未経験からネットワークエンジニアになるための方法|必要なスキルや資格も解説
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ネットワークエンジニアは未経験でもなれる?
IT業界は深刻なIT人材不足と言われており、未経験可の求人も多く出ています。未経験からネットワークエンジニアになることは可能ですが、正社員を目指すのか派遣社員などを目指すのかによっても転職の難易度が変わります。
正社員のネットワークエンジニアを目指す場合は、企業が求めている一定以上のスキルを保有している必要があります。派遣社員の場合は、正社員よりもハードルは低めですが、ある程度のネットワークエンジニアとしての知識やスキルが必要になるでしょう。
>> ネットワークエンジニアの将来性とは?今後のキャリアもあわせて紹介
ネットワークエンジニアの仕事内容
ネットワークエンジニアの仕事内容は、ネットワークシステムの設計、構築、保守、運用などを行うことです。
>> ネットワークエンジニアの主な仕事内容|やりがいや求められる知識・スキルを解説
ここからはネットワークエンジニアの仕事内容を、設計と構築・保守と運用にわけて解説していきます。
ネットワークの設計と構築
ネットワークエンジニアの仕事として、ネットワークの設計や構築があります。ネットワークの設計では、クライアントからヒアリングを行い、どのようなニーズがあるのかを抽出して要件定義を行います。
また、要件を満たすネットワークの構成やネットワーク機器の種類・数・スペック・回線などを決定します。ネットワークの構築では、設計時のスケジュールに沿ってネットワーク機器を設置し、ネットワークを構築していきます。
ネットワークの運用と保守
ネットワークエンジニアの仕事に、ネットワークの運用や保守があります。稼働したネットワークは、実際の運用状況を見て安定的な運用を実現するために設定や構成の変更を行うことになります。
また、ネットワークシステムにトラブルが発生した場合には、迅速にトラブルの原因を究明し、機器の交換などの適切な対応を行う必要があります。
3つの年代別で見る未経験からネットワークエンジニアになるための方法
ネットワークエンジニアは未経験からでも目指すことはできますが、転職希望者の年代によって転職の難易度が異なります。基本的に、年代が高くなるほど企業が求めるスキルが高くなるため、難易度が上がります。
ここからは20代、30代、40代それぞれの年代別で見る未経験からネットワークエンジニアになるための方法について解説していきます。
1:20代
20代の場合はまだ年齢が若いことから、未経験であっても将来性を重視したポテンシャル採用によって転職できるケースがあります。学校でプログラミングを学んでいた場合は、実務経験がなくても転職しやすいこともあるでしょう。
ただし、実際に転職を目指す場合はネットワークエンジニアに求められる知識やスキルを事前に身につけておくことも重要です。
2:30代
30代の場合は、20代よりも求められるレベルが上がるため、転職の難易度が高くなります。30代からは、エンジニアをまとめるリーダーの役割を求められることも多いため、未経験となると企業が求める人物像とのミスマッチも起こりやすくなります。
30代の場合は、まずはJavaやPythonなどのプログラミングスキルを基礎から学びましょう。需要の高いプログラミング言語を扱えれば、転職が有利になる可能性があります。
3:40代
40代の場合は、企業がネットワークエンジニアとして即戦力になることを期待しているため、未経験からの転職の難易度は高いです。
40代でネットワークエンジニアを目指す場合は、30代と同様に基礎からプログラミングを学ぶだけでなく、ネットワークの保守運用に関するスキルを身につけておくことが大切です。
また、40代は管理職としての役割も期待されるため、マネジメントスキルを身につけておくと転職に成功しやすくなるでしょう。
ネットワークエンジニアになるために必要なスキル7つ
未経験からネットワークエンジニアを目指すには、求められるスキルを事前に身につけておくことが大切です。ネットワークエンジニアに求められるスキルには、プロジェクトのマネジメントスキルやTCP/IPを扱えるスキルなどが挙げられます。
ここからは、ネットワークエンジニアになるために必要なスキルを紹介します。
1:プロジェクトのマネジメントスキル
年齢層の高い転職希望者の場合は、プロジェクトのマネジメントスキルが必要になります。前述のとおり、40代でネットワークエンジニアに転職すると、企業からマネジメント業務を期待されることが多いでしょう。
たとえネットワークエンジニアの仕事が未経験でも、マネジメントスキルを培うことはできます。
2:TCP/IPを扱えるスキル
