上流工程を担ううえで必要とされる6つのスキル|システム開発で担う作業とは
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システム開発における上流工程プロセスとは
システム開発における上流工程プロセスとは、システムの開発にあたって、要件定義から計画の立案までの実行単位のことを表します。上流工程プロセスは、その後の下流工程に影響を与えるため、経験やスキル、能力の高い人材が担当することが多いでしょう。
本記事では、上流工程を担ううえで必要とされるスキルやシステム開発で担う作業について紹介します。上流工程の仕事に興味がある人は参考にしてください。
上流工程と下流工程の違い
上流工程は、クライアントの希望に沿ったシステムの仕様や機能を決定し、開発進行のスケジュールを決める初期工程です。
「こういうものをこの期間で作ります」と示す上流工程に対して、下流工程は上流工程で決定した内容を形にしていく段階のため、業務内容や求められるスキルが違います。
システム開発で担う上流工程の作業内容
システム開発で担う上流工程の作業内容は、企画・要件定義・設計・見積もりです。「企画」は、クライアントの要望や課題からシステムの企画を立案することです。「要件定義」では、開発予定のシステム概要や、実装する機能を明確に定めます。
「設計」は、要件定義で決まった機能を実装するための方法を決め、「見積もり」は、システム開発における予算や開発期間を前もって概算することを言います。見積もりはクライアントに提示し、同意が得られれば契約成立となります。
システム設計で担う上流工程の作業内容
システム設計で担う上流工程の作業内容には、要件定義・アーキテクチャ設計・機能設計・内部設計などがあります。
「要件定義」では、クライアントの要望や課題に対して、どのように実現するのか文章としてまとめます。「アーキテクチャ設計」では、システム全体の骨格や作り方を定めていきます。
「機能設計」は、各機能について詳細な実装方法を考案し、システムやデータに関してどう扱うか具体的な機能の仕様を決めていきます。
「内部設計」は、システム内部の処理方法について定義する作業です。それぞれの機能同士のデータのやり取りを決めるのも内部設計の時点で行います。
上流工程を担ううえで必要とされるスキル
上流工程の段階で不備があれば、案件そのものが失敗してしまう可能性が高いため、システム開発において、上流工程は非常に重要なフェーズです。上流工程を担う人材は、その役割に相応しいスキルを保有していることが多いでしょう。
ここでは、上流工程を担ううえで必要とされるスキルについて紹介していきます。今後上流工程を目指す予定の人は、現段階で不足しているスキルを習得できるように考えていきましょう。
- ドキュメントを作成するスキル
- 設計書を作成するスキル
- ヒアリングスキル
- マネジメントスキル
- 幅広い業界の業務や経営知識
- 最低限のエンジニア同等の技術力
1:ドキュメントを作成するスキル
上流工程では、要件定義書や、詳細設計書、テスト仕様書など、さまざまな資料の作成業務があるため、ドキュメント作成は欠かせない作業です。ドキュメントは、人によって解釈が変わらないように、利用する人にとって閲覧性や可読性が高いことが求められます。
また、仕様や要件の変更は即座に反映するスピードも求められるでしょう。ドキュメントを作成するスキルが高ければ、それだけ開発作業の安定性も確保されます。
2:設計書を作成するスキル
上流工程では、クライアントの要望を実現できるように、要件定義から設計書を作成するスキルは必須です。クライアントの満足度を高めるためにもクライアント目線で作成する能力が求められます。
設計書に不備があると、下流工程でプログラマが展開したとき、設計内容に対して何度も確認されることになったり、予定していたものとは違うシステムが出来上がってしまったりするでしょう。上流工程での設計書作成スキルは、プロジェクトを円滑に進めるためにも重要です。
>> 基本設計書を作成するうえでの重要事項とは?要件定義との違いも解説
3:ヒアリングスキル
ヒアリングスキルは、クライアントのニーズを的確に引き出す際に必要になります。仮にシステム開発に関して技術力を持っていても、ヒアリングスキルが低いとクライアントが作ってほしい項目を聞き出せません。
最初に要望を聞き出せていないと、開発が進みだしてから「こういう機能も入れて欲しい」と後で追加項目が増えてしまい、作業が難航することもあるでしょう。
4:マネジメントスキル
下流工程に携わる作業者のスケジュール管理を行うのも上流工程担当者の仕事です。タスクが一定の人に偏ったり、作業の遅れが出ていたりする人がないかなど調整する役割を持っているため、マネジメントスキルが問われるでしょう。
作業人数の多い大規模なプロジェクトの場合は特に、マネジメントスキルの高さが求められます。
5:幅広い業界の業務や経営知識
システム開発では、クライアントの業界は多岐にわたります。クライアントの課題に気づいたり、要望を的確に拾い上げたりするためには、クライアント目線を持つために、幅広い業界の業務や経営知識が必要になるでしょう。
クライアントの業界や経営について知識がないと、相手が何を言っているのか理解できず、設計する身として困る状況に陥る可能性があります。
6:最低限のエンジニア同等の技術力
上流工程を担当すると、下流工程のプログラミング作業を行う機会は少なくなります。企業によっては、全くプログラミングしない上流工程担当もいるでしょう。
