人気の言語Javaとは？習得で得られる3つメリットや言語の特徴などを紹介

人気のプログラミング言語Javaとは

Javaとは、C言語をもとに開発されたプログラミング言語です。世界で多くのシェアを獲得している人気の言語で、OSに依存しないことから、WindowsやMacなどの環境に関わらず同じように動作させることができます。

また、その汎用性の高さから、Webサービスや業務システム、スマホアプリなどさまざまな分野での開発に用いられています。本記事ではJavaについて詳しく紹介していきますので、参考にしてみてください。

Javaの習得で得られる3つのメリット

Javaは世界的に需要の高い言語であり、習得することによるメリットも多いです。それでは、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは、Javaの習得で得られるメリットについて紹介していきます。

1：企業からニーズが多く就職に有利

Javaはその汎用性の高さからさまざまな開発で用いられており、企業からのニーズも高い言語です。Webサービスやスマホアプリ、官公庁や金融機関のシステムまでJavaで開発できます。

実際にJavaの求人は他のプログラミング言語と比較しても多く、Javaエンジニアには高いニーズがあります。そのため、Javaを扱えるようになることで就職活動でも有利になります。

2：エンジニアとして長く活躍できる

Javaを開発言語としている企業は多く、Javaで開発できるものの範囲も広いです。Javaを使った開発スキルを持っていることで、デスクトップアプリやAndroid向けスマホアプリ、Webサービス、組み込みシステム、IoTまで、あらゆる開発が行えるようになります。

そのため、Javaでの開発ができるようになれば、エンジニアとしても長く活躍できるでしょう。

3：スキルアップに繋がる

Javaを習得すれば、より高度な言語にも挑戦できるようになります。たとえばJavaはC言語をベースとして開発されているため、Javaを扱えるようになればC言語の習得も目指しやすくなります。

Javaの影響を受けたプログラミング言語は他にもあるため、スキルアップへと繋げられるでしょう。

Javaの主な5つの特徴

プログラミング言語にはさまざまな種類があり、それぞれ得意としていることや特徴などが異なります。それでは、Javaにはどのような特徴があるのでしょうか。

ここでは、Javaの主な特徴について解説していきますので、参考にしてみてください。

1：さまざまなOS上での動作が可能

Javaは「JVM」と呼ばれるJavaの仮想マシン上で動くという大きな特徴を持っています。JVMはJavaとコンピュータ間で通訳のような役割をしており、JVMが動作するコンピュータであれば、JavaはどのOSであっても動作させることが可能です。

そのため、OSがWindowsでもMacでもLinuxでも関係なくJavaを動かせます。

2：オブジェクト指向プログラミング

オブジェクト指向とは、プログラムの機能や役割をそれぞれ1つのモノ（オブジェクト）に見立てて、モノ同士を関係させて組み合わせていくという考え方です。

オブジェクト指向プログラミングであれば、大規模なシステム開発でも機能や役割ごとに開発して組み合わせていくことにより、仕様どおりのシステムを効率的に開発していくことが可能になります。

3：実行処理速度が速い

Javaはかつて実行処理速度が遅いと言われていましたが、年々改良され続けたことにより、現在では主要言語の中でも速度の速い言語になっています。

またJavaは、プログラムを実行するためにあらかじめコードのコンパイルを行うコンパイラ言語となっているため、プログラム実行時にコンパイルが行われません。そのため、その分インタプリタ言語よりも速くなっています。

4：プログラミング環境の構築に手間がかかる

Javaは他の言語に比べても、プログラミング環境の構築に手間がかかる言語です。たとえばWindowsの場合、Javaを開発、配布しているOracleのホームページからJavaをダウンロードし、インストールして環境変数に追加するといった作業が必要になります。

そのため初心者がJavaを学習する場合は、まず環境構築というハードルがあります。

5：小規模のシステム開発には向かない

Javaは大規模システム開発にも用いられる言語ですが、小規模システム開発には不向きな言語です。Javaは非常に拡張性が高い言語ですが、個人での開発ではJavaの利点を生かすことが難しいです。

またJavaは、どうしてもソースが長くなってしまう傾向にあるため、小規模システムの開発を行う場合はRubyなどの別の言語を利用したほうが良いでしょう。

Javaで開発可能な8つの分野

Javaは非常に汎用性が高く、さまざまな分野での開発に採用されていますが、具体的にどのような開発が可能なのでしょうか。

ここでは、Javaで開発可能な分野について解説していきますので、参考にしてみてください。

1：業務システムの開発

Javaは金融機関などをはじめとした、さまざまな分野での業務システムの開発に用いられています。たとえば配送システムや在庫管理システム、取引システムなど幅広い業務システムがJavaで開発されています。

また、このような業務システムでは多くの情報管理のためにデータベースを使用していますが、データベースシステムであるOracle DatabaseもJavaで開発が可能です。

2：デスクトップ向けのアプリ

Javaを使用することで、パソコンのデスクトップで利用するデスクトップアプリを開発することも可能です。デスクトップアプリには、メールアプリやチャットアプリなどがあります。

このようなデスクトップアプリはGUIとも呼ばれており、JavaであればSwingやJavaFXといったAPIクラスライブラリを使用することで簡単に作成が可能です。またJavaであれば、WindowsやMacなどOSに関係なく利用できるというメリットがあります。

3：Android向けスマホアプリ

JavaはAndoroid向けのスマホアプリを開発できます。Andoroid向けスマホアプリの開発言語として採用されているため、Javaの需要は非常に高い状況です。

