インスタンスの考え方や概念とは?プログラミング言語やインフラの観点から解説
Workteria(ワークテリア)では難易度の高いものから低いものまで、スキルや経験に合わせた案件を多数揃えています。会員登録は無料ですので、ぜひ会員登録してご希望の案件を探してみてください!
フリーランス/正社員のエンジニアとして活躍するには、ご自身のスキルや経験に合わせた仕事を選ぶことが大切です。ご希望の案件がみつからない場合はお気軽にお問い合わせください!ユーザ満足度の高いキャリアコンサルタントが在籍していますので、希望条件や悩み事などなんでもご相談ください。ご希望にピッタリの案件をご紹介させていただきます。
インスタンスとその他役割との相違点
オブジェクト指向の言語を学んでいると、「インスタンス」という言葉をよく耳にします。インスタンスとは日本語で「実例」という意味を持つ言葉で、ITの分野では「クラスをもとに作成したオブジェクトの実体」を意味します。
オブジェクト指向言語を学ぶ上で、インスタンスやオブジェクト、クラスに関する理解は必須です。ここでは、まずはインスタンスとその他役割との相違点について解説していきます。
オブジェクトとの相違点
オブジェクトとは日本語では「物体」などの意味を持つ言葉で、ITの分野ではコンピューター上で操作したり処理の対象となったりする実体のことを指します。
オブジェクトもインスタンスも何らかの実体を意味する言葉ですが、オブジェクトがさまざまな実体を総称するものであるのに対して、インスタンスはオブジェクトの中の1つだと言えます。なお、オブジェクト指向言語ではオブジェクトとインスタンスは同一のものを指します。
クラスとの相違点
クラスとは設計図のことで、ITの分野では特定の実体を生成するための定義などを指します。インスタンスの型となる枠組みであるとも言えるでしょう。
オブジェクト指向では、設計図であるクラスをもとに作成したオブジェクトの実体をインスタンスと呼びます。クラスにはプロパティとメソッドの2つが記述されており、これらの情報をもとにインスタンスを生成します。
インスタンス化の意味とは
インスタンス化とは、クラスのインスタンスを生成するためのプロセスを指します。オブジェクト指向のプログラミングを行う場合、プログラムの中で実際に使用されるのは枠組みであるクラスではなく、クラスから作成されたインスタンスです。
そのため、まずはクラスの定義を行い、プログラム内で使用する変数などの実体を用意する必要があります。このようなプロセスのことをインスタンス化と呼びます。
インフラにおけるインスタンスの定義4つ
ここまで主にオブジェクト指向のプログラミングでのインスタンスについて解説してきましたが、インフラ領域でのインスタンスはまた違った定義を持ちます。インフラ領域の場合は、さまざまなものをインスタンスと呼んでいます。
ここではインフラにおけるインスタンスの定義を紹介していきますので、参考にしてみてはいかがでしょうか。
1:実際に動いているものを示す
インフラ領域でのインスタンスとは、「実際に動いている何か」を指します。たとえば、仮想サーバーやデータベース、それらを使用したサービスの中で動いているものは、すべてインスタンスと呼ばれます。
このようにインスタンスは非常に曖昧な意味を持つため、インフラエンジニアがインスタンスという場合、具体的に何を指しているのかわからないケースがあります。
2:OS上で動いているプログラムやサービス
インフラ領域では、サーバーやミドルウェア製品のOS上で動いているプログラムやサービスをインスタンスと呼ぶケースもあります。
具体的には、稼働中のサーバーOS上で動いているWebサーバーやデータベース、仮想化ミドルウェア、ジョブ制御ミドルウェア、クラスタミドルウェアといったものを指します。
広義でのインスタンスは実行中のプログラムを指すため、メモリ上に読み込まれて実行されているプログラムやサービスもインスタンスとなります。
3:仮想化環境で動作しているもの
インフラ領域でのインスタンスは、クラウドサービスや仮想化環境で動いているものを指すケースが多いです。仮想化環境にある動作中の仮想マシン1つ1つがインスタンスとなります。
特にサーバーの構築や運用を業務にしているインフラエンジニアであれば、クラウドや仮想化環境で動作している仮想マシン、仮想サーバーを指してインスタンスと呼ぶケースが多いでしょう。
4:単位でサービスを使い分けられるもの
インフラ領域では、単位でサービスを使い分けられるものを指すケースもあります。たとえば分散型SNSであるマストドンの場合、利用者はインスタンスと呼ばれる単位でサービスを使い分けています。
さまざまなものを指すインスタンスですが、共通して「動いているもの」であるという特徴があります。
定義は製品やベンダによって異なる?
