サーバーサイドエンジニアになるための勉強とは?言語や資格についても紹介
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サーバーサイドエンジニアとは
サーバーサイドエンジニアは、WebアプリケーションやWebサービスなどのサーバーサイドの処理を担当するエンジニアのことです。
>> サーバーサイドエンジニアって何?仕事内容や必要とされる知識や能力を紹介
サーバーサイドエンジニアはサーバーで処理を行うプログラムの開発を行っており、データベースへのデータの登録や呼び出しといった処理を実装します。また、プログラムのメンテナンスやバージョンアップに関する対応なども行います。
バックエンドエンジニアとの違い
サーバーサイドエンジニアはWebアプリケーションやWebサイトなどのバックエンドを担当するため、バックエンドエンジニアと混同されるケースも多いです。
しかしバックエンドエンジニアは、主にWeb系のプログラム開発を行うエンジニアを指しています。
そのため、バックエンドエンジニアはWeb領域でのバックエンドを担当するエンジニア、サーバーサイドエンジニアはそれ以外の領域のバックエンドも担当するエンジニアだと言えるでしょう。
サーバーサイドエンジニアになるために勉強したい12のこと
サーバーサイドエンジニアはプログラムのバックエンド側の処理を担当することから、サーバーサイド言語やデータベースなどさまざまな知識が必要になります。
ここではサーバーサイドエンジニアになるために勉強したい12のポイントを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。
- サーバーサイド言語
- データベース関連の知識
- プロトコルの知識
- フロントエンドの基本
- プログラミングの基本
- フレームワークの利用方法
- セッション管理に関する知識
- ユーザー認証の技術
- Linuxの知識
- 実践的なアプリ開発
- コミュニケーション能力
- 問題発生時の解決能力
1:サーバーサイド言語
サーバーサイド言語とは、主にJava、PHP、Ruby、Perl、Go、Pythonなどのサーバーサイドの開発に用いられるプログラミング言語のことです。
サーバーサイドエンジニアはバックエンド側の開発を行うことが主な仕事となるため、サーバーサイド言語に関するスキルが必要になります。
サーバーサイド言語は「コンパイラ言語」と「インタプリタ言語」に分けることができるため、それぞれ解説していきます。
インタプリタ型言語
インタプリタ型言語とは、ソースコードを一行一行機械語に翻訳しながら実行していくプログラミング言語です。
インタプリタ型言語はコンパイラ言語に比べると速度が遅くなりますが、コンパイルしなくても実行できるため、検証やデバッグが簡単に行えます。インタプリタ型言語としてはPHP、Ruby、Python、Perlなどが代表的です。
コンパイラ型言語
コンパイラ型言語とは、ソースコードを一括で機械語に変換するプログラミング言語です。コンパイラ型言語はインタプリタ型言語よりも実行速度が速いですが、実行するためにはコンパイル処理を行う必要があります。
コンパイラ型言語としてはJava、C、C++などが代表的です。
2:データベース関連の知識
サーバーサイドエンジニアはデータベースに情報を保管したり、情報を抽出したりする処理の実装を行います。
たとえば、会員によってWebサービスの画面に表示する情報を変えるためには、データベースからそのユーザーの情報を引き出す必要があるでしょう。
>> おすすめのデータベースの種類10選|選び方やそれぞれの特徴を解説
また、入力された情報をデータベースに登録するためにも、MySQLやSQL Serverなどのデータベースを操作するスキルが必要になります。
3:プロトコルの知識
Web領域の開発を行う場合は、インターネット上での画像やテキストなどのデータ転送を行う通信プロトコルを扱うことになります。そのため、サーバーサイドエンジニアはプロトコルに関する知識も必要となります。
特にWeb開発を行う場合には、HTTP通信などの基本的な知識を押さえておきましょう。
4:フロントエンドの基本
フロントエンドとはWebアプリケーションなどのユーザーの目に見える部分のことを指します。本来であればフロントエンドはフロントエンドエンジニアの領域となるため、サーバーサイドエンジニアが担うことはありません。
>> フロントエンドとは?バックエンドとの違いや所得しておきたい知識紹介!
