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SIの意味や関連用語との違いとは?業界を目指すメリットやデメリットも解説

  • 公開日:2021-12-29 17:18:22
  • 最終更新日:2022-09-21 17:58:58
SIの意味や関連用語との違いとは?業界を目指すメリットやデメリットも解説

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システムインテグレーション(SI)とは?

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「システムインテグレーション(SI)」とは、コンピューターやソフトウェア、ネットワークなどを連携させることで部門などを超えて一体化し、利便性の高いシステムやサービスなどを構築することです。


ニーズに合わせてシステムの開発を行い、完成したシステムを実際に運用し、保守管理を行うというすべての工程をSIと呼びます。SIの例としては銀行のオンラインシステムなどがあります。

IT業界における国内のSIの現状

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欧米をはじめとした海外の場合は、自社の情報システム部で内製でのSIを行っているケースが多いです。しかし日本の場合、ITを本業としている企業を除いて、スピードの速いIT技術の発展に内製で対応することは難しい状態です。


そのため、日本ではほとんどのケースで自社のSIをSIerと呼ばれる企業にアウトソーシングしています。なお、SIerとはSIにerをつけた日本独自の造語で、SIを行う企業を指します。

SIを内製で行っている企業の特徴3つ

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前述のとおり、日本の場合は欧米と違ってSIを外部に発注するケースがほとんどです。しかし日本企業の中にも自社の情報システム部を充実させ、内製でSIを行っている企業も存在しています。


ただし、そういった企業はITや情報通信を本業として行っている企業に限られます。ここではSIを内製で行っている企業の特徴を紹介していきます。

  • 通信キャリア事業を行っている
  • 本業としている事業がITサービスである
  • ゲームを製作している

1:通信キャリア事業を行っている

通信キャリア事業を行っている企業の中には、自社でSIを行っている企業も多いです。たとえばNTT東日本、NTTdocomo、ソフトバンク、KDDIなどの通信キャリアの場合は、自社でノウハウを保有しています。


また、SIに対応できるエンジニアが多く在籍していることもあり、内製でSIを実施しているケースが多いです。

2:本業としている事業がITサービスである

ITを活用したサービスを本業としている企業の中には、自社でSIを行っている企業も多いです。内製でSIを行っているITサービスを本業としている企業の例とは、アマゾンジャパンや日本マイクロソフト、楽天などの企業が挙げられます。


このようなITサービスを本業としている企業の場合、そもそも自社のIT製品やプラットフォームなどは他社に知られてはいけない機密情報にあたります。そのため、ほとんどの場合内製でSIを実行しています。

3:ゲームを製作している

ゲームの開発を行っている企業の中には、自社でSIを行っている企業も多いです。ゲーム制作が本業であったり、ゲームの売り上げ比率が大きい企業の場合も内製でSIを行っていることが多いです。


たとえばサイバーエージェントやDeNA、コロプラなどが内製でSIを行っている企業例となります。

実際にSIが行われたシステムとは?

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実際のSIが行われたシステムの事例としては、銀行のオンラインシステムの事例が挙げられます。SIが行われる前は、銀行からお金を引き出したり預けたい場合、わざわざ自分が口座を持っている銀行の支店まで行く必要がありました。


しかし銀行のシステムでSIが行われることによって、現在では全国の支店やコンビニなどにあるATMを利用していつでもお金の出し入れができるようになっています。

Web関連のエンジニアとSIerのエンジニアとの働き方の違い

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Web関連の企業とは、Webサービスの開発や運用などを行うIT企業です。一方、SIerはクライアントの要望にマッチしたシステムの構築を行うIT企業を指します。


Web関連のエンジニアの場合、フレックスタイムやリモートワークなどを導入しているケースも多いため、比較的自由な働き方ができます。一方、SIerの場合はクライアントへの対応があるため、比較的固い職場であるケースが多いです。

SIerのエンジニアとWeb系エンジニアとの働き方の違いとは?

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SIerの場合は、大企業や官公庁などをクライアントにした仕事をすることができます。また、システム開発ではプロジェクトマネージャーの力が強いといった特徴があります。


一方、Web系エンジニアの場合は自社でWebサービスを開発し、リリースすることになるため、大きな組織を相手にして働くことはありません。

SIを専門とするSIerの種類4つ

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SIerと一言で言っても、その種類には「独立系」「ユーザー系」「メーカー系」「外資系」などの種類があります。SIerの種類によって仕事内容や給与面でも違いがあるため、種類ごとの特徴についても把握しておくと良いでしょう。

>> SIerの企業11社の売上と年収を紹介|構造や選び方もあわせて紹介

ここではSIを専門とするSIerの種類を紹介していきます。どのような違いがあるのか参考にしてみてください。

1:独立系の特徴

独立系のSIerとは、親会社を持たずに自社独自でSIを事業として行っているSIerを指します。後述するユーザー系やメーカー系のように親会社の情報システム部門が独立したのではなく、SIによって発展したのが独立系SIerです。


