セキュリティエンジニアの年収はどれくらい?収入アップや転職のポイントも紹介
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セキュリティエンジニアの将来性4つ
スマートフォンやタブレット、パソコンなど1人1台持つ時代になったと言われています。毎日それらの機器を触らない日がないという人もいるのではないでしょうか。
同時に現在、IT関連の仕事も増加傾向にあり、さまざまな職種があります。たとえば、セキュリティエンジニアは、ITシステムにおいて情報セキュリティやサーバーに関する業務を行います。
このセキュリティエンジニアは、ITシステムが発達した現代において、重要かつ将来性のある職業と言えるでしょう。なぜ、セキュリティエンジニアが将来性のある職業と言えるのか詳しく見ていきます。
- 求人数は増加傾向
- 年齢問わず需要は多い
- 政府関係もエンジニアの育成を推進
- セキュリティ事案は巧妙化・増加傾向
1:求人数は増加傾向
インターネットを活用して業務を行っている企業は増加傾向にあります。重要な情報を扱うこともあり、情報を守るためのセキュリティ強化が必要となります。そのような状況もあり、セキュリティ市場の拡大が近年顕著であると言われています。
また、金融機関や政府機関にサイバー攻撃があった、というニュースを耳にしたことがある方も多いでしょう。大切な情報をサイバー攻撃から企業を守るためにも、セキュリティエンジニアの需要は今後高まり、求人数も増加していくと予測されています。
2:年齢問わず需要は多い
セキュリティエンジニアは、情報セキュリティを扱うためIT業務の中でも高度な技術が必要とされており、同時に人材を急速に増やすことが難しい職業であるともされています。
そのため、現在あらゆる世代における人材獲得競争が過熱しており、高度な技術を持っているセキュリティエンジニアの需要は各世代で需要があると言われています。
3:政府関係もエンジニアの育成を推進
いくらIT技術を持っていても、それを目に見える形で示せなければ、就職には結びつきません。雇用者側も応募条件として資格保持を掲げることで、基準を満たしている人から選べます。
IT時代において、高度な技術を要するエンジニア育成を政府も推進しています。たとえば、情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験などの試験の実施です。
さらに、政府はインドやフィリピンなどアジア12カ国で試験制度と相互認証を行ったり、アジアにおける情報処理技術者試験の普及、IT人材育成やITスキル標準の導入等の支援を行ったりもしています。
また、若手のIT人材発掘のために「U-22プログラミング・コンテスト」を行うなど、エンジニアの育成に積極的に動いています。
出典:IT人材の育成|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/index.html
4:セキュリティ事案は巧妙化・増加傾向
スマートフォンで簡単に決済できるシステムができたことで、日々の生活は便利になりました。しかし、乗っ取りや不正利用といったセキュリティ事案は巧妙化、発生件数も増加傾向にあるとされています。
そのため同時にセキュリティ強化対策を検討していく企業も増えていくでしょう。このままさらにIT産業が発展していくならば、セキュリティエンジニアの需要は増加し、求人数も増えていくと予想されています。
セキュリティエンジニアの年収事情4つ
さて、ここまで「セキュリティエンジニアは将来性がある」と解説しましたが、セキュリティエンジニアの年収はどれほどなのでしょうか。
セキュリティエンジニア全体の平均年収は約560万円ですが、労働形態や所属企業によって差があります。4つのケースをあげながら紹介していきます。
- フリーランスの場合
- 会社員の場合
- ハイレベルな資格を所持している場合
- 未経験で転職した場合の年収
1:フリーランスの場合
フリーランスは、会社や組織に所属することなく個人で仕事を請け負う働き方です。やりたい仕事を選んでできる反面、仕事がなければ収入がゼロという安定が難しい働き方とも言えるでしょう。
自分自身をプロデュースして仕事を請け負うため、年収は自分のスキル次第です。セキュリティに関する案件の月額報酬は約60万円〜80万円と言われています。年収で言うと、約720万円〜1,000万円と考えて良いでしょう。
エージェントで紹介される案件を見てみると、経験1~2年程度であれば、月単価が約40~50万円、それ以下の場合だと月単価は約30万円となっています。
