ゲーム業界の10の現状|向いている人の特徴やこれからの課題も解説
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ゲーム業界の歴史
ゲーム業界は業務用ゲームから家庭用ゲームへ、そして現在ではソーシャルゲームへと時代に沿って変化してきました。
1979年代にタイトーの業務用ビデオゲーム「スペースインベーダー」がヒットし、1980年代にはこれらの業務用ビデオゲームを中心としてゲーム業界が発展します。
また同時期に任天堂が「ファミリーコンピューター」を発売し大ヒット、家庭用ゲーム市場が誕生しました。
「スーパーファミコン」や1994年12月にソニーが発売した「プレイステーション」、2000年の「プレイステーション2」、2004年任天堂が発売した「ニンテンドーDS」や続く「Wii」「Nintendo Switch」など家庭用ゲームが次々と発売されヒットします。
2010年代になると携帯電話ゲーム市場が急速に拡大し、2013年にはスマートフォンゲーム市場が家庭用ゲーム市場の規模を超えたと言われています。
出典:スペースインベーダーの歴史|タイトー
参照:https://spaceinvaders.jp/history.html
代表的なゲーム業界の企業
家庭用ゲーム機では任天堂やソニー・インタラクティブエンタテインメント、Microsoftなどが代表的な企業として世界のゲーム媒体などを牽引しています。
また、PCではAppleやMicrosoft、モバイルではAppleやGoogleがハード会社として代表的です。
さらに、ゲーム開発をするゲーム会社ではセガサミーホールディングスやスクウェア・エニックス・ホールディングス、バンダイナムコ・ホールディングス、コナミ、カプコンなどが、モバイル系ゲーム会社ではディー・エヌ・エーやグリー、サイバーエージェント、KLab、コロプラ、クルーズなどが知られています。
ゲーム業界の10の現状
2020年、コロナウイルスにより世界情勢が大きく変わり、多くの企業が経済的ダメージを受ける中、伸びているのがゲーム業界です。
ここではゲーム業界の現状について解説します。
1:ゲーム市場規模は過去最大に拡大
2020年ゲーム市場は過去最大に拡大し、国内ゲーム市場は2兆円を突破しました。新型コロナウイルスによる外出自粛により、家庭用ゲーム機やソフトの売り上げが大きく増えたことが要因と考えられています。
2020年の国内ゲーム市場規模拡大に大きく貢献したと考えられる家庭用ゲーム機の中でも、オンライン市場が前年比でほぼ倍増していることが注目されます。
出典:『ファミ通ゲーム白書2021』が7月15日に刊行。2020年の世界ゲームコンテンツ市場は前年と比べ3割増しとなり、史上初の20兆円の大台を突破|株式会社KADOKAWA Game Linkage
参照:https://www.famitsu.com/news/202107/15227212.html
2:VRゲームを各社とも開発
2020年にfacebookが「Oculus Quest2」を発表し、これに適したVRソフトが次々とリリースされる予定です。また大手のゲーム企業が多額の資金調達をしていたり、VRゲーム会社の買収をしたりすることが相次いでいます。
VRゲームは様々な可能性を秘めているため、多くの企業が資金を投入し、VRゲームの開発・研究を進めてきました。
3:新型コロナウイルスの影響で需要増加
新型コロナウイルスの影響で外出を自粛する人が増え、これまでゲームをしなかった人もゲームをするようになり、家庭用ゲームの需要が増えました。
また、外出自粛でゲーム実況動画を見る人が増え、それをきっかけにゲームソフトを購入する人が増えたことも家庭用ゲーム市場の拡大に大きく関係していると言われています。
4:アプリやソーシャルゲームのダウンロード数が増加
新型コロナウイルスの影響により、リモートワークが推奨されて来ました。自由な時間が増加した人がゲームアプリや無料のソーシャルゲームをするようになり、ダウンロード数が増加しています。
ソフトを買いに行かなくても、スマートフォンから簡単にダウンロードでき、空き時間に手軽に遊べるため、自粛ムードの社会状況にマッチしたことがダウンロード数の増加につながったようです。
5:eスポーツが注目されている
eスポーツはビデオゲームやコンピューターゲームの対戦をスポーツに発展させたもので、近年メディアでもよく取り上げられるようになっています。
今後の更なる市場拡大が予想されるeスポーツが注目されており、2020年にはNTTドコモがeスポーツ界に参入しました。
国内外の様々なイベントでeスポーツの開催が検討されていて、これから特に注目の分野と言えるでしょう。
6:オンラインゲームがコミュニケーションの場として利用されている
様々なオンラインゲームがコミュニケーションの場として利用されています。
