アナリストとは?仕事内容や必要資格に何があるのか種類ごとに紹介
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アナリストとは
アナリストとは、本来「分析する人」といった意味の言葉です。特定の専門分野に詳しく、様々なデータを元に分析することで、情報を必要とする人にアドバイスを行う仕事を表します。
アナリストとは
アナリストを代表するものの1つに証券アナリストがあります。証券アナリストは企業の新製品開発や経営状態、さらには国際的な政治や経済の状況を分析し、株価を評価するということが仕事内容です。
証券アナリストの情報を元に証券会社が株価の変動を予測し、投資家はそれらの情報を参考に投資を行います。
将来性
今後の日本国内では賃金上昇が抑えられていき、さらに銀行の低金利も続くため、投資の需要が上昇するでしょう。
そのため、証券アナリストの需要が増えると期待されていますが、AIによる予測が行われることもあり、少なからず影響を受ける可能性も考えられています。
アナリストの3つの種類
先ほど紹介した「証券アナリスト」以外に、エンジニアの方々が目指す「データアナリスト」「システムアナリスト」「セキュリティアナリスト」といった仕事もあります。
それぞれの仕事に関して、仕事の内容や就職の方法、求められるスキルや知識、関連する資格について紹介していきます。
- データアナリストとは
- システムアナリストとは
- セキュリティアナリストとは
1:データアナリストとは
大量のデータを分析し、会社経営の課題である製品やサービスの改善を提案するのがデータアナリストの仕事です。
混同されがちな職種に「データサイエンティスト」が挙げられます。データサイエンティストも同じデータ分析を専門とする職種ですが、データサイエンティストはデータの分析モデルの開発や構築がメインである点が異なります。
仕事内容
データアナリストの仕事とは、大量のデータを保有するデータベースの中から相関関係やパターンを見つけるデータマイニングを行います。
その結果を現場での課題解決のためのコンサルタントとして活用するのが「コンサル型データアナリスト」です。働く場所としては、マーケティング会社などが挙げられます。
一方「エンジニア型データアナリスト」は、メディア運営会社やソーシャルゲーム会社において、ユーザーの行動の法則性を分析します。
>> データアナリストの仕事内容とは?必要なスキルやおすすめの資格も紹介
未経験者の転職の場合
未経験の方がデータアナリストへ転職するにはエンジニアとしてIT業界、AI開発やシステム開発、あるいはWeb関連の企業で活躍されてからの転職がスムーズでしょう。
データ分析の元となるビックデータを管理するためのシステムのメンテナンスを行うのはエンジニアの仕事であるため、エンジニアのキャリアが活かせます。
新卒で目指す場合
データアナリストの仕事とは、必要とされる技術的なスキルの高さから新卒で目指すのは難しく、新卒向け自体の求人が非常に少ない職種です。
新卒でデータアナリストを目指すにはプログラミングスキルが必要とされるため、プログラミングスクールに通い、Python、Rといったデータ解析で使われるプログラミング言語を習得すると良いでしょう。
さらに、データ分析系企業の長期インターンシップに参加するなど、興味がある会社に人脈を作り仕事の適性を確認しておくと、新卒でも目指しやすくなります。
求められるスキルと知識
前述したようにプログラミングのスキルは必須です。さらにデータ解析には統計学のスキルも必須となります。データ分析に使うデータの量は膨大なため、統計解析のスキルに加えSASといったデータ分析ツールが使えると役立ちます。
さらにコンサル型データアナリストの場合は、問題解決策を提示するためにマーケティングに関する知識や仮説思考も必要です。
関連資格
データアナリストは、統計学のスキルが必要ということから「統計検定」が関連資格と言えるでしょう。「統計検定」とは総務省が後援しており、4級から1級までのレベルがあります。
さらに、エンジニアの技術や知識を認定するのが「情報処理技術者試験」という国家試験です。「基本情報処理技術者試験」と「応用情報処理技術者試験」の2つがあります。
出典:情報処理技術者試験|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/
2:システムアナリストとは
システムアナリストは、情報システムの分析、評価を行う上級エンジニアです。システム開発の際にユーザーから業務内容や経営課題をヒアリングし、その解決策を提案していきます。
仕事内容
システムアナリストとは、コンサルタント、エンジニア、営業という3つの側面を持つ仕事です。
クライアントが現在使用中の情報システムに対して、クライアントの業務内容とそれに対する課題、要望などを含めてヒアリングを行いその解決策を提示するのがコンサルタントとしての役割です。
さらに、システム開発に対するエンジニアとしての役割があります。最後にクライアントの責任者に対しコミュニケーションするのが営業としての仕事です。
>> システムアナリストとは何か?4つの役割や将来性はあるか?を紹介
未経験からは難しい
システムアナリストとして活躍するには、まずエンジニアとしてのキャリアを積む必要があります。そのため、未経験からすぐに上級エンジニアとしての側面を持つシステムアナリストにはなれません。
