上の報酬を得るとき、例えば120万円の報酬があった場合には、100万円の10.21%である102,100円と、100万円を超えた部分である20万円の20.42%となる40,840円を足した金額142,940円が源泉徴収額となります。


出典:No.2795 原稿料や講演料等を支払ったとき|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2795.htm

6:請求書に源泉徴収額を書いた方がいいのか

源泉徴収の対象となる仕事をしたときに、請求書に源泉徴収額を記載することは法律などでは定められていませんが、記載するのが一般的です。


請求先が支払い手続きをするときに、スムーズに手続きが進められるように、また、源泉徴収の手続きを忘れることを防ぐために記載しておきましょう。


自分の税金の申告をするときに、この請求書で税金が徴収済みであることを明確にできるため、書いておいた方が良いでしょう。

請求書のテンプレートを使った書き方3種類

計算

請求書を書くに当たり、WEB上にはそのまま利用できる、また自分で作る請求書のテンプレートがいくつかあります。請求書を初めて作成する場合、これらを利用しても良いでしょう。


見積書、納品書、領収書のテンプレートもあり、それらを一括してWEB上で会計処理を行うサービスもあります。

1:縦型請求書

すでに説明したように、請求書はその書式に決まりがなく、自分で好きな形状・サイズで作ることができます。


現在ではパソコンのソフトウェアで請求書を作り、プリンターで印刷することが多くなったため、A4縦型の請求書が主流だと言われています。縦型の請求書は項目を書く行数を多く取れるメリットがあります。

2:横型請求書

請求項目の記載が不要、もしくは少ない場合には横型の請求書も利用できます。横型の請求書は、パソコン上で作成するときや、管理するときにディスプレイ上で見やすいという特徴があります。また、A5、B5などの小さいサイズの請求書も横型での利用に向いています。

3:海外版の請求書

取引先が海外の場合や、外資系の会社の場合にも、英文や現地語で請求書を出すように求められることがあります。


WEB上には英語の請求書のテンプレートもあり、翻訳ができるサイトもあります。海外版の請求書を作成する際はこれらを書き方の参考にすると良いでしょう。

3つのおすすめクラウド型会計テンプレート

ツールイメージ

フリーランスがWEB上で利用できる会計決済サービスがいくつかあります。請求書のテンプレートの利用はもちろん、見積書、納品書と連動して管理ができて、ネット決済も利用できるサービスもあります。その中から3つのおすすめクラウド型会計テンプレートを紹介します。

1:MFクラウド

見積書、納品書、請求書、領収書がクラウド上で連携できて、会計管理、税金の申告書の作成など多様なサービスが利用できます。書類の作成は多様なテンプレートが利用できて、プレビュー画面を見ながら簡単に作成できます。

2:Misoca

見積書、納品書、請求書を多くのテンプレートから選択でき、流れに沿って入力するだけの簡単操作で作成できます。スマホやタブレットからの入力もできて、煩わしい会計の一元管理が可能なので本業に集中できます。

3:Square

請求書テンプレートが多彩で、Word、Excel、Acrobatそれぞれに対応した形式があり、シンプルで本格的な請求書が作成できます。ユーザー登録をすればオンライン請求処理にも対応します。

フリーランスエンジニアの請求書の書き方をマスターしよう

ノートに書き留める人

フリーランスエンジニアの中には請求書の作成に慣れていない人もいるでしょう。しかし、報酬を得るために必要となる書類です。簡単に作成できるテンプレートなどを利用して、請求書の書き方を確認しておきましょう。


【著者】

【記事監修】山崎 裕(東京ITカレッジ講師)

東京ITカレッジで講師をしています。

Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。

Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。

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