他の言語でもAndoroid向けのスマホアプリを開発することは可能ですが、Javaでの開発経験を持ったエンジニアが多いため、現状はJavaが広く用いられています。

4：組み込みシステム

Javaはテレビや冷蔵庫などの家電に組み込まれている、組み込み系システムの開発も可能です。組み込みシステムとは、機械や家電を制御するために最初から搭載しているシステムのことです。

組み込みシステムの開発ではC系言語を使用するケースが多いですが、JavaでもクラスライブラリのJava MEを使用すれば組み込みシステムの開発ができます。

5：Webアプリ

JavaはWebアプリも開発できます。WebアプリとはWebサーバー上で動作するアプリケーションのことです。

Javaは規模が大きな開発に適しているため、現在ではTwitterのようなSNSの開発にも用いられています。その他、Googleでも開発に用いられているなど、Javaを使用したWebアプリは多くあります。

6：Webサービスの大規模システム開発

Javaは実行速度が速く堅牢性も高いという特徴があるため、大規模システム開発に適しています。前述のTwitterやオンラインメモサービスのEvernoteのような、大規模なWebサービスの開発にも用いられています。

実際にWebサービスの開発現場では、Javaが用いられるケースが多いです。

7：ゲーム開発

あまり多くはありませんが、Javaはゲーム開発にも対応可能です。Javaで開発された代表的なゲームには「Minecraft」があります。

ゲーム開発で使用される言語としてはC#が主流となっていますが、Javaでも十分ゲーム開発を行えます。また、できることに制限もないため、RPGや対戦ゲームなどさまざまなタイプのゲームが開発可能です。

8：IoT分野

IoTとは「モノのインターネット」という意味の言葉で、これまでインターネットに繋がっていなかった家電などさまざまなものをインターネットに接続し、便利に利用できるようにする技術です。JavaはIoTの開発にも適しており、多くの開発現場で採用されています。

Javaはクロスプラットフォームに対応していることから、IoT機器などの先端技術の開発にも用いることができる言語です。

Javaプログラミングに於ける3つのステップ

Javaは多くの分野で開発に用いることができる言語です。しかし、オブジェクト指向の言語であることから、Javaを習得するにはオブジェクト指向プログラミングについてもしっかりと理解する必要があります。

それでは、実際にJavaを使ってプログラミングを行う場合、どのような手順で進めていけばよいのでしょうか。ここでは、Javaプログラミングにおける3つのステップを順番に紹介していきます。

1：ソースプログラムの記述

Javaでプログラミングを行う際、まずはソースプログラムを記述する必要があります。簡単なコーディングを行うのであれば、統合開発環境を準備する必要はありません。

メモ帳などのテキストエディタにJavaのコードを記述して、拡張子を「.java」にして保存しましょう。

2：ソースプログラムをコンパイル（クラスファイルの作成）

次に作成したファイルをコンパイルしましょう。前述のようにJavaはコンパイル言語なので、プログラムとして実行するにはコンパイルと呼ばれる作業が必要になります。

コンパイルを行うにはコマンドプロンプトを開き、「javac ○○.java」というコマンドを入力しましょう。「○○.java」の部分は保存したソースファイルの名前にしてください。コンパイルが完了すれば、実行ファイルが作成されます。

3：プログラムの実行

コンパイルしたプログラムをコマンドプロンプト上で実行しましょう。コマンドプロンプトで「java ○○」というコマンドを実行し、画面にプログラムの実行結果が表示されれば無事にプログラムの実行が成功していることになります。

このようにJavaのプログラミングでは、javaコマンドによってJVMを使って実行するということになります。

Javaのスキルアップに繋がる資格

Javaのプログラミング習得やJavaのスキルアップを目指す場合には、Javaに関連した資格を取得するのがおすすめです。Javaに関連したIT資格には、「Oracle認定Javaプログラマ」や「Javaプログラミング能力検定試験」などの種類があります。

特に「Oracle認定Javaプログラマ」は、Javaの開発を行っているOracleが実施している試験なのでおすすめです。ここでは最後に、Javaのスキルアップに繋がる資格について解説していきます。

Oracle認定Javaプログラマ

Oracle認定Javaプログラマとは、日本オラクル社が認定しているベンダー資格で、Javaに関する正しい知識やスキルを認定する資格となっています。

グレードはBronze、Silver、Goldの3段階となっているため、まずはSilverの習得を目指すと良いでしょう。なおOracle認定Javaプログラマは、Javaのバージョンに合わせて改定されるため、現在は「Java SE 11 認定資格」が最新の試験となっています。

Javaプログラミング能力検定試験

Javaプログラミング能力検定試験とは、Javaプログラミングに関する知識やスキルを認定する資格です。サーティファイが実施している資格試験となっており、Javaの基礎知識やJavaでのアプリケーション作成スキルなどを認定します。

またレベルは、Javaやオブジェクト指向に関する基本的な知識や簡単なプログラム記述スキルを認定する3級、Javaやオブジェクト指向に関する一般的な知識や小規模プログラムの記述スキルを認定する2級、オブジェクト指向に基づいた分析や設計スキルなどを認定する1級があります。

エンジニアとして成功するためにJavaを習得しよう

JavaとはWebサービスやWebアプリ、基幹システムやIoTなどさまざまな分野の開発に用いられる汎用性の高い言語です。

本記事で紹介したJavaの習得で得られるメリットやJavaの特徴、Javaで開発可能な分野などを参考に、Javaの習得を目指してみてはいかがでしょうか。