しかし小規模な企業の場合はサーバーサイドエンジニアがフロントエンドエンジニアを兼ねることもあるため、フロントエンドの基本も押さえておきましょう。
5:プログラミングの基本
サーバーサイドエンジニアはサーバーサイド言語を使ったプログラミングを行うため、プログラミングの基本も押さえておく必要があります。
また、前述のとおりフロントエンドの領域を担うこともあるため、HTMLやCSS、JavaScriptなどフロントエンドの言語を使ったプログラミングを行うこともあります。そのため、基本的なプログラミングスキルを習得しておきましょう。
>> 効率のいいプログラミングの勉強法とは?言語別やツール別に分けて紹介
6:フレームワークの利用方法
フレームワークとはさまざまな共通処理を再利用可能な形でまとめたプログラムの枠組みのことです。
フレームワークを利用することでアプリケーションなどの開発を効率的に行うことができるため、サーバーサイドエンジニアにはフレームワークの利用方法に関する知識が必要とされます。
>> プログラミング開発のおすすめフレームワーク18選|それぞれの特徴も解説
フレームワークは開発の土台となるもので、RubyのRuby on RailsやJavaScriptのReact.jsなどが有名です。
7:セッション管理に関する知識
Web固有の技術として、cookieを使用したセッション管理があります。サーバーサイドエンジニアはWeb領域の開発を行う際にセッション管理を利用することがあるため、セッション管理に関する知識も必要となります。
前述の通信プロトコルと合わせてセッション管理に関する知識も身につけておきましょう。
8:ユーザー認証の技術
Web固有の技術として、ユーザーを識別するためのシステムであるユーザー認証があります。サーバーサイドエンジニアとしてWeb領域の業務を行う際にはユーザー認証を扱うこともあるため、ユーザー認証についても押さえておくようにしましょう。
9:Linuxの知識
企業では開発環境用のOSとしてLinuxを採用しているケースが多いです。また、LinuxはサーバーOSとして採用されているケースも多いため、Linuxの知識を身につけるようにしましょう。
言語によっても異なりますが、たとえばサーバーサイド言語のRubyで開発を行う場合、仮想環境を構築してLinuxをインストールし、開発環境を構築することになります。
そのため、Linuxのインストールができなければ、開発環境の構築自体ができなくなってしまうでしょう。
10:実践的なアプリ開発
サーバーサイドエンジニアはサーバーサイドでのアプリ開発を行います。そのため、サーバーサイドエンジニアにはプログラミングのスキルだけでなく、実践的なアプリ開発のスキルが必要になります。
プログラミングスキルを身につけた後は、実際にアプリ開発にも挑戦してみましょう。一からアプリを開発してみることで、参考書だけではわからないことも理解できるようになります。
11:コミュニケーション能力
エンジニアとして仕事をする場合、チームで分業して作業を進めることになります。また、サーバーサイドエンジニアの場合は、フロントエンドエンジニアやインフラエンジニアと連携を取りながら仕事を行います。
そのため、コミュニケーション能力が必要になるでしょう。高いコミュニケーション能力があれば、関連部署とコミュニケーションを取りながら円滑に仕事を進められます。
>> エンジニアの上手なコミュニケーションの取り方14選|必要とされる要素とは
12:問題発生時の解決能力
サーバーサイドエンジニアとして実際に業務をしていると問題が発生することがあります。また、サーバーサイドエンジニアは顧客の個人情報などが含まれているデータベースを扱うことになるため、非常に責任重大な職種だと言えるでしょう。
そのため、サーバーサイドエンジニアには問題発生時に迅速な原因究明や対応を行う問題解決能力が求められます。
サーバーサイドエンジニアが勉強しておきたい5つの言語
前述のとおり、サーバーサイドエンジニアにはサーバーサイド言語などのプログラミング言語のスキルも必要とされます。ここではサーバーサイドエンジニアが勉強しておきたい言語を紹介していきます。
1:PHP
PHPはWeb開発に特化したインタプリタ型のプログラミング言語です。サーバーサイドのスクリプト言語で、Web開発以外で使用されることはほぼありません。
>> PHPとは?プログラミング初心者におすすめな理由と主な学習方法
Webサイトを構築できるCMSの「WordPress」にも使用されています。PHPはHTMLにタグを挿入するようにして利用できるため、HTMLやCSSの学習と並行して取得するのがおすすめです。