エンジニアからキャリアを積み、その上位の職種である「ITコンサルタント」や「プロダクトマネージャー」を経験しシステムアナリストを目指すのがステップアップの道筋です。
求められるスキルと知識
システムアナリストに求められるスキルは、クライアントとのコミュニケーションを行う能力や、問題解決策としてのプレゼンテーションを行う能力です。
また、システムアナリストは幅広い分野のITに関する知識が必須といえるでしょう。
関連資格
システムアナリストの知識を問う試験としてシステムアナリスト試験がありました。現在では、上級システムアドミニストレータ試験との統合により「ITストラテジスト試験」が行われています。経営戦略を元にIT戦略を策定する専門家を対象とした資格試験です。
令和元年度の合格率は15.4%と、合格するのが難しい試験と言えます。
出典:情報処理技術者試験の現状と課題|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/shiken_wg/pdf/001_03_00.pdf
3:セキュリティアナリストとは
セキュリティアナリストは、情報セキュリティの専門家として、サイバー攻撃を受けた場合のトラブル対応や、攻撃手法の分析を行います。ネットワーク経由の情報漏洩など、様々な問題を解決するための高度な知識を持つ専門家です。
仕事内容
セキュリティアナリストの仕事内容には、サイバー攻撃を受けた際に攻撃手法を分析する、サイバー攻撃に関する最新情報を収集する、サイバー攻撃を受けないように環境整備を提案する、といった3つの側面があります。
クライアントの情報システムがサイバー攻撃を受けた時、被害を最小限に抑えるため素早い分析と対応を行います。サイバー攻撃を仕掛ける側のマルウェアの種類の解析を行い、対策を施すということです。
また、クライアントがサイバー攻撃を受けた時いち早く対応するためには、最新の情報を収集し備えておく必要があります。
さらに、クライアントのネットワーク環境からサイバー攻撃を受けやすい部分を洗い出し、予防方法や新しいソリューションの導入について提案を行うこともあります。
未経験からは難しい
サイバー攻撃に対する素早い対応が求められるということから、未経験からセキュリティアナリストをいきなり目指すのは難しいと言えます。
まずは、セキュリティエンジニアを目指し運用などの経験を積んでからのステップアップが望ましいでしょう。
求められるスキルと知識
セキュリティアナリストに求められる知識とは、TCP/IPなどのネットワークに関することや、コンピューターのOSによる脆弱性を把握するなどの知識です。
その上で、サイバー攻撃に対する仮説を立てながら安全なネットワークを造り上げる仮説立案力や注意力、マルウェアの解析を通じて攻撃者の意図を読み解くための洞察力も必要なスキルと言えるでしょう。
さらにセキュリティエンジニアとして、攻撃に合ったときの対応などの経験を積み顧客対応のスキルを身につけておくとよいでしょう。
関連資格
セキュリティアナリストに関連する資格としては、CISSPや情報処理安全確保支援士といったものが挙げられます。
CISSPとは、(ISC)² が情報セキュリティ・プロフェッショナルを認定するもので、国際的な資格です。認定要件には5年以上の実務経験も必要とされています。
情報処理安全確保支援士とは略称で登録セキスぺとも呼ばれる国家資格です。サイバーセキュリティ対策を行う企業の人材確保のために、2016年10月に誕生したもので令和元年度の合格率は19.1%と、合格するのが難しい試験と言えます。
出典:情報処理技術者試験の現状と課題|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/shiken_wg/pdf/001_03_00.pdf
アナリストの年収はどのくらい?
経済産業省が令和3年2月4日に発表した「我が国におけるIT人材の動向」によると、日本のIT人材の年収分布における平均値では、20代が413万円、30代が526万円、40代が646万円とされています。
企業規模やプロジェクトの大きさにもよりますが、上級エンジニアの職種であるデータアナリスト、システムアナリスト、セキュリティアナリストの年収はIT人材における平均値よりも高い傾向にあると考えられます。
出典:我が国におけるIT人材の動向|経済産業省
参照:https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/001_s01_00.pdf
様々な職場で活躍するアナリストに必要なスキルや資格について知ろう
ここまでデータアナリスト、システムアナリスト、セキュリティアナリストの仕事内容や必要なスキル、資格について紹介しました。アナリストは今後も需要が高い職種で、高い年収が見込めますが、いずれもいきなり未経験で目指すのは難しいでしょう。
アナリストへの就職や転職を検討している方は、この記事を参考に資格の勉強を続け現場での経験を積んでいきましょう。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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