独立系はメーカーや商社などの情報システム部門に勤めていた人材が独立し、起業することで生まれた企業が多いです。独立系の場合は親会社が存在しないため、経営が自由であらゆる業界や企業に対してビジネスを行えます。


独立系SIerの例としては、大塚商会やトランスコスモスなどがあります。

2:ユーザー系の特徴

ユーザー系のSIerとは、商社や金融、製造などの企業を親会社とするSIerを指します。他の業界よりも急いでシステム開発を行わなければいけなかったこれらの大企業が、自社の情報システム部門を独立させる形でSIerとなった企業がユーザー系SIerです。


ユーザー系の場合、親会社からの発注を受けるため、収益が安定しているという特徴があります。ユーザー系SIerの例としては、NTTデータや野村総合研究所などがあります。

3:メーカー系の特徴

メーカー系のSIerとは、パソコンなどのハードウェア製造を行っているメーカーを親会社とするSIerを指します。メーカーの情報システム部門が独立する形でSIerとなった企業がメーカー系SIerです。


メーカー系の場合も親会社からの発注を受けるため、収益が安定しています。また、ハードウェアと組み合わせたソリューションの提案ができる点が強みです。


メーカー系SIerの例としては、日立ソリューションやNECソリューションイノベータなどがあります。

4:外資系の特徴

外資系のSIerとは、主に日本法人の存在するグローバル企業を指します。外資系SIerは世界中にグループ会社を持つ大企業が多く、日本で本国でのソリューションサービスを展開したり、システム開発を行ったりすることが主な事業です。


外資系SIerの例としては、IBMやOracleなどがあります。

SI業界を目指すメリット4つ

新聞を読む

SI業界にはメリットもあればデメリットもあります。そのため、SI業界への就職や転職を視野に入れている場合は、具体的にどのようなメリットやデメリットがあるのか把握しておくことが大切です。


ここではまずはSI業界を目指すメリットを紹介していきます。参考にしてみてください。

  • 多くのプロジェクトを担える
  • どの業界でも必要となるスキルを身に付けられる
  • 安定して仕事ができる
  • 未経験でも入社できる

1:多くのプロジェクトを担える

SIerではさまざまな企業がクライアントとなるため、SI業界で働くことで多くのプロジェクトに携われるようになります。特に元請けの大手のSIerであれば、大企業や官公庁、金融機関、医療機関などが依頼主の規模の大きなプロジェクトも担えるようになるでしょう。


また、プロジェクトの内容も社会的に貢献度が高いものも多いため、やりがいを感じながら仕事をすることができるでしょう。

2:どの業界でも必要となるスキルを身に付けられる

SIerでは一つのプロジェクトが完了すれば次のプロジェクトにアサインされることになります。プロジェクトのクライアントの業界も異なっているため、多くのプロジェクトに参加することで、あらゆる業界で必要となるスキルを身につけられるでしょう。


さまざまな業界のシステム開発に関わることができるのは、SI業界の大きなメリットだと言えます。

3:安定して仕事ができる

SI業界の企業は経営が安定しているケースも多いです。特にメーカー系やユーザー系などのSIerは、大手企業である親企業の案件を中心に受注することができます。


そのため、常に安定して案件を受注でき、収益も安定しているというメリットがあります。独立系のSIerであっても、大手企業の場合は高い年収が期待できるでしょう。

>> SIerの平均年収や収入アップのための方法|年齢別や企業別などから紹介

4:未経験でも入社できる

SI業界で働く人材はエンジニアだけではありません。特に大手のSIerの場合はクライアント企業との打ち合わせやマネジメントなどの業務が多くなるため、職種によっては専門的なITスキルがあまり求められないケースも多いです。


そのため、SI業界はエンジニア未経験でも入社できるチャンスがあります。未経験からSI業界を目指す場合は、コミュニケーションスキルなどのヒューマンスキルをアピールすると良いでしょう。

SI業界を目指すデメリット4つ

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ここまでSI業界を目指すメリットについて解説しましたが、SI業界にはSI業界特有のデメリットも存在しています。メリットとデメリットを比較することで、自分がSI業界に向いているかどうかもわかるようになるでしょう。


ここではSI業界を目指すデメリットを紹介していきます。参考にしてみてください。

  • 下流のSI事業は低収入である
  • 新技術に触れる機会がなくなる
  • プログラミング以外の業務も多い
  • 働き方に柔軟性がない

1:下流のSI事業は低収入である

前述のように、元請けの大手SIerの場合は経営が安定しているケースが多いです。しかし元請けのSIerから案件を受注するような下流のSIerの場合、中間マージンを抜かれてしまうため、収入もそれだけ減ってしまいます。


SI業界は多重下請け構造となっているため、下層になるほど単価が下がり、エンジニアの収入も減ってしまう傾向があります。

2:新技術に触れる機会がなくなる

SIerでは規模の大きいシステム開発のプロジェクトが多いですが、プロジェクトの規模が大きくなるほど古い技術を利用する傾向があります。


なぜなら、これまで多くの実績を持つ技術を使用した方が不具合が発生するリスクを抑えることができるためです。そのため、SIerで働く場合は新しい技術を学ぶ機会は少なくなってしまうでしょう。