2:JavaScript
JavaScriptはWebページに動的な要素を付与できるプログラミング言語です。ブラウザ上で動作する言語で、Webサイトでのポップアップ表示やスライドショーなどを実装するために活用されることが多いです。
もともとはクライアントサイドでの処理を実装する言語ですが、近年ではサーバーサイドでも利用されるようになってきています。
3:Python
PythonはAIやデータ分析などで注目されているプログラミング言語です。Pythonは汎用性が高く、AIなどの最先端分野以外にもWebアプリケーションやデスクトップアプリケーション、組み込み開発などさまざまな分野で利用されています。
>> Pythonプログラミング言語とは|開発のメリット・デメリットを解説
また、コードがシンプルで読み書きもしやすい言語なので、初心者にもおすすめです。
4:Ruby
Rubyは日本人が開発したサーバーサイド開発に用いられるプログラミング言語です。Rubyはコードがシンプルなため、書きやすく読みやすいという特徴があります。
>> RubyとPythonはどちらを学習するべき?それぞれの特徴を比較
また、「Ruby on Rails」というフレームワークを利用することでWebアプリケーション開発を効率的に行えます。日本生まれのRubyは日本語の情報も手に入りやすいため、初心者でも学びやすいでしょう。
5:C++
C++はC言語にオブジェクト指向やクラスなどの概念を取り入れたプログラミング言語です。高速な処理が可能で汎用性が高いため、さまざまな分野で活用されています。
また、C言語を拡張した言語であることから、C言語で実装できることはC++でも実装可能です。
サーバーサイドエンジニアが勉強しておきたい資格
サーバーサイドエンジニアにはさまざまな知識やスキルが求められるため、資格を取得しておくのがおすすめです。ここではサーバーサイドエンジニアが勉強しておきたい資格を紹介しますので、参考にしてみてください。
- データベーススペシャリスト試験(DB)
- 基本情報技術者試験(FE)
- 応用情報技術者試験(AP)
- ORACLE MASTER
- Java SE 8 認定資格
- PHP技術者認定試験
- Ruby技術者認定試験
データベーススペシャリスト試験(DB)
データベーススペシャリスト試験とは、データベースに関する知識やスキルを認定する国家資格です。
情報処理技術者試験の1区分で、データベースの企画、要件定義、開発、運用、保守に関する業務に従事し、下位者を指導できるレベルのスペシャリストであることを認定するものです。
取得することで、情報システム基盤の企画や開発、保守運用の中心的な役割を果たすスキルを持つことを証明できます。
出典:データベーススペシャリスト試験(DB) | IPA
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/db.html
基本情報技術者試験(FE)
基本情報技術者試験(FE)はITエンジニアに必要な知識を有していることを証明できる国家資格です。情報処理技術者資格の1区分で、高度IT人材に必要な基本的な知識や技能、実践的な活用能力を測るものです。
取得することで、情報技術に関する基本的事項を理解し、システムの設計や開発、運用に活用することができることを証明できます。
>> 基本情報技術者試験はどんな内容?勉強法や受験するメリットについても解説
出典:基本情報技術者試験(FE) | IPA
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
応用情報技術者試験(AP)
応用情報技術者試験(AP)は、基本情報技術者よりもワンランク上のITエンジニアとしての知識やスキルを認定する国家資格です。高度IT人材に必要な応用的知識や技能を測るものとなっています。
ITエンジニアとしてのレベルアップを目指す人におすすめの資格です。
出典:応用情報技術者試験(AP) | IPA
参照:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ap.html
ORACLE MASTER
ORACLE MASTERはOracle Databaseの管理スキルを客観的に証明できる資格です。日本オラクル社が認定しているベンダー資格となっており、データベースに関連した業務に従事するエンジニアに必要な知識やスキルを身につけることができます。