2:会社員の場合
会社に所属するセキュリティエンジニアの平均は、先ほど紹介した全国平均年収560万円前後推移しています。しかしながら、国内企業と外資系企業ではその年収にも差がありますので、それぞれ紹介していきます。
国内企業
国内企業のセキュリティエンジニアの場合、平均年収は約560万円です。この金額は所有する資格や経験によって多少前後し、地域によっても差があります。
プログラマーやシステムエンジニアの平均年収約500万円と比較すると、それよりも高い水準であると言えるでしょう。
外資系企業
外資系企業のセキュリティエンジニアの場合、国内企業よりも年収が高い傾向にあります。国内企業が約560万円であるのに比べ、外資系企業の平均年収は約800万円とされています。
これは、海外におけるエンジニア職が高度な知識を有する専門職として見なされていることに起因しているためです。
3:ハイレベルな資格を所持している場合
セキュリティエンジニアになるために資格は必要ありませんが、ハイレベルな資格を持っていると年収が高くなる傾向にあります。
資格取得の理由として、知識やスキルを客観的に証明できることにあります。難易度の高い資格を持っていれば、希少価値が上がりやすいため、「自分しかできない仕事」を受け持つことで年収アップにつながるでしょう。
4:未経験で転職した場合の年収
未経験でセキュリティエンジニアとして転職した場合、先ほど紹介した平均年収に到達するまでに時間がかかります。どの分野においても知識や経験豊富なほうが有利になると言われています。
また、複雑なシステムを理解し使いこなすまでには時間がかかります。そのため、未経験の場合、年収が低い傾向にあります。
セキュリティエンジニアが年収をアップするための方法7選
ここまで、セキュリティエンジニアの年収事情についてご紹介しました。需要が高いことに加えて年収がアップするのであれば、「目指してみたい」「転職したい」と考えた方も多いのではないでしょうか。
さてここからは、セキュリティエンジニアが年収をアップするための方法について解説します。
- 実務経験を積んで独立する
- 常に新しいスキルを身につける努力をする
- 上流工程の経験を積む
- ホワイトハッカーになる
- セキュリティコンサルタントになる
- 大手企業や外資系企業で働く
- 海外で働く
1:実務経験を積んで独立する
セキュリティエンジニアとして年収をアップさせるためには実務経験を積むといいでしょう。所属している会社や組織でセキュリティ業務の経験を積めば、それは経歴となります。
そして、実務経験を積んだうえで独立すれば、案件を獲得しやすくなるでしょう。また、独立後に獲得する案件は報酬を自分で設定できる場合もあるので、年収アップにつなげられます。
2:常に新しいスキルを身につける努力をする
ITは日々進化しており、サイバー攻撃も例外ではありません。それに伴い、セキュリティ技術も最新のものが出てきます。そのため、セキュリティエンジニアとして日頃から新しいスキルを身につける姿勢が必要でしょう。
サイバー攻撃は、いつどのようにやってくるかわかりません。最新のスキルを身につけ、会社の情報を守る体制を作りあげることで、自分の価値が上がり年収アップにつながります。
3:上流工程の経験を積む
上流工程とは、システム開発する際に要件定義から計画立案まで行うプロセスのことです。どのようなセキュリティを求めているのかをヒアリングしたうえで、要件をまとめます。その後、システム構成や構造を管理します。
このシステム設計まで行うためには、相手がどのようなものを求めているのかという意向を汲み取ることが必要でしょう。そのために上流工程の経験を多く積みます。
つまり相手とのコミュニケーションをうまく取り、満足してもらえるセキュリティのシステム構成を提案する上流工程の経験を増やすことで、仕事が増え年収アップにつながりやすいでしょう。
4:ホワイトハッカーになる
通常のハッカーとは違い、ホワイトハッカーは、自分の知識やスキルを善良な目的に使う人を指します。
ホワイトハッカーの勤め先はIT企業と思われがちですが、昨今の情勢から民間企業や官公庁なども積極的に採用する動きがあるとされています。
ホワイトハッカーとして仕事をするための資格というものはありませんが「情報処理安全確保支援士」などの国家資格を取得しているといいでしょう。
なぜなら、情報セキュリティに関する幅広い知識や高度な技術力が証明できるからです。高度なIT知識を有するホワイトハッカーとして採用されれば、貴重な人材として扱われるため、年収のアップにつながりやすいとされています。
