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副業で開業届を提出するメリット・デメリットとは?関連書類の提出方法も紹介

  • 公開日:2021-12-29 17:18:21
  • 最終更新日:2022-09-12 18:18:10
副業で開業届を提出するメリット・デメリットとは?関連書類の提出方法も紹介

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開業届とは?

頭を抱える人

開業届とは、新たに事業を開始したときに、納税地を管轄する税務署に提出する書類です。正式名称は、「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。


開業届は事業の開始などの事実があった日から、1か月以内に提出する必要があります。なお、提出期限が土曜日や日曜日、祝日にあたる場合には、これらの日の翌日が期限となります。


出典:[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm

エンジニアの副業で開業届を提出するメリット5つ

男性社員

エンジニアとして副業する場合、開業届を提出しておくと税や社会的信用の面でいくつかのメリットが得られるでしょう。ここでは、エンジニアの副業で開業届を提出するメリット5つをピックアップして紹介していきます。

1:最大65万円の控除が受けられる

開業届を提出して青色申告を行うと、最大65万円の特別控除を受けられます。条件によって、65万円・55万円・10万円のいずれかの控除対象に該当します。


65万円の控除を受けたい場合、「所得に関わる取引を簿記で記帳している」「電子帳簿で保存をしている」「所得税の確定申告書、貸借対照表、損益計算書をe-Tax(国税電子申告・納税システム)を通じて行う」という要件を満たす必要があります。


また55万円の控除を受けたい場合、「所得に関わる取引を簿記で記帳している」「所得税の確定申告書、貸借対照表、損益計算書を提出する」の要件を満たす必要があります。


そして、65万円・55万円の条件に当てはまらない場合は、10万円の控除に該当します。


出典:No.2072青色申告特別控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2072.htm

2:赤字の場合は総所得金額などから損失分を控除できる

副業の所得は、事業所得として扱われます。そのため副業が赤字となってしまった場合には、総所得金額などから損失分を控除することが可能です。言い換えると、給与所得に対して赤字となってしまった損失分の控除を受けることができます。


出典:No.2250損益通算|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm

3:損益通算後に残った赤字は繰越しができる

所得税法第七十条によると、損益通算後に事業所得として赤字が計上された場合、3年間は繰越し可能です。もし、翌年度以降に黒字が出た場合、過去3年間の赤字と相殺されて所得が決まります。


エンジニアの副業で出た収益よりも損失が大きいとき、先に開業届を提出して青色申告をしたほうが、翌年度以降の税制面で優遇されます。


出典:所得税法第七十条|国税庁
参照:https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=340AC0000000033_20210401_503AC0000000011

4:身内への給与を青色事業専従者給与として経費にできる

副業の過程で、生計をともにしている配偶者や親族に給与を払う場合もあるでしょう。給与は原則として必要経費とはなりません。


しかし、青色申告者の場合、「青色事業専従者給与に関する届出書」を納税地の所轄税務署長に提出しておくことで支払った給与を必要経費として計上できます。


青色事業専従者として認められる要件は、「青色事業者と生計をともにしている配偶者や親族である」「その年の12月31日現在で年齢が15歳以上である」「その年を通じて6月を超える期間、その青色申告者の営む事業にもっぱら従事している」の3要件を満たす必要があります。


出典:No.2075青色事業専従者給与と事業専従者控除|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2075.htm

5:屋号付きの銀行口座が開設できる

開業届を提出しておくことで、個人事業主として屋号付き銀行口座を開設できます。屋号とは個人事業主の「事業名」「店舗名」にあたるもので、法人で言うところの「会社名」に相当します。


個人の銀行口座を開く際とは異なり、窓口で屋号を証明するための書類の提出を求められるため、事前に利用する銀行にて必要書類を確認しておくといいでしょう。


屋号付きの銀行口座を開設することで、事業所得とプライベートの収支を分けることができ、帳簿付けや確定申告書の作成がしやすくなります。また、名義人の箇所に屋号が追加されるため、社会的信用を得られやすいともされています。

エンジニアの副業で開業届を提出するデメリット

考える男性

続いて、エンジニアの副業で開業届を提出するデメリットについて解説していきます。たとえば、会社を辞めても失業手当が受けられない、青色申告の記帳には手間がかかるといったデメリットが挙げられます。一つずつ、詳しく解説していきます。

会社を辞めても失業手当が受けられない

副業をしていると、会社を辞めたときに失業手当が受けられない場合があります。一定額以上の収入を副業から得ている、あるいは副業の作業時間が長時間にわたると、失業保険を受けられない可能性もあるため注意しましょう。

青色申告の記帳には手間がかかる

個人事業主として青色申告をする際、原則「複式簿記」で帳簿をつけていく必要があります。複式簿記とは、お金の取引を「受け取った側(借方)」「与えた側(貸方)」の双方の立場から記帳していく簿記方式のことです。


これによりお金の流れがわかりやすくなりますが、複式簿記に慣れていないと「書き方が難しい」「手間がかかる」と感じてしまう人もいるでしょう。開業届の提出とともに、青色申告の記帳について確認しておくことをおすすめします。