試験は現在Bronze、Silver、Goldの3つのグレードで実施されています。主にOracle Databaseの管理や運用、SQLに関する問題などが出題されます。
Java SE 8 認定資格
Java SE 8 認定資格はOracle認定Java資格の1つで、Java SE 8に対応した資格試験です。Javaを使ったオブジェクト指向プログラミングの知識やスキルを認定します。
資格の認定パスとしてはBronze、Silver、Goldという3つのグレードがあり、取得することでJava SE 8に関する知識やスキルを保有していることを証明できます。
PHP技術者認定試験
PHP技術者認定試験はPHPの知識やスキルを認定する資格です。「PHP技術者認定機構」が認定している民間資格となっています。
現在、「PHP5技術者認定ウィザード」「PHP5技術者認定上級・準上級試験」「PHP5技術者認定初級試験」「PHP7技術者認定初級試験」の4種類の試験が実施されています。
Ruby技術者認定試験
Ruby技術者認定試験は、「Ruby Association」が実施している資格試験で、Rubyに関する知識やスキルを認定する資格です。
取得することで、Rubyベースでのシステム開発を行うために必要な基礎知識と応用力を持っていることの証明になるでしょう。
また、合格者は「 Ruby Association Certified Ruby Programmer Silver/Gold version 2.1」に認定されます。
サーバーサイドエンジニアになるためにおすすめの勉強方法
サーバーサイドエンジニアに必要な知識やスキルを習得するには、書籍を使った独学や、クラウドソーシングサイト、スクールなどを活用する方法があります。
ここでは最後に、サーバーサイドエンジニアになるためにおすすめの勉強方法を紹介していきます。
- 参考書や書籍を利用する
- クラウドソーシングサイトを利用する
- 学習スクールを利用する
- オンライン学習サービスを利用する
- 成果物を作ってみる
参考書や書籍を利用する
プログラミングに関する参考書や書籍にはさまざまな種類が販売されているため、独学でサーバーサイドエンジニアのスキルを習得することができます。書籍であればプログラミングスクールに通うよりも費用を抑えて学習することができます。
ただし、わからないことがあっても自力で解決する必要があるため、初心者には不向きです。
クラウドソーシングサイトを利用する
クラウドソーシングサイトでサーバーサイドの案件を受注することで、スキルを磨くこともできます。フリーランスとして案件を受注するのはハードルが高いですが、クラウドソーシングサイトにはさまざまなレベルの案件があるため、ものによっては比較的簡単に案件を受注できます。
まずは自分のレベルに合った案件を受注し、だんだんとレベルを上げていくと良いでしょう。
学習スクールを利用する
学習スクールの場合はプロの講師から直接指導してもらえるため、効率的にスキルを習得できます。疑問点があった場合はその場で質問して解決することができるため、初心者にもおすすめです。
スクールの中には資格取得までサポートしてくれているものもあるため、資格勉強も合わせて進めると良いでしょう。
オンライン学習サービスを利用する
オンライン学習サービスであれば、すき間時間などを利用して自分のペースで学習できます。パソコンやスマホがあればいつでも好きな時間に勉強でき、中には無料で利用できる学習サービスもあるため、スクールに通うよりも手軽です。
成果物を作ってみる
サーバーサイドのプログラミングスキルを身につけたら、自分で成果物を作成してみると良いでしょう。アプリケーションなどを一から作ることで、実践的なスキルを身につけることができます。
フリーランスのサーバーサイドエンジニアを目指す場合はポートフォリオも必要になるため、早い段階から挑戦してみると良いでしょう。
サーバーサイドエンジニアになるための勉強方法を詳しく知ろう
サーバーサイドエンジニアにはさまざまな知識やスキルが求められます。
ぜひ本記事で紹介したサーバーサイドエンジニアになるために勉強したいことや勉強しておきたい言語、資格などを参考に、サーバーサイドエンジニアに必要なスキルを勉強してみてはいかがでしょうか。
【著者】
東京ITカレッジで講師をしています。
Java 大好き、どちらかというと Web アプリケーションよりもクライアントアプリケーションを好みます。でも、コンテナ化は好きです。Workteria(旧 Works)ではみなさまのお役に立つ情報を発信しています。
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