5:セキュリティコンサルタントになる
セキュリティコンサルタントとは、会社が抱える情報セキュリティに関する問題を解決に導く業務を担います。
サイバー攻撃を受ければ、会社の信用問題に直結する問題になる可能性があります。そのため各企業は情報セキュリティの強化を重点課題にしています。
セキュリティコンサルタントになり、企業の経営戦略を踏まえつつ情報セキュリティに関する提案という高度な仕事をすることで、年収アップにつながるでしょう。
6:大手企業や外資系企業で働く
大手企業や外資系企業であれば、セキュリティエンジニアの需要・業務量ともに高く、その社会的地位も認められやすい傾向にあります。そのため、業務に見合った収入を得られるでしょう。
7:海外で働く
セキュリティエンジニアとして海外で働くのも年収アップの方法の一つです。社会的に地位が認められやすいアメリカなどであれば、それに応じて収入も高くなる傾向にあります。
なぜならアメリカでは、大学や大学院でコンピューターサイエンスに精通している専門家であるという位置づけとされているためです。
海外のセキュリティエンジニアと肩を並べて働くためには、同等以上の知識やスキル、加えて語学力を兼ね備えておくと良いでしょう。
セキュリティエンジニアが必要とされる分野5つ
セキュリティエンジニアとして働く場合、どのような分野の企業からの需要が多いかご存知でしょうか。
ここでは、セキュリティエンジニアが必要とされる分野を5つご紹介します。就職・転職先選びの参考にしてみてください。
- 企業の機密情報を多く扱う商社系
- 顧客の財産を扱う金融系
- 情報セキュリティの相談を受けるコンサル系
- 関わる企業や消費者の数が多いインフラ系
- 社外秘の技術や情報が多いメーカー系
1:企業の機密情報を多く扱う商社系
商社仕事は、売り手と買い手を結びつけるのが主な仕事です。幅広くさまざまな材料や商品の仲介をしたり、新たな物流のネットワークを構築したりします。
そのような業務では、企業の機密情報を多く扱うため、情報セキュリティは万全に近い状態に保つ必要があります。
2:顧客の財産を扱う金融系
銀行や証券会社など、顧客の財産を扱う金融系企業は、サイバー攻撃に関して目を光らせています。
サイバー攻撃によって、顧客情報が流出してしまうと、個人情報が悪用されてしまうほか、その金融企業の信用問題にもつながります。
金融系企業はサイバーセキュリティ強化ができるセキュリティエンジニアを必要としているため、転職先として選ぶのもおすすめです。
3:情報セキュリティの相談を受けるコンサル系
コンサル系というのは、「コンサルタント」つまり助言や指導を行う専門家を指します。企業から情報セキュリティに関する相談を受け、それに対し助言や指導を行います。
このコンサル系企業は、情報セキュリティに関するスペシャリストを揃えることで業務が成り立っています。そのため、このようなコンサル系企業に所属するのもおすすめです。
4:関わる企業や消費者の数が多いインフラ系
インフラ系企業は、通信・ガス・電気などを扱いますが、多くの顧客対応のためにインフラエンジニアが必要となります。
インフラエンジニアは、セキュリティエンジニアの職域とITインフラに対するセキュリティの実装という点でスキルが重なる面があり、業務しながら経験を積むことも可能でしょう。
そのため、インフラエンジニアで経験を積みながらスキル不足を補い、セキュリティエンジニアにキャリアチェンジするというのも一つの方法と言えるでしょう。
5:社外秘の技術や情報が多いメーカー系
メーカー系と言えば、新製品や新技術など同業他社に漏れてはいけない社外秘情報を扱います。そのため、社内外を問わずセキュリティレベルを高い水準に保つ必要があります。
セキュリティエンジニアに転職するためのポイント4つ
セキュリティエンジニアは、さまざまな業界に需要があり、なおかつ年収も期待できるでしょう。ここからは、実際に転職するためのポイントについてご紹介します。そのポイントは4つあります。
- 20代~30代前半のうちに中途採用の求人に応募する
- IT技術者としてスキルを身につけてキャリアアップする
- セキュリティエンジニアとして必要なスキルを身につける
- 大学などで専門的な知識を学ぶ
1:20代~30代前半のうちに中途採用の求人に応募する
転職ポイントとして、30代前半を目安に中途採用の求人に応募するといいでしょう。
冒頭でセキュリティエンジニアについて、年齢を問わず需要があるとご紹介しましたが、年齢が上がるにつれて、企業側が求める条件もより高度なものになる傾向があります。
