ネットワークエンジニアはきつい?やめとけ?その理由について詳しく解説
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近年のネットワークインフラの向上によりネットワークエンジニアの需要は高まっています。
しかし、一方でネット上では
「ネットワークエンジニアはきつい」
「ネットワークエンジニアはやめとけ」
という意見も見られます。
この記事ではネットワークエンジニアが「きつい」「しんどい」と言われる理由について解説します。
また、その上でネットワークエンジニアの魅力にはどのようなものがあるのかについても解説します。
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアとは、コンピューターネットワークのシステム設計や構築、運用保守を行うエンジニア職です。
コンピューターや電子機器、サーバー同士をつないでネットワーク環境を構築し、それを運用していくのが主な仕事です。
ネットワークエンジニアの社会的価値は非常に大きいです。今日の社会は情報社会であり、その中心にあるのがネットワーク技術です。企業、政府機関、教育機関、医療機関など、さまざまな組織がネットワークに依存して業務を行っています。
ネットワークエンジニアは、これらの組織が効率的に情報を送受信し、情報を安全に保つために欠かせない存在です。
また、近年ではIoT(Internet of Things)や5Gの普及に伴い、さまざまなデバイスがインターネットに接続されるようになり、ネットワークの重要性はますます高まっています。
ネットワークエンジニアの役割は、これらの新しい技術が社会全体でうまく機能するためには欠かせません。
関連記事:ネットワークエンジニアとは?主な仕事内容や将来性・求められる知識・スキルについて全解説
ネットワークエンジニアがきつい・やめとけと言われる理由
このように社会的にも重要な職種であるネットワークエンジニアですが、一方で「きつい」「やめとけ」と言われることがあります。
その理由として以下のようなものがあります。
- 高い責任感が求められる
- 土日や夜間に稼働する場合がある
- トラブルが起きた場合は24時間体制で対応する必要がある
- 目標設定や成長が分かりづらい
- ポジションによってはスキルが身につきにくい
- 最初は給与が低い
- 稼働時に面倒な手続きが多い
それぞれ詳しく解説します。
高い責任感が求められる
ネットワークエンジニアに求められるのは、ネットワークシステム全体が正常に機能するように管理・運用することにあります。
もしネットワークがダウンしてしまうと、その企業の業務全体が停止し、深刻な影響を及ぼすリスクがあるためネットワークエンジニアの役割は非常に重要です。
また、情報漏洩やサイバー攻撃による被害を防ぐためには、最新のセキュリティ技術について常に学ぶ必要もあります。
ネットワークを守るために高い責任感が求められる職種なのでストレスを感じやすい人にはきついと言えます。
土日や夜間に稼働する場合がある
ネットワークのシステム更新やメンテナンスが行われる場合、ユーザーへの影響を最小限に抑えるために、深夜や週末に行われることが多いです。
また、ネットワークの運用監視・保守の観点でも夜勤が組み込まれることが多く、ポジションによっては日勤、夜勤の交代制・輪番制が採用されることが多いです。
具体的には、2交代制と3交代制のシフト制が採用されています。
シフト制の場合、夜勤シフトの担当になるのは、週に1~2日程度です。
夜勤があると生活リズムが乱れ、体調を崩してしまうこともあることからネットワークエンジニアはやめとけと言われることがあります。
トラブルが起きた場合は24時間体制で対応する必要がある
ネットワークに問題が発生した場合、サービス利用者や業務に大きな悪影響を及ぼすリスクがあります。
したがって問題が発生した場合、ネットワークエンジニアはその問題をできるだけ早く解決するために、いつでも対応できる体制を整えていることが求められます。
場合によっては業務時間外であっても、そのトラブルに対応するために現場へ向かわなければいけないこともあります。
さらにトラブルが復旧した後もその問題が再発しないようにするための対策を立てることが求められます。
これらの稼働が突発的に起きることがあるのでネットワークエンジニアの仕事が辛いと言われます。
目標設定や成長が分かりづらい
ネットワークエンジニアは、成果が見えにくい職業と言えます。
なぜなら、ネットワーク構築後は「何も問題がない」という状態や「すべてがスムーズに動作している」という状態を維持することが仕事だからです。
これは具体的に視覚化するのが難しいため、自分の成長や達成した仕事の大きさを確認するのが難しいです。
さらに、そのような性質からネットワークエンジニアは目標を設定するのも難しいとされています。
したがって、ネットワークエンジニアは自己成長や進歩が見えにくく、モチベーションを維持することが難しいので、これが辛いと感じる一因となっています。
ポジションによってはスキルが身につきにくい