3:プログラミング以外の業務も多い

前述のとおり、SIerではクライアント対応やプロジェクトマネジメントに携わる人も多いため、実際の業務ではプログラミングをほとんど行わないケースも多くあります。


また、大手のSIerの場合は上流工程のみを自社で行い、実装の工程は他のSIerに外注するケースも多いです。そのため、プログラミングスキルを磨くことが難しい可能性があります。

4:働き方に柔軟性がない

SIerではウォーターフォールモデルの開発が主流となっています。しかしウォーターフォール開発の場合、要件定義、設計、プログラミングと上流工程から下流工程へ順番に進めていくことになるため、プロジェクトの途中での仕様変更などを柔軟に行うことができません。


そのため、SI業界は時代に合っていないと言われることもあります。

SI業界が解決すべき課題5つ

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SIerにはデメリットもあるため、SI業界の将来性について疑問視する声もあります。それでは、今後のSI業界ではどのような課題があるのでしょうか。ここではSI業界が解決すべき課題について解説していきます。

1:SIerに支払うコストの高さ

SIerは多層構造になっているため、一つのプロジェクトに多くの企業が入ることになります。中間に入る企業すべてが収益を得ようとすることから、クライアント企業がSIerに支払うコストはどうしても高くなります。このような高コスト体質はSI業界の大きな課題だと言えるでしょう。

2:人手不足の慢性化

日本は少子高齢化の影響もあり、IT業界全体で慢性的な人手不足の状態となっています。そのため、SI業界でも人手不足の問題は大きな課題です。


後述しますが、SIerは労働環境が良くないというイメージもあるため、若手の人材が入ってきにくいという問題もあります。

3:多層構造化の問題

SI業界は多重下請け構造という問題を抱えています。多重下請け構造では、クライアントから直接案件を受注する元請けのSIerがあり、元請けのSIerから細分化された案件を受注する二次請け、三次請けといったような階層構造になっています。


多重下請け構造では下層になるほど単価が下がり、労働環境も悪化していくことから、SI業界には多層構造化への対処が求められています。

4:クラウド化への影響

近年ではシステムのクラウド化が進んでいます。そのため、従来のようにSIerに依頼して自社専用のシステムを開発するよりも、クラウド化の流れが主流となりつつあります。


このままクラウドサービスを利用する企業も増えていけば、これまでのようなSIerのビジネスモデルは成り立たなくなっていく可能性があります。

5:悪い労働環境

前述のとおり、多重下請け構造によって下層のSIerになるほど労働環境も悪くなっていきます。元請けから下請けへ割り振られていく過程で仕事内容も単調なものになっていき、スケジュールにも余裕がなくなっていきます。


劣悪な労働環境というイメージが新しい人材がSI業界に入ってこない原因にもなっているため、労働環境の改善は課題だと言えるでしょう。

SI業界へ就職・転職を目指すうえで重要なこと3つ

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SI業界に就職や転職をする場合には、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは最後に、SI業界へ就職・転職を目指すうえで重要なことについて解説していきます。

1:スキルアップを図り続ける意識を持つ

大手のSIerの場合、安定してプロジェクトを受注することができます。また、上流工程のみを担当するSIerの場合、実務ではプログラミングスキルを磨く機会が得られない可能性もあります。


そのため、SI業界で働く場合は、意識的にスキルアップを図り続ける意識を持つ必要があると言えるでしょう。

2:IT業界全体の流れを読む

未経験からSI業界への就職や転職を目指す場合は、IT業界全体の流れを読むことが大切です。就職や転職を成功させるには、企業への理解が重要なポイントになります。


特にSIerの場合は企業によっては労働環境が良くない可能性もあるため、業界全体の流れを読んで最適なSIerを選べるようにしましょう。

3:上流工程やマネジメントの経験を積む

前述のとおり、SIerの中には上流工程を自社で担当し、実装などの下流工程は外注する企業も多いです。そのため、SIerで働くうえで上流工程のスキルは重要になります。


また、SIerではプロジェクトマネジメントのスキルも重要とされます。そのため、上流工程やマネジメントの経験を積むことで、SI業界でも活躍できる人材になれるでしょう。

>> 上流工程を担ううえで必要とされる6つのスキル|システム開発で担う作業とは


高いマネジメントスキルを身につけることで、プロジェクトマネージャーとしてプロジェクトを管理することも可能になります。

>> プロジェクトマネージャが持つ4つの将来性|今後も需要は増える?

SIの意味と業界の特徴を知ろう

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システムインテグレーションとは、利便性の高い情報システムを提供することです。また、企業の情報システム構築を請け負う企業をSIerと呼びます。


ぜひ本記事で紹介したSIを専門とするSIerの種類やSI業界を目指すメリットやデメリット、SI業界が解決すべき課題などを参考に、SI業界について理解を深めたうえでSI業界への就職や転職を目指してみてはいかがでしょうか。


【著者】

【記事監修】山崎 裕(東京ITカレッジ講師)

東京ITカレッジで講師をしています。

Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。

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