しかし、最低限、エンジニアと同等の技術力は求められます。技術力がなければ、下流工程のエンジニアが何を言っているのかわからず、作業調整を行うにしても、この作業でどのくらいの時間がかかるのかという予想がつきません。
下流工程側と意見交換する際にも、技術に関する話もきちんとできるよう、最低限エンジニア同等の技術力は身につけておきましょう。
>> プログラミング言語の特徴と違いとは?目的別にお勧めの23種類を紹介
上流工程の仕事を目指す方法
上流工程の仕事を目指す方法は、まずは下流工程での経験を積み、それからキャリアアップするのが一般的です。上流工程を担当したい旨を上司に伝えておきましょう。
とはいえ、上流工程を担当する人材の枠が埋まっているとなかなかポジションが変わらないこともあります。早く上流工程の仕事を担当したいのであれば、転職を視野に入れる可能性が出てきます。
転職する場合は、開発職を募集していても下流工程しか請け負っていない企業もあるので注意が必要です。下流工程しか請け負わない企業に就職すると、上流工程の仕事は取らないため、担当する機会がありません。
下流工程から上流工程の開発環境を持っている企業か、上流工程のエンジニアのみ募集している企業への転職を考えましょう。
上流工程の仕事に役立つ資格4選
IT系の資格には多岐にわたるため、「どの資格を取得すればいいのだろう」と困ってしまう方もいるでしょう。最後に上流工程の仕事に役立つ資格4選について紹介するので参考にしてみてください。
上流工程向けの資格を保有していることで第三者へのスキルの証明になり、上流工程を任されるきっかけや、担当後周囲から信用を得る要素として役立ちます。
1:システムアーキテクト試験
システムアーキテクト試験は、業務知識から的確な分析を行い、業務ニーズにマッチしたシステム設計をするための能力を証明する試験です。この資格を持つことで、システムアーキテクトの業務において、遂行するために必要なスキルや知識を認定できます。
試験ではコンピュータやシステムの構成要素について、データベース、ネットワーク、セキュリティなど基礎的な問題から、要件定義に関わるシステム戦略やシステム企画など、上流工程に求められるスキルが出題されます。
出典:システムアーキテクト試験(SA)|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sa.html
2:応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、プロジェクトにおける品質管理や予算の算出、工程の把握などが行えるレベルの内容が出題されます。
試験の出題される内容は、情報システムやネットワーク、データベース、組込みシステムにおける設計、開発および運用・保守と広範囲です。上流工程担当として必要な専門的知識が問われるでしょう。
出典:応用情報技術者試験(AP)|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
3:ORACLE MASTER
ORACLE MASTER(オラクルマスター)は、日本オラクル社が運営している、「Oracle Database」シリーズを扱う技術力を認定する資格です。データベースにおける管理スキルを証明する意味で役立ちます。
レベルごとにブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナに分かれていて、ブロンズから順に取得していく形式になっています。上流工程ではデータベースの知識が求められるため、持っておくと、高い信用が得られるでしょう。
試験では、データベースの管理や運用、データベース(RDBMS)を操作するための言語であるSQLの習熟度を問うものが出題されます。
出典:ORACLE MASTERとは|ORACLE MASTER Portal
参照:https://www.oracle.com/jp/education/index-172250-ja.html#1
4:プロジェクトマネージャ試験
プロジェクトマネージャ資格は、システム開発プロジェクトの責任者としてのスキルや知識が問われます。具体的には、予算やスケジュール、品質管理などに関する問題が出題されるでしょう。
知識を持っているだけではなく、プロジェクトマネージャの適性があることの証明になるため、作業者の管理も行う上流工程の立場で効果を発揮しやすい資格の1つです。
>> プロジェクトマネージャ試験の勉強の7つのポイント|合格率や難易度も解説
出典:プロジェクトマネージャ試験(PM)|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/pm.html
上流工程の仕事に必要なスキルを理解しよう
上流工程の仕事をしていきたいと考えたとき、今在籍している会社で目指すにしても、転職するにしても、第三者に対して上流工程の仕事に必要な能力を証明できるかが重要になってくるでしょう。
そのため、上流工程の仕事に役立つ資格を取得しているかどうかが判断のポイントになります。上流工程を目指すためにも、まずは上流工程の仕事に必要なスキルを理解しておきましょう。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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