ネットワークエンジニアの業務は多岐にわたりますが、その中には技術的なスキルが身につきにくいポジションがあります。
特にネットワーク運用・監視がそれに該当します。
ネットワーク運用監視では、企業独自のツールやマニュアルを使用して作業を行うことが一般的です。
そのため、汎用的なスキルを身に付けることができません。
さらに、業務内容が属人的なケースもあります。
そのため、業務を通じてネットワークエンジニアとしてのスキルアップがなかなか難しい場合があります。
最初は給与が低い
ネットワークエンジニアは高収入と思われがちですが、必ずしも最初から高収入というわけではありません。
最初は運用や保守の仕事を任されることが多いです。
上で触れたように運用や保守は専門的なスキルが求められない分、設計や構築よりも給料が低くなりやすいです。
そのため、運用保守のまま勤続年数を積み重ねても、スキルが身につかず、給与が思うように上がらないということがあります。
また、運用監視だけ担当していた場合、転職時に評価されることはありません。
よって、転職時に年収も上がりづらい傾向にあります。
そのためにも、通常業務以外で資格取得などに取り組むことが大事です。
稼働時に面倒な手続きが多い
ネットワークエンジニアで稼働する場合、手続きが煩雑な場合が多いです。
たとえばデータセンターで稼働する場合、事前に入館申請をして入館が許可されている必要があります。
また、実際の入館時も、上長に入館の許可を貰って入館の申請をし、持ち物や身分証などのさまざまなチェックを経てようやく入館できます。
また、その中でも重要な部屋に入る場合は虹彩認証を採用している企業も多いです。
稼働に入るまで、そして稼働後も面倒な手続きが多いケースがあります。
ネットワークエンジニアのメリット
ネットワークエンジニアが「きつい」「やめとけ」と言われる理由をご紹介しました。
しかし、それでもネットワークエンジニアとして働くにはそれ以上のメリットも存在します。
具体的には以下のようなメリットがあります。
- 未経験・文系でも転職しやすい
- 高収入を目指せる
- 大規模なプロジェクトに関われる
- 将来性がある
- 成長度の高い技術が身につく
それぞれ詳しく解説します。
未経験・文系でも転職しやすい
ネットワークエンジニアはエンジニア職の中でも未経験から転職しやすい職種と言われています。
というのも運用や保守、監視に配属された場合、「手順書」と呼ばれる業務内容を網羅したマニュアルがあり、書いてある通りに作業を進めることが多いため、未経験者でも取り組みやすくなっています。
また、ネットワークエンジニアはキャリアパスが監視→保守→運用→構築→設計と徐々にステップアップできる環境が整っていることが多いです。
そのため、文系や未経験者であってもエンジニアとしてキャリアパスが描きやすいのが魅力です。
高収入を目指せる
ネットワークエンジニアの最初の給与は安いですが、構築・設計のフェーズに入れるようになると一気に収入が上がります。
実際、ネットワークエンジニアの平均年収は、他のエンジニア職種と比べても高いレベルにあると言えます。
公共機関やデータセンターなど、大規模ネットワークの設計や構築が行えるエンジニアになると、年収1,000万円以上を超えることも決して珍しくありません。
関連記事:ネットワークエンジニアのおおよその年収とは?引き上げる方法や将来性も紹介
大規模なプロジェクトに関われる
ネットワークエンジニアの担当する仕事は、規模の大きな案件が多いです。
例えば、大手企業の新規オフィス設立時のネットワーク環境構築などが該当します。これは数百〜数千人規模のユーザーを支えるネットワーク環境をゼロから設計・構築するため、その規模はとても大きいです。
また、クラウド化を進めるためのプロジェクトに関与することもあり、その場合も往々にして大規模なプロジェクトとなります。
その他にも公共インフラのネットワークシステムの構築や更新プロジェクトだと、その規模が数年に及び、何百億円という大きな予算が使われ、多数のエンジニアが共同で働くことが多いです。
このような規模感のあるプロジェクトに参加できることは、ネットワークエンジニアの職業の魅力の一つと言えるでしょう。
海外でも活躍できる
また、ネットワークエンジニアは海外で活躍することが出来るというのが魅力です。
これはネットワーク技術は世界標準で定められているためです。
また多くの海外企業、特にIT企業では、ネットワークの運用や管理、設計といった役割を担うエンジニアが求められています。その他にも海外チームと協力してネットワークを構築する仕事などもあります。
そのため、スキルと経験を持つネットワークエンジニアは、国際的なキャリアを持つことが可能です。
気になる語学力もネットワークエンジニアが扱う機器のマニュアルや技術書の多くは英語で書かれています。そのため、これらの文書を読むことにより、英語力を向上させることができます。
将来性がある
ネットワークエンジニアは将来性のある仕事と言えます。
その理由は現代の社会では、ビジネスだけでなく、公共・福祉サービスにおいてもインターネットやコミュニケーション技術が重要な役割を果たしており、その基盤を支えるネットワークインフラの適切な運用が必要不可欠だからです。