つまり、年齢が上がれば上がるほど、知識やスキルだけではなくマネジメント経験やより高い専門性を求められるでしょう。
さらに、社会人として長く業務していると、ワークスタイルが確立しつつあります。そのため、自分のワークスタイルと転職先の求める働き方とのすり合わせも難しくなりがちです。
したがって、まだワークスタイルを固めすぎていない20代〜30代前半に中途採用の求人に応募すると転職を有利に進めやすくなるでしょう。
2:IT技術者としてスキルを身につけてキャリアアップする
IT技術者としてのスキルを身につけて、キャリアアップを狙うのもおすすめです。IT技術と一口に言っても、全般を担当することもあれば、テストや設計を専門に担当する案件などさまざまです。
サーバーやインフラ、ネットワークに関する知識が必要になると同時に、情報システム全般を知っているエンジニアは重宝されるでしょう。また、クラウドに関する知識やスキルを持っているエンジニア人材も今後需要が高まると言われています。
3:セキュリティエンジニアとして必要なスキルを身につける
必要なスキルを身につけていなければセキュリティエンジニアとして業務を遂行できないでしょう。
現在社会人として働いている方であれば、働きながら独学で必要なスキルを身につけるのも一つの方法です。より高度なスキルを身につければ、転職する際有利に進めやすくなるでしょう。
4:大学などで専門的な知識を学ぶ
知識や専門スキルを身につけるために、大学などの専門の教育機関で学ぶという方法もあります。
IT専門の担当講師が教えてくれるので、疑問や不明点を解決しやすい環境であると言えるでしょう。また、さまざまなカリキュラムが設定されている場合、習得したいものを選択できます。
教育機関で学ぶには費用はかかりますが、自分への先行投資として捉えるのも良いでしょう。
セキュリティエンジニアを目指すために取得したい資格3選
セキュリティエンジニアを目指すために、取得しておきたい資格を3つピックアップして紹介します。資格を取得しておけば、クライアントや転職先にプロフィールとして提示でき、何より自分の実力把握にも役立つでしょう。
- 情報処理安全確保支援士試験
- シスコ技術者認定
- 情報セキュリティマネジメント試験
1:情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティ分野の国家資格です。春と秋の年2回試験が行われており、合格すれば経済産業省の認定が受けられます。セキュリティ関連の資格としては上位クラスとされているため、就職や転職の際のアピールに役立つでしょう。
出典:情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験|IPA
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sc.html
2:シスコ技術者認定
シスコ技術者認定は、Cisco Systems G.K.が提供しています。いくつかのレベルがあり、上位レベルのエキスパートは、世界中で認められていると言われています。
Cisco Systems G.K.はネットワーク機器の大手とされ、その製品を扱うための知識や技術を認定するものになります。取得することで、シスコ製品でのセキュリティ対策のスキルや知識が深まるでしょう。
3:情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、国家試験「情報処理技術者試験」の新たな試験区分として創設された試験です。情報セキュリティマネジメントを担う人材育成の推進のため、基本的なスキルを認定する試験となっています。
出典:情報セキュリティマネジメント試験とは|IPA
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/sg/about.html
高いスキルを身につけてセキュリティエンジニアの年収アップを目指そう
いかがでしたか。セキュリティエンジニアについておわかりいただけたのではないでしょうか。
資格取得を含め高いスキルを身につけることで、年収アップが見込めることもモチベーションアップにつながったことでしょう。
資格習得を視野に入れて、より求められるセキュリティエンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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