開業届を書く際のポイント

ホワイトボード

開業届は最寄りの税務署や国税庁の公式サイトから入手できます。開業届を手に入れたら、項目への記入をスムーズに行うために、「マイナンバー」「事業所の住所」「開業日のわかる書類」を事前に準備しておきましょう。


また届出には職業欄の項目があります。総務省の「日本標準職業分類」でエンジニアの副業がどの分類に該当するかも先に調べておくといいでしょう。

副業の開業届を出すときの注意点3つ

パソコン

副業の開業届を出すタイミングがわかりにくいという人がいるのではないでしょうか。副業の開業届を出す際には、職業による税率の変化、確定申告が必要になるタイミング、提出先に注意するといいでしょう。一つずつ、詳しく解説していきます。

1:職業による税率の変化に注意する

副業で個人事業主として所得を得る場合、「個人事業税」という税金がかかってきます。対象者は「特定の職種に当てはまり、かつ年間290万円以上の事業所得を得ている個人事業主」になります。


職種は様々に分かれますが、税率はおよそ3〜5%になっています。エンジニアの場合、第1種事業の「請負業」に当てはまると考えられるため、個人事業税は5%になる可能性があります。


ただし、各都道府県によって見解が異なり、税率がかからない地域もあります。お住まいの自治体に問い合わせて、確認してみるといいでしょう。


出典:個人事業税|東京都主税局
参照:https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/kojin_ji.html

2:確定申告が必要になる条件に注意する

会社からの給料だけでなく、エンジニアの副業で事業所得を得ているとき、確定申告を出さなければいけない場合があります。


その条件とは、「1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人」です。


つまり、会社で働きながらエンジニアの副業で年間20万円以上稼いでいる場合には、確定申告を出す必要があるということです。


出典:No.1900給与所得者で確定申告が必要な人|国税局
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

3:提出先に注意する

開業届を提出する際には、提出先に注意する必要があります。納税地の税務署へ持参するか、郵送するか選ぶことができます。住んでいる場所や対応できる時間に応じてどちらかを利用しましょう。

開業届に関連のある書類3つの提出方法

パソコン

開業届に関連のある書類は、大きく分けて以下の3つです。「青色申告承認申請書」「青色事業専従者給与に関する届出書」「給与支払事務所等の開設届出書」です。一つずつ、詳しく見ていきましょう。

1:青色申告承認申請書

「青色申告承認申請書」とは、青色申告をするための手続きに必要な書類です。青色申告書は申告をする年の3月15日まで、1月16日以降の開業の場合は事業開始から2か月以内に提出しなければいけません。

>> 「青色申告」とは|節税対策でのメリットや白色との違いをご紹介


出典:[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/09.htm

2:青色事業専従者給与に関する届出書

「青色事業専従者給与に関する届出書」とは、青色事業専従者給与額を必要経費として算入するための必要書類です。


「青色事業専従者」とは、事業を経営していく上での家族従業員です。具体的には、エンジニアの副業として働く際、配偶者や親族に事業を手伝ってもらうときに該当します。


青色事業専従者給与に関する届出書は、青色事業専従者給与額を必要な経費として算入しようとする場合、年の3月15日までに提出するようにしましょう。


出典:[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/12.htm

3:給与支払事務所等の開設届出書

「給与支払事務所等の開設届出書」とは、給与の支払者が国内において、給与などの支払事務を取り扱う事業所を開設した場合に届け出る手続きです。


届け出先は、納税地の税務署長になっています。提出期限は、開設の事実があった日から1か月以内です。また、同時に「個人事業の開業・廃業等届出書」を届け出として提出している場合には、給与支払事務所等の開設届出書を提出する必要はありません。


出典:[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁
参照:https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/gensen/annai/1648_11.htm

会社に副業が発覚してしまうときとは?

パソコン

会社が所得計算をひとまとめにして行うため、もし特別徴収の住民税が増加していると、給与以外の収入の事実が会社側にわかってしまいます。


副業の発覚を避ける方法として、確定申告書を提出する際、住民税を自分で納付する「普通納税形式」を選択するといいでしょう。


これで副業分の住民税については自宅などに納付書が届くようにできますが、まずは所属する会社が副業を認めているかどうか、一度就業規則を確認することをおすすめします。

開業届を出すメリットとデメリットを知り副業について検討しよう


この記事では、開業届を出す際の注意点について解説してきました。


開業届を出すメリットとしては、「青色申告を利用することで節税できる」「青色事業専従者給与制度を利用することで人件費を必要経費として計上できる」「屋号付き銀行口座を開設できる」が挙げられます。


また、開業届を出すデメリットとしては、「会社に副業が発覚する恐れがある」「青色申告のための書類作成は手間がかかる」「失業保険が受け取れなくなる場合がある」が挙げられます。


エンジニアとして副業を行う場合、以上をふまえて開業届を提出するかどうか検討してみてください。


【著者】

【記事監修】山崎 裕(東京ITカレッジ講師)

東京ITカレッジで講師をしています。

Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。

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