また、技術の進歩に伴い、常に新しいネットワーク技術が生まれています。
IoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、5Gなどの新しい技術の導入にも、ネットワークエンジニアの知識とスキルが必要で、今後も活躍が期待されています。
これらの理由から、ネットワークエンジニアは将来性があり、今後もその需要が増え続けると言えます。
関連記事:データベースエンジニアの将来性は?AIに奪われる?キャリアアップについても解説
ネットワークエンジニアに向いている人
ネットワークエンジニアに向いている人には以下の特徴があります。
- コンピューター機器が好き
- コミュニケーションが苦にならない
- 土日や深夜作業に抵抗がない
- トラブル対応に強い
- 責任感がある
それぞれ詳しく説明します。
コンピューター機器が好き
ネットワークエンジニアは、プログラミングよりもコンピューターやルーターやスイッチなどのネットワーク機器を取り扱うことが多いです。
そのため、これらの機器に興味があったり、触るのが好きな人に向いています。
また、新しい機器や技術に好奇心を持って自主的に学ぶことが出来る人もネットワークエンジニアに向いていると言えます。
コミュニケーションが苦にならない
ネットワークエンジニアはチームで働くことが多く、また他の部署やクライアントとも連携する必要があるため、コミュニケーション能力は重要です。
自分の考えを分かりやすく伝え、他人の意見を理解する能力に長けている人はエンジニアにむいています。
土日や深夜作業に抵抗がない
ネットワークトラブルは予期せぬ時に発生します。
また、大規模なネットワークのメンテナンスは、他の業務への影響を抑えるために、深夜や休日に行われることもあります。
そのため、土日や深夜作業に抵抗がなく、臨機応変に対応できる、柔軟な働き方ができる人が適しています。
トラブル対応に強い
ネットワークエンジニアは、サーバーやネットワークの障害対応を行うことがあります。
その際には的確に問題を特定し、解決するためには冷静な判断力と高い技術力が求められます。
そのため、プレッシャーの中でも冷静に対処でき、迅速かつ適切に問題を解決する能力が求められます。
責任感がある
ネットワークは企業活動の基盤となる重要なインフラです。その運用や保守には高い責任感が求められます。
自身の業務に対する責任をしっかりと持てる人が、ネットワークエンジニアに向いています。
関連記事:ネットワークエンジニアに向いている人とは?適性や必要なスキルについて解説
ネットワークエンジニアに必要なスキル
最後にネットワークエンジニアに必要なスキルをご紹介します。
- ネットワークに関する基礎知識
- ネットワーク製品の知識とスキル
- クラウド技術
- セキュリティ
それぞれ詳しく説明します。
ネットワークに関する基礎知識
ネットワークエンジニアとして働くためには、ネットワークがどのように動作するか、TCP/IPやHTTP、FTPなどの基本的なネットワークプロトコル(通信のルール)は何かなどの基本的な知識が必要です。
例えば、インターネットはどのように情報を送受信するのか、IPアドレスやルーティングとは何かといった基本的な概念を理解することが重要です。
ネットワーク製品の知識とスキル
ネットワークエンジニアとして働くためには、主要なネットワーク機器ベンダーの製品(例えば、シスコ、ジュニパー、ヒューレット・パッカードなど)についての知識が必要です。
各製品の特性、操作方法、設定の仕方などを理解し、それらを使って最適なネットワークを構築・運用できる能力が求められます。
クラウド技術
現代のIT環境では、オンプレミスだけでなくクラウドにおけるネットワーク管理も重要になってきています。
AWS、Google Cloud Platform、Microsoft Azureなどのクラウドサービスプラットフォームにおけるネットワークの設計、運用、管理、セキュリティなどについての知識と技術が求められます。
セキュリティ
ネットワークエンジニアは、セキュリティについての知識も必要とされます。
具体的には、ファイアウォール、VPN、侵入検知システム(IDS)、侵入防止システム(IPS)などのセキュリティ技術を理解し、適用できる能力が求められます。
また、システムの脆弱性を見つけ、対策を講じるための能力や、最新のセキュリティリスクや攻撃手法について常に学習し、対応策を練る能力も必要とされます。
まとめ
以上、ネットワークエンジニアがきつい・やめとけと言われる理由について解説しました。
高い責任感が求められ、働き方に関しても不安定な部分はありますがそれ以上に魅力がある職種です。
ネットワークエンジニアを目指している人は是非参考にしてください。
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【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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