TCP/IPとは、インターネットを含めたコンピューターネットワークで標準的に利用されている通信プロトコルのことです。
通信プロトコルとは通信を行う際の取り決めや手順のことで、TCP/IPは現在のインターネットやイントラネットで一般的に利用されています。
ネットワークエンジニアは、ネットワークシステムに関する業務を中心に行うため、通信プロトコルであるTCP/IPを扱うスキルが必須となります。
3:論理的に物事を考える力
ネットワークエンジニアに限らず、エンジニア職には論理的に物事を考える力が求められます。
ネットワークエンジニアには、クライアントの要件をまとめて最適なネットワーク設計を行うことが求められるため、論理的に物事を考える能力が重要になるでしょう。
4:サーバーの基本知識
ネットワークに直接関係しているわけではありませんが、ネットワークエンジニアにはサーバーの基本知識も必要とされます。ネットワークを構成するWebサーバーやアプリケーションサーバーに関する知識も学んでおきましょう。
5:LAN・WANに関する知識
ネットワークには、社内など限定的な範囲を接続するLANとインターネットを代表とするWANがあります。ネットワークエンジニアとしてネットワークの設計や構築する以上、LANやWANに関する知識は必須となります。
基本的に、ネットワークを構築する際にはLANを使用しますが、ネットワークエンジニアの基本的なスキルとしてWANも習得しておくようにしましょう。
6:円滑なコミュニケーションを取れるスキル
ネットワークエンジニアは、クライアントのネットワークの設計を行うためにまずはヒアリングを行うことになります。そのため、クライアントのニーズを正確に引き出すための円滑にコミュニケーションを取れるスキルが必要です。
>> エンジニアの上手なコミュニケーションの取り方14選|必要とされる要素とは
また、ネットワーク機器を設置してネットワークの構築を行う際には、さまざまなメンバーと協力して作業を行うことになるため、コミュニケーション能力が重要だと言えるでしょう。
7:スキルを磨こうとする勤勉さ
ここまで紹介したとおり、ネットワークエンジニアの仕事はネットワークの設計から構築、保守運用に至るまですべてに関わる仕事であるため、求められるスキルも幅広いです。
このことから、ネットワークエンジニアには積極的にスキルを磨く勤勉さが必要になると言えるでしょう。
未経験者がネットワークエンジニアになるための5つのポイント
未経験からネットワークエンジニアを目指す場合には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ポイントを押さえて転職活動を行うことで、ネットワークエンジニアへの転職も成功しやすくなるでしょう。
ここでは未経験者がネットワークエンジニアになるためのポイントを紹介していきます。
- 運用と保守の仕事から始める
- 履歴書でこれまでの経歴をアピールする
- 面接のマナーをもう一度確認しておく
- 研修制度のある会社を選ぶ
- まずは派遣から挑戦してみる
1:運用と保守の仕事から始める
ネットワークエンジニアの仕事には、幅広い知識が必要とされます。特に、上流工程の業務は初心者には難しいため、未経験からネットワークエンジニアに転職する場合は、まず運用保守の業務から始めるようにしましょう。
運用や保守の業務を通じてネットワークエンジニアに必要な知識やスキルを身につけたら、ネットワークの構築業務にステップアップしていきましょう。
2:履歴書でこれまでの経歴をアピールする
未経験者の場合、スキルや実績をアピールすることができません。そのため、ネットワークエンジニアの業務に活かせるようなこれまでの経験を履歴書に記載してアピールするようにしましょう。
たとえば、マネジメント経験がある人材は需要が高いため、積極的にアピールすると良いでしょう。
3:面接のマナーをもう一度確認しておく
転職活動はそう頻繁に行うものではないため、就職活動時に覚えた面接のマナーを忘れているという方も多いでしょう。面接の前に改めてマナーを確認しておくと安心です。
面接の際の挨拶や椅子の座り方、質疑応答の仕方、面接終了後の退室の仕方なども改めて確認しておきましょう。
4:研修制度のある会社を選ぶ
未経験可の求人を出している企業の中には、研修制度を整えている企業もあります。事前にしっかりと確認して、社内研修に十分な時間を掛けているような企業を探すようにしましょう。
5:まずは派遣から挑戦してみる
未経験からいきなり正社員を目指すのは難しいケースも多いです。そのため、まずは正社員よりもハードルの低い派遣社員から挑戦してみるのも良いでしょう。
派遣社員は、基本的に契約で決まっている業務のみをこなすことになるため、正社員よりも仕事の内容が簡単です。まずは派遣社員になり、スキルを身につけてから正社員を目指すのも良いでしょう。
