SREの業務内容とは?DevOpstとの違いやエラーバジェットも説明
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SREって何?
SREは「Site Reliability Engineering」の略で、Googleが提唱したエンジニアの役割です。システムの構築や運用を行うための方法論であり、システムの信頼性に重きを置いています。
回復力の高い分散システムに対して使われることが多く、ソフトウェア・エンジニアリングの複数の原則から成立しています。
この記事では、SREについて解説します。
トイルとは
トイルとは人の手によって繰り返し行われている、自動化の余地がある作業のことを指します。SREはこのトイルを削減することで、人間が行う作業を減らす試みがなされています。
作業を減らした分はイノベーションの時間にあてることで、より生産的な活動を行えるようになります。
DevOpsとの違い
SREのDevOpsとの違いは、アプローチの仕方であると言えます。DevOpsは開発を意味する「Dev」と運用を意味する「Ops」がお互い支え合うように行う方法論です。
計画を立てて開発と運用が相互に作用し合うDevOpsと、作業を効率化させる手段を模索するSREは、それぞれ「何をするか」と「どのようにするか」という違いがあると言えるでしょう。
SREの業務内容5つ
SREの業務内容にはさまざまなものが存在します。作業効率の向上やシステム面の安全確保などの役割を担っており、SREは重要な業務であると言えるでしょう。
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SREの業務内容について、具体的に5つ紹介します。
- 手作業だったタスクの自動化
- エラーの低減
- エラーバジェットの設定
- 運用テストの実施と検証
- 課題の発見と解決
1:手作業だったタスクの自動化
SREの業務内容の1つとして、手作業だったタスクの自動化が挙げられます。上述のトイルのように、エンジニアとしての作業の中には余分な手作業が存在します。
SREは何が余分かを分析することで手作業を減らし、その分手の空いた人々にイノベーションの時間を提供します。
2:エラーの低減
エラーの低減を行い、リリースされたサービスなどが問題なく運用できるようにすることも、SREの業務内容です。
たとえばサービスの中に何かしらのバグがあったとしても、サービス全体が機能するように調整するなどの役割をSREが担っています。
SLI
SLIは「サービスレベル指標」の略称で、システムのプローブが成功した頻度を指します。つまり、サービスがどの程度問題なく動作しているかについて分析するシステムです。
SLIが低い場合は、サービスがまともに機能していないということになるため、修復が必要になります。
SLO
SLOは「サービスレベル目標」の略称で、サービスが問題なく機能している基準のことを指します。SLIがSLOを下回っている場合、サービスが正常に動作していないという扱いになります。
サービスの信頼性を確保しつつ、コストがかからないちょうどいいラインを模索する基準となります。
3:エラーバジェットの設定
SREの業務として、ユーザーの忍耐度を測るエラーバジェットの設定があります。 エラーバジェットは、エラーの量に対してユーザーが不満を感じることが予想される基準値のことです。
ユーザーがどの程度エラーを許容できるかについて分析することで、満足度をキープできるようにすることが、エラーバジェットを設定する理由であると言えます。
4:運用テストの実施と検証
サービス運用の土台となる運用テストの実施と検証もSREの業務の1つです。前述の基準を元に運用テストを行い、サービスのパフォーマンスを向上させる役割を担っています。
5:課題の発見と解決
SREの重要な業務として、課題の発見と解決が存在します。前述の基準やテストを参考に、サービスを運用するにあたっての問題点を発見します。
その上で、あぶり出した課題を解決することでサービスが運用できるようにします。このようにSREは、サービスが運用できるようにシステムを支える役割も担います。
SREに必要な能力5つ
SREは、サービス運用において重要な役割を担っていると言えます。そのため、SREには必要とされる能力も複数存在します。
SREの業務を行うにあたって、何を身につけておくべきかについてあらかじめ知っておく必要があります。SREに必要な能力を5つ、解説します。
- コミュニケーション能力
- セキュリティ知識
- ネットワークやミドルウェアに関する知識
- クラウドに関する知識
- プログラミング技術
1:コミュニケーション能力
SREの業務を行うにあたって、必要となるのがコミュニケーション能力です。SREの仕事は、主にチームを組んで行います。チーム同士の連携が上手く取れなければ、業務を円滑に行えないでしょう。
そのため技術力だけではなく、チーム同士で連携するためのコミュニケーション能力が必要になり、自分の意見を伝える能力がSREの業務には求められます。
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2:セキュリティ知識
SREの業務においてセキュリティ知識も必要となります。システムサービスをリリースすることは、多くの人々からのアクセスを受けることを意味します。
それだけ外部からのサイバー攻撃を受けるリスクも高まるため、セキュリティを強化しておかなければ、サービスの質に関わる恐れがあります。SREの仕事には、セキュリティ知識が必要と言えるでしょう。
3:ネットワークやミドルウェアに関する知識
ネットワークやミドルウェアに関する知識も、SREの業務に求められるでしょう。ミドルウェアは各種サーバーに機能を提供し、特徴づけるソフトウェアを指します。
ネットワークとミドルウェアについて知らなければサーバーを動かせないため、必要な知識であると言えるでしょう。
4:クラウドに関する知識
SREの業務を行う際に、クラウドに関する知識は必要な能力として身につけておいたほうが良いでしょう。ネットワークを通じて提供するサービスを、クラウドサービスと言います。
クラウドサービスを利用する企業は増え続けており、ニーズの高いジャンルとされています。多くの顧客を確保して、事業を拡大してゆくためにも、クラウド知識はSREの仕事に求められています。
5:プログラミング技術
プログラミング技術は、SREの業務を行うにあたって必要な能力であると言えるでしょう。SREはサービスを提供するにあたって、不具合などを可能な限り低減させていかなければなりません。
そのため各種プログラミング技術は、多く身につけておかなければならない能力であると言えます。さまざまな種類のプログラミング技術を身につけていれば、それだけ仕事の幅も広がるでしょう。
>> 効率のいいプログラミングの勉強法とは?言語別やツール別に分けて紹介
組織におけるSREの立ち上げ方5ステップ
SREを行うことにより、システムサービスを構築する際の手順は大幅に改善され、バグを低減できます。しかしSREは、すぐに立ち上げられるわけではありません。
SREを立ち上げるためには、事前に準備を行なって然るべきステップを踏む必要があります。組織におけるSREの立ち上げ方について、具体的に5ステップ説明します。
- SRE導入のメリットを社内共有する
- ロードマップを見直す
- 現状の課題を洗い出す
- SLIとSLOの目標値を決める
- システム安定化を促進する
1:SRE導入のメリットを社内共有する
まずSREを導入することでどのような結果が期待できるか、そのメリットについて社内で共有しましょう。
SREを導入するにあたっての最初の壁は、「周囲や上層部からの理解が得られていないこと」と「SREの導入を提案した当事者や、メンバーの熱量がキープできずに冷めてしまうこと」です。
熱量を保ち続けて最後のステップまで到達するためにも、SREを導入することで得られることについてはしっかりと共有しておくと良いでしょう。
2:ロードマップを見直す
次に、計画的にSREの導入を行うためにロードマップを見直します。SREが行うことは多岐に渡るため、一度に全てを実行することは難しいでしょう。
そのため、あらかじめロードマップをしっかりと組み、1つ1つ確実に実現させていきます。ロードマップに沿ってSREの導入を行うことで、少しずつ成功体験も増えていくため、上記の熱量をキープすることにも繋がるでしょう。
3:現状の課題を洗い出す
次は、SRE導入が失敗しないように現状の課題を洗い出します。SREが失敗してしまう原因として、「非現実な目標を立ててしまった」「人手や時間などのリソースが不足しており、コミット量が少ない」などが挙げられます。
そういった事態を防ぐためにも、修正すべき課題がないか洗い出し、SRE導入における問題点をクリアしておきましょう。
4:SLIとSLOの目標値を決める
SLIとSLOの目標値を決めましょう。上記の通りSLIとSLOの値は、サービスの質とコストのバランスを取るために必要とされます。適切なSLIとSLOの値を決めることで、コストを抑えつつ不具合を軽減させていきます。
5:システム安定化を促進する
最後は、システムの安定化を促進しましょう。安定した状態でサービスを提供することもSREの役割の一部です。
上記のようにトイルを減少させることにより、作業効率の向上やリソースの有効活用に繋がります。SREによりシステムを安定化させればさまざまなメリットを確保できるでしょう。
SREの仕事内容について理解を深めよう
SREの業務は、導入できればトイルを削減して人手の作業をイノベーションの時間に割くことができたり、システムサービスのコストとクオリティの両方を改善できたりと、さまざまなメリットが享受できるでしょう。
しかし同時にSREの導入は、確実にステップを踏みながら進めなければ失敗するリスクもあるため、慎重に導入を進めて、なおかつ組織内のモチベーションを保つなどの工夫が必要です。
また、SREの業務には必要な能力も複数存在し、仕事を行うにあたってあらかじめ何を身につけておくべきか知っておく必要があります。
SREの仕事内容について理解を深め、組織にSREを導入しましょう。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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