オンラインゲームでは別々の場所にいながらも、同じ場所にいるような気分を味わうことができ、今までゲームをしなかった人もオンラインゲームをコミュニケーションの場として楽しむようになりました。
今後もオンラインゲームを通じてコミュニケーションをとる人が増えていくと考えられています。
7:ゲーム業界もクラウド化が進んでいる
ゲーム業界もクラウド化が進んでおり、2019年にGoogleがリリースした「Stadia」をはじめ、2020年にはAmazonの「Luna」が情報公開され、2021年にはMicrosoftの「xCloud」が日本に導入される予定です。
これら大手IT企業に続いてfacebookもアプリやブラウザで遊べるクラウドストリーミングゲームを公開しています。
8:定額のサブスク型のゲームが登場
定額課金のサブスク型のサービスもゲーム業界に進出し、月額500円から600円程度で約100種類以上のゲームを楽しめます。
2020年にはXbox Games PassやPlayStation Nowの利用者が増え始め、モバイルゲームでもApple ArcadeやGoogle Play Passの他にGame Clubという企業が新たに参入しました。
9:ゲーム実況動画が人気
ゲーム実況動画を見る人が増えているのも、新型コロナウイルスの影響により家で過ごす時間が増えていることが原因と言えるでしょう。
YouTubeやTwitchなどで配信されるゲーム実況動画が人気となっています。ゲーム実況動画がきっかけでゲームソフトなどの購入が増加し、家庭用ゲーム市場が拡大したと考えられています。
10:ネットサービスが充実している次世代機が登場
2020年PlayStation 5とXbox Series Xというネットサービスが充実した次世代機が発売され、注目を集めました。
「Xbox Game Pass」をXbox Series Xと連携させれば、300以上のゲームが遊び放題になると言われています。
これら次世代機はゲーム業界の主流がクラウドゲームやサブスプ型ゲームに移行していく象徴になるでしょう。
ゲーム業界が抱える7つの課題
ゲーム業界に就職を考えているなら、ゲーム業界が抱えている課題についても知っておきたいところです。
ここでは、ゲーム業界が抱える7つの課題について見ていきましょう。
1:海外で通用するゲームを作れるか
日本は少子高齢化のため、海外市場を拡大していく必要があります。しかし、海外で根強い人気がある日本のゲームは少なくないにもかかわらず、海外市場は苦戦しており、かつてはシェア率を50%も誇った日本のゲームも、今や10%ほどに低下している状況です。
これは日本人と海外の人の嗜好や趣味が異なるため、日本人好みに作られたゲームでは海外の人の好みに沿わないためだと言われています。
日本人にも外国の人にも通用するようなゲームを作れるかどうかが今後の課題と言えるでしょう。
2:子どもや若者が減るこれからの時代に需要を拡大できるか
ゲーム業界を支えているのはゲームが好きな子どもや若者です。少子高齢化が進む中で、これからの時代にいかに需要を拡大できるかが大きな課題と言えるでしょう。
少子高齢化で国内のゲーム市場が縮小していくのは予想できます。これからの市場拡大のためには、若年層の多い海外に目を向けてアプローチしていくことが必要です。
3:女性スタッフがまだまだ少ない
ゲーマーのおよそ40%は女性と言われています。しかし、ゲーム業界の経営幹部の大半は男性が占めており、ゲームキャラクターなどは男性目線で作られている傾向にあります。
女性ゲーマーを満足させられるようなゲームを作るためには、女性スタッフを増やし、女性の視点を取り入れることが必要と言えるでしょう。
4:開発がリモートでもできるようになる必要がある
ゲーム業界ではリモートワークをすることで、クリエイターの生産性は上がったと言われています。
しかし、開発現場ではコミュニケーションを密にとってブラッシュアップする作業が必要だったり、意思決定や判断にスピードが求められる場面が多かったりするため、リモートワークだけでは不十分でしょう。
開発がリモートでもできるよう、どのように対応していくかが課題と言えるでしょう。
5:ソーシャルゲームの行き詰まり感
ソーシャルゲームは一時落ち込んだ日本のゲーム業界を再生させましたが、このソーシャルゲームの行き詰まり感が今後の課題となっています。
ソーシャルゲームは基本的に無料ですが、ユーザーが課金することで収益を上げる仕組みです。しかし課金システムにうんざりしているユーザーも続出して、ソーシャルゲームを離れていく人も少なくありません。
今後ユーザーが離れないようどのように対処していくのかが大きな課題と言えるでしょう。
6:VR技術に精通している技術者が足りていない
VRが進化していくことで、これからのゲーム業界は大きく変化していくでしょう。しかし、VR技術がまだそれほど普及していないこともあり、VR技術に精通している技術者が足りていないという現状があります。