ネットワークエンジニアになるために取得しておきたい資格5つ
ネットワークエンジニアには資格がなくても就くことができますが、資格を取ることで一定以上の知識やスキルを保有していることを証明できます。
>> ネットワークエンジニアにはどんな資格が必要?難易度や取得のメリットも紹介
未経験者は、基本情報技術者試験やシスコ技術者認定などの資格を取得しておくのがおすすめです。ここからは、ネットワークエンジニアになるために取得しておきたい資格を紹介していきます。
1:基本情報技術者試験
基本情報技術者試験とは、情報処理技術者に必要な知識を保有していることを証明できるIT系の国家資格です。
経済産業省が認定している情報処理技術者試験の1つで、スキルレベル2に相当します。試験範囲が広いため、基本情報技術者試験を通してセキュリティやデータベース、ネットワークなどのネットワークエンジニアに必要なIT知識全般を習得できます。
>> 基本情報技術者試験はどんな内容?勉強法や受験するメリットについても解説
出典:基本情報技術者試験(FE) | IPA
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
2:CCNP
CCNPはシスコ技術者認定のプロフェッショナルレベルの資格です。アメリカのネットワーク関連機器メーカーであるシスコシステムズが実施している資格試験で、CCNAよりもワンランク上位の資格となります。
CCNPはエンタープライズなネットワーキングソリューションのスキルを問うものです。取得することでネットワークエンジニアに有効な、大規模なネットワークの設計や構築、保守運用に関するスキルを証明することができるでしょう。
3:LPIC
LPICはLinuxエンジニアとしてのスキルを認定する試験です。世界共通の認定資格であり、Linuxに関する基礎知識を測るLPIC Essentialsや、LPIC-1、LPIC-2、LPIC-3といった3段階の資格が用意されています。
>> LPICの資格としての需要は?取得するメリットもあわせて解説
サーバーなどのIT機器はLinuxを利用しているケースも多いため、LPICを取得することでネットワークエンジニアに必要なLinuxのスキルを証明できるでしょう。
4:CCNA
CCNAはシスコ技術者認定におけるアソシエイトレベルの資格です。ネットワークの基礎やネットワークアクセス、IP接続といったシスコの基本知識について問われます。
シスコ技術者認定の資格をインフラエンジニアとしての業務に活かせるのは、CCNA以降と言われているため、取得する場合はCCNA取得から目指すと良いでしょう。
5:LinuC
Linux技術者認定「LinuC(リナック)」は、Linuxのスキルはもちろんのことクラウド/DX時代のITエンジニアに求められるシステム構築から運用管理に必要なスキルの保有を証明できる技術者認定です。LPI-JAPANが実施している認定で、レベルは1~3、そしてシステムアーキテクトの4段階となっています。
レベル1、レベル2はLinuxサーバーの構築と運用に関する知識、レベル3は仮想化・混在環境・セキュリティの各分野の最高レベルの知識、システムアーキテクトはシステムのライフサイクル全般を俯瞰して最適なアーキテクチャを設計・構築できる知識を保有していることを証明できます。ネットワークエンジニアの場合は、レベル2までの取得を目指すと良いでしょう。
ネットワークエンジニアの平均年収
企業の規模や地域にもよりますが、ネットワークエンジニアの平均年収は400万円半ば程度です。20代の場合は平均年収は300万円程度であるため、エンジニア職の中では平均年収は低い水準にあると言えます。
しかし個人のスキルや経験によって年収は大きく変わってくるため、キャリアを積むことによって年収を上げていくこともできるでしょう。
ネットワークエンジニアの将来性
現在、社会ではさまざまなサービスがネットワークを通じて提供されていることから、今後のネットワークエンジニアには将来性があると言えます。
ただし、これからのネットワークエンジニアにはクラウドに関する知識やスキルも求められるようになるでしょう。時代に合わせて必要なスキルを習得することが大切です。
未経験でもスキルを磨いてネットワークエンジニアに挑戦してみよう
ネットワークエンジニアを目指す場合は、幅広い知識やスキルを習得する必要があります。
本記事で紹介した未経験からネットワークエンジニアになるための方法や、ポイントなどを参考に必要な知識やスキルを身につけて、ネットワークエンジニアへの転職を成功させましょう。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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