ここまで紹介したとおり、インスタンスの定義は曖昧で幅広いものを指しています。重要なポイントは、インスタンスの定義は製品やベンダによって異なっていることです。
特定の製品を扱う際にインスタンスが何を指しているのか知りたい場合は、マニュアルなどをしっかりと読み込む必要があります。把握せずにマニュアルを読んでも、結局インスタンスが何を指しているのかわからないままになってしまう可能性があるため注意が必要です。
仮想マシンをインスタンスとして作成するメリット
仮想マシンをインスタンスとして作成することで、リソースの最適化やコスト削減が可能になります。
また、インスタンスはコピーするのも簡単であるため、必要に応じて仮想サーバーを増やすことも容易に行えます。さらにトラブルが発生した場合でも短時間での復旧が可能になります。
仮想サーバーとしてのインスタンスに接続する手順
インスタンスについて理解を深めようとしている方の中には、仮想サーバーとしてのインスタンスへの接続方法を知りたいという方もいるのではないでしょうか。AWSのAmazon EC2では、Windowsインスタンスに接続する手順が解説されています。
ここでは仮想サーバーとしてのインスタンスに接続する手順について、AWSを例に解説していきます。
インスタンスの作成方法
AWSのAmazon EC2でインスタンスに接続する場合、まずはAMIからインスタンスの作成を行いましょう。また、前提条件としてRDPクライアントのインストールや、インスタンス起動時に指定した「.pemファイル」のプライベートキーを取得しておきましょう。
さらに、インスタンスに関連づいているセキュリティグループでRDPトラフィックが有効になっていることを確認しておきましょう。
インスタンスへの接続方法
RDPクライアントを利用して、実際にインスタンスへ接続しましょう。Amazon EC2コンソールを開き、ナビゲーションペインで「インスタンス」 を選択しましょう。
続けて「Connect」を選択し、「Connect to instance」ページで「RDP client」タブ、「Get password」 の順に選択していきます。
「Browse」を選択してインスタンス起動時の「.pemファイル」を選択し、「Open」を選択してファイルの内容をコピーしておきます。続けて「Decrypt Password」を選択し、表示されたパスワードを保存しておきましょう。
「リモートデスクトップファイルのダウンロード」を選択し、ファイルをダウンロードしたら「キャンセル」を選択してインスタンスページに戻りましょう。デフォルトでは管理者アカウントが選択されているため、事前に保存したパスワードを貼り付けましょう。
セキュリティ証明書を認証できないという警告が出た場合はリモートコンピュータの身元を確認し、「はい」を選択してください。
プログラミングにおけるインスタンスの定義3つ
インスタンスは領域によって異なる意味を持ちますが、プログラミングの領域ではどのような定義がなされているのでしょうか。
ここではプログラミングにおけるインスタンスの定義を解説していきます。
1:ひな型のクラスをメモリ上へ実体化したもの
前述のとおり、クラスとはインスタンスの枠組みやひな形となるものです。インスタンスはクラスをひな形にして作成されます。
プログラミングにおけるインスタンスとは、ひな形であるクラスをメモリ上に実体化したものだと言えます。
2:区別できる個性を持ったもの
インスタンスはクラスをひな形にして複数作成することができますが、ポイントとなるのは作成されたインスタンスがそれぞれ違うものである点です。
プログラム内にクラスを使用して変数を用意した場合、変数の中身は自由に変えることができます。インスタンスはそれぞれが個性を持ち、区別することができるものであると言えます。
3:操作を行い属性を持つもの
前述のとおり、プログラム内で実際に使用するのはクラスではなくインスタンスです。クラスによってインスタンスを作成しますが、実際の操作は属性を持ったインスタンスが行います。
インスタンスは操作を行い、属性を持っている実体であると言えるでしょう。
インスタンス化の手順3つ
ここまで紹介したとおり、プログラミングにおけるインスタンスはひな形であるクラスをもとに生成したオブジェクトのことです。それでは、実際にプログラム内でインスタンス化を行う場合、どのような手順で実施すればよいのでしょうか。
ここではインスタンス化の手順を解説していきますので、参考にしてみてください。
1:クラスを作成する
まずはプログラム内でまとめたい情報を持ったクラスを作成しましょう。たとえばクラスに「名前」や「年齢」といった情報をまとめておきたい場合は、クラスの中に「名前」と「年齢」の変数を用意しておきます。
2:クラスからインスタンスを作成する
次に、クラスからインスタンスを作成しましょう。コード内でインスタンス化する場合は、「クラス名 インスタンス名= new クラス名();」というように宣言を行います。
このように宣言することで、メモリの中にクラスと同一の構造を持った領域ができます。コードで値を代入する場合は、「インスタンス名.変数名」で指定を行います。
3:変数が示すインスタンスが同じであるか調査する
インスタンスは同じクラスから複数作成することができます。複数作成すると、同一の構造を持った領域が複数確保されることになります。
最後に、変数が示すインスタンスが同一のものか確認しておきましょう。
参照型変数として示されるインスタンスとは
たとえばJavaの場合、変数の型には基本型と参照型の2種類があります。配列やクラスなどは参照型変数となっています。
基本型の場合は変数宣言を行うことによって値を代入することができますが、参照型の場合は変数宣言とインスタンスの確保は別になっており、インスタンスを確保するにはnew演算子を利用することになります。
インスタンスは変更や削除は可能?
前述したAWSの例で作成したインスタンスは、不要になった場合削除することができます。インスタンスを削除した場合は、接続や起動することはできなくなります。
インスタンスを停止するとシャットダウンされるため、停止したインスタンスの使用料は課金されなくなります。ただし、Amazon EBSボリュームのストレージには課金されます。
また、インスタンスタイプは変更することが可能であるため、インスタンスの利用率が低すぎたり高すぎたりする場合は、適切なサイズに変更できます。
インスタンスの考え方や示す概念を理解しよう
インスタンスという言葉は、プログラミング領域で使用される場合とインフラ領域で使用される場合それぞれで指す意味が異なるため、正しく把握することが大切です。
ぜひ本記事で紹介したインフラにおけるインスタンスの定義やプログラミングにおけるインフラの定義などを参考に、インスタンスの考え方について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
「Workteria」「東京ITカレッジ」をご紹介いただきました!
正社員/フリーランスの方でこのようなお悩みありませんか?
- 自分に合う案件を定期的に紹介してもらいたい
- 週2、リモートワークなど自由な働き方をしてみたい
- 面倒な案件探し・契約周りは任せて仕事に集中したい
そのような方はぜひ、Workteriaサイトをご利用ください!
定期的にご本人に合う高額案件を紹介
リモートワークなど自由な働き方ができる案件多数
専属エージェントが契約や請求をトータルサポート