VR技術に精通している技術者が少ないと、本格的なVRゲームは開発できません。今後どのようにして人材を育成していくかが課題と言えるでしょう。
7:全体的なエンジニアの人材不足
VR技術者が不足しているのと同様、全体的なエンジニア人材の不足も大きな課題と言えます。かつてのゲーム業界では、ゲームプログラマーの主な仕事は家庭用ゲームの開発でしたが、近年ではオンラインゲームやスマホゲームなど多種多様な技術が必要です。
しかし少子化にともない、若年層の人数が減少してエンジニアの人材不足が深刻になっています。優秀な人材を他の業界や海外企業と取り合うような状況にもなっているため、ゲーム業界が人材育成に取り組む必要があります。
ゲーム業界に向いている人
ゲーム業界に就職したいと考えている場合、自分がゲーム業界に向いているかどうか知りたい人も多いのではないでしょうか。
>> ゲームプログラマーになるためには?必要な技術や有効な資格試験も紹介
ここではゲーム業界に向いている人について見ていきましょう。
独自の発想を持っている人
ゲームが好きだからという理由でゲーム業界に就職したいと考える人が多いかもしれませんが、ゲーム業界はゲームをプレイするのが好きな人ではなくゲームを作るのが好きな人に適しています。
そのため、新しいものを作り出すのが好きだったり、表現することが好きだったり、自分独自の発想を持っていて、世の中へ今までにない新しいものを作り出せるような人が向いていると言えるでしょう。
世界的な視野で挑戦ができる人
ゲーム業界ではただおもしろいゲームを作って提供するのではなく、世界中のユーザーに感動を与えられるようなゲームを作り出す必要があります。
世界中のユーザーの多種多様な趣味嗜好や、技術の革新など変化に富んだゲーム業界において、世界で起きている変化を敏感に察知し、世界的な視野で挑戦できる人が向いていると言えるでしょう。
ゲーム業界にかかわる5つの仕事
ゲーム業界にかかわる仕事には、ゲームを企画する仕事やゲームを作る仕事、売る仕事など様々なものがあります。
>> ゲーム会社で活躍する42の職種|制作の流れや必要なスキルも解説
ここではゲーム業界にかかわる5つの仕事について見ていきましょう。
1:様々なデザイナー
ゲーム業界にかかわる仕事としてまず挙げられるのがデザイナーです。デザインと一口に言っても、キャラクターやその動きをデザインするゲームCGデザイン、ゲームを盛り上げる演出や視覚効果をデザインするエフェクトデザイン、UI/UXデザインなどがあります。
他にもプロダクトデザインやグラフィックデザインを行う職種など、ゲーム業界には様々なデザイナーがかかわっているのです。
2:企画制作者
企画制作者はゲームのアイデアを考える仕事です。ゲーム全体のルールや登場するキャラクター、シナリオや画面のレイアウトなど、ゲームの大まかな設定を作ります。
ゲームプランナーやゲームディレクター、ゲームプロデューサーなどがゲームの企画に携わる主な職種です。
3:コンポーザー
サウンド系の仕事もゲーム制作には欠かせません。サウンド系の仕事にはコンポーザーとサウンドデザイナーがあります。
コンポーザーはゲームのBGM作曲や編集、歌唱や楽器のレコーディングなど音楽的な演出を制作するのが主な仕事です。
4:開発系エンジニア
企画制作者が作った仕様書を元に、実際にゲームを開発していくのが開発系エンジニアです。ゲームシステムを構築したり、イベント画面の作成など、担当分野のプログラミングをします。
システムが問題なく動作するかのチェックや不具合・バグが生じたときは修正などをしてゲームを作り上げていくのが仕事です。
>> ゲームテスターの仕事内容とは?求められるスキルや役立つ資格を解説
>> ゲームプログラマーの年収っていくら?20代~60代までの収入を年齢別に紹介
大変な仕事ですが、たくさんの人が楽しむゲームを作れる、やりがいのある仕事でもあります。
5:プロモーションや営業
ゲームを作るだけがゲーム業界の仕事ではありません。作ったゲームを人々に知ってもらうためのプロモーションに関わる仕事や、ゲームをどのようにして販売するか販売戦略を考える仕事などがあります。
また、ゲーム販売店や流通本部などにゲームを扱ってもらえるよう働きかける営業の仕事も重要です。
作ったゲームが消費者の手に届くまでの業務に携わる事務系の仕事もたくさんあります。
ゲーム業界の現状と課題を知り就職に活かそう
ゲーム業界の現状と課題、向いている人の特徴などを紹介してきました。ゲーム業界は近年の新型コロナウイルスの影響で多くの企業がダメージを受ける中、ますます盛り上がっています。しかし一方で、課題も多くあるのが現状です。
ゲーム業界の現状と課題を知って、就職